竹内大輔の写真日記(~2009)
ピアニスト竹内大輔の、2009年までの日々を綴った日記です。
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成田空港飛行機撮影 1.(後編)
 ボーイング747、後にジャンボと呼ばれる飛行機が初飛行したのは、実は今から40年も前の事で、1969年の事でした。そして、定期路線に就航するのが1970年の事でしたから(今はなきパンアメリカン航空という会社の、ニューヨーク~ロンドン線です)、意外にも登場からは、かなりの年月が経っているという事になります…。しかし、まだまだ世界の空を飛び続けているのは事実ですから、非常に息の長い飛行機と言えるでしょう。これは、時代に対応したモデルチェンジが鍵を握っているのだと自分では思います。

   ガルーダ・インドネシア航空は、バリ島への足に!   翼の先端のウイングレットが、-400型の証しです

 現在、成田空港で見る事が出来るジャンボ機というのは、その殆どがボーイング747-400型(ダッシュ400…と読みます)というもので、これは“ハイテクジャンボ”とも言われています。特徴は、機首の部分の2階席部分が長いという事と、主翼の先端に、上側に向かって付けられている“ウイングレット”の存在です…。逆に、それまでのジャンボ機を“747クラシック”と言うのですが、一体何が違うのでしょうか。

   2006年にハワイを旅行した時の写真です   大ベテランの飛行機でもあります

 上の写真をご覧下さい(現在この機種は成田空港で定期便で見る事が出来ないため、左上は3年前の写真になります…)。これはボーイング747-200型というもので(右上写真はその貨物機部門、747-200Fというものです…“F”は“Freighter”の事です)、747クラシックの代表機首でもあります。2階席が、-400型に比べて短く、ウイングレットも装備されていないというのが分かります。
 ボーイング747は、もちろん-100型から開発され、世界に華々しくデビューしたわけですが、主にエンジンの問題からか、当初ボーイングが予定していた性能に達する事が出来ず、改良に改良を重ねたのがー200型なのです。これは世界の航空会社に幅広く受け入れられ、ジャンボが旅客機の王者としての位置を不動としたのも、この機種からと言って良いと思います。

   最後の活躍を見せる、日本航空の747-300型

 そして、その2階席部分を後方に拡大させたのが、747-300型(左上写真参照…もう日本では、見る事が難しい状況になってきました)です。これは、後に説明する747SPという機種のお陰で、2階席部分から尾翼までの距離が短い方が、空気抵抗を受ける量が少ないという事が判明した事によるもので、飛行機自体の重さは増加しているものの、より性能は良くなっているのだそうです。

 ここまでが747クラシックというもので、これ以降、旅客機業界では大幅なデジタル化が進み、より経済的な機体が求められるようになりました。そして、この-300型の胴体をベースに、各部の空力やエンジン(主翼は完全に新設計なのだそうです)、そして室内のアレンジ等を大幅に見直したのが、今現在の747-400型なのです。パイロットのシステムも、今までの3人乗務から、2人乗務での運航が可能になり、確かに-400型が初めて登場した1989年の時代ニーズに、ぴったりとマッチした新たなジャンボが出来上がったのです。この時代に合った変化が、現在まで長らく第1線で活躍できた所以なのかもしれません。

 ジャンボは、とにかくそのキャパシティーが大きい為に、色々な用途でも使われています。その代表的なものが“貨物輸送”というものです。実はジャンボ機は開発当初、いきなり今までの2倍以上の大きさの飛行機が出来あがってしまった為、こんなに大きな需要が今後見込めるのかどうか、かなり懐疑的に思われていた機種でもありました(実際は、乗客1人辺りのコストを大幅に下げる事により、航空運賃の割引に貢献をし、結果的に空の旅がより一般的になってくるのは周知の通りです)。なので、元々貨物機としての運航を見据えた設計になっているのです。機首の部分が2階建てになっていて、コックピットが2階になっているのもその為で、貨物機はそのノーズ部分を上げて、前から貨物を搬入することが出来るようになっているのです。

   日本貨物航空の最新型、ボーイング747-400F   元旅客機なので、機種部分のコブが長いのが特徴です

 貨物機はもちろん、-400型にもあるのですが、旅客型と同じように2階席部分を長くすると、その分掲載できる貨物の量が減ってしまう為、-400型でも2階席部分が短いのが特徴です(左上写真参照)。しかし、元々旅客機だったの飛行機を改造して、貨物機専用にした機種もあるので、こちらは流石に2階席部分は長いままです(写真右上参照)。このように、見比べてみると、結構色々な差があったりするのです。

   ちょうど積荷をしている最中でした

 また、旅客も貨物も載せたい…という航空会社もあるようで(笑)、コンビ型…というのも造られました。これは表記では747-400Mとか言うのですが、客席の後ろに貨物スペースが掲載されているのです(写真左上参照)。このように、その膨大なキャパシティーを生かし、ニーズにあった機種が続々と生まれていったのです。

 最後に、ジャンボ機には、かなりの異端時も存在します。それが、先ほど話したボーイング747SPというもので(SPは Special Performance の略です)、機体の全長を約14mも短くして胴体を軽くし、その分長距離を飛べるようにしたものです。初飛行は1975年、路線就航は1976年でした。
 当時、この飛行機を使って、パンアメリカン航空が東京~ニューヨークの直行便の運航を開始するのですが、これが今までには例を見ない長距離便だったのです(当時は、どこかしら経由しないと行けない距離でした…)。もちろん、同じ路線を経由便で飛ばしていた日本航空、ノースウェスト航空などは大きな打撃を受けるのですが、その後、ボーイング747-200の性能が良くなって、機種限定で-200型でも飛べるようになってきました。
 そうなると、747SPの出る幕は殆ど無くなってしまいます。これは生産数にも表れていて、ジャンボ機というのは全部で1500機以上の受注を集めているのですが、このSP型は全45機で生産を終えました。当時、それ程長距離の路線が必要とされていなかったという事情もありますが、この旅客機を未だに現役として使っている航空会社があります。それがイランのフラッグキャリア、イラン航空です。

   ジャンボの異端児、ボーイング747SP型

 写真を見ても分かるように、本当に短いです(笑)。実は今回、自分は成田空港に出向いた目的の1つに、このSP型を撮る!…というのがあったのです。イラン航空は、週に2便だけ成田線を運航しており、基本的にSP型での運航となっています(2機しか所持していないので、事実上日本線専用の機体ともなっています)。これは相当珍しく、世界でもSP型の定期便を運航しているのは、イラン航空の成田~テヘラン(イランの都市名)線ではないでしょうか。
 ただ、イランという国は、ご存知の通りアメリカからの経済制裁を受けておりまして、実はボーイング社から新品の飛行機が購入できない事になっているのです。これはエアバス機でも同じで、部品にアメリカ製の物がある…とかいう理由で駄目らしく、その為現在運航している機体は、イラン革命が起こった1979年以前、または中古品として導入された飛行機ばかりになっているのです。
 これはかなり機齢的に厳しいものがありまして、イラン航空が使ってるボーイング747SP型も1984年に導入されて以来、もう25年間も飛び続けているので、そろそろ引退の文字が聞かれてもおかしくありません。しかし、代替となる機種も未だ不透明ですし、そもそも路線から撤退するのではないかという噂もよく聞かれます。
 とにかく、SP型を撮るには今しか無いと判断し、そして空港に向かったわけです。この日のイラン航空の便は、約1時間遅れで成田空港に着陸していましたが、やはり人々の注目は浴びていましたね。寒い中(風が強い日でした)待った甲斐があったというものです(笑)。SP型を購入した航空会社は、他には台湾のチャイナエアライン、シリア航空、南アフリカ航空等がありますが(現在はどれも運航していません)、これらの国に共通している事…それは、世界から孤立した状況にあった…という事です。
 要するに、長距離の路線では無かったものの、飛行中に何らかのトラブルが起きても、着陸させてくれる空港が少なかったりしたわけです。特に、南アフリカ航空のヨハネスブルグ~ロンドン線は、当時他のアフリカ諸国から強い反発を受けていた為に、他のアフリカ上空の飛行が認められなく、一端洋上に出てから、遠回りするようにロンドンに向かっていたらしいのです。今では考えられない感じかもしれませんが、当時は今とは違う事情が色々とあったわけなのです。

   MDー11型に代表される、尾翼にもエンジンを装備する3発機は、もはや世界的にも貨物機でしか見なくなってしまいました…   元ノースウェスト航空塗装で、最近デルタ航空塗装になった、ジャンボ機以外の飛行機も見かけました…機種はボーイング757-200型です

 さて、話しが色々と脱線してしまいましたが、こうして飛行機撮影を長い間していると、特に海外からの航空会社を見るだけで、その国の事情が分かったりもして、なかなか面白く感じました。お陰で、ジャンボ機からこんな話題まで飛び出しましたし(笑)、複雑な空の事情が少しでも分かって頂けたのではないかと思います。
 …また時間のある時にでも空港に出向いて、また今回のような色々な話しが出来ればと思います。では、3回に亘って長々と話してまいりましたが、付き合って頂いてどうもありがとうございました。今度は暖かい季節を望みたいですね(笑)。

 …最後に、やはり成田空港はジャンボ王国だと思いました。数的に減ってはいましたが、他の諸外国の空港と比べても、断然その便は多いと思ったのです。まだまだジャンボ機は不滅なのですね!

テーマ:趣味と日記 - ジャンル:趣味・実用

この記事に対するコメント

寒い中、一体、何時間空港にいたのでしょうか?
お疲れ様でした(笑)。

飛行機の種類がこんなにもあるのにも驚きましたが、
それを全て、写真に納めてる!さすがです(笑)

ジャンボの飛ぶ姿もほんと、ステキ♪♪
ありがと~う!!

それにしても、ほんとに豊富な知識。。。
圧巻です(笑)
【2009/02/22 08:47】 URL | まーちゃん #mQop/nM. [ 編集]

えーと…
着いたのが朝9:30で、それから昼の15:00までいましたから…
5時間半ですね(ご飯は食べに行きましたけど)。この間、
殆ど体を動かしてなかったので、寒さが堪えたのだと思います。

努力賞!
【2009/02/22 17:22】 URL | 竹内 #- [ 編集]

飛行機の記事、楽しませていただいてます
お久しぶりに書かせていただきます、かっぱです。ご活躍のご様子、なによりです。お仕事の傍ら、成田で楽しい時間を過ごされ、そのリポートがまた圧巻で、「へ~!!」を連発しながら拝読させていただきました。実は私も飛行機が大好きで・・・・というか私の母が大好きなせいか、子どもの頃、よく羽田空港に連れて行ってもらい、一日じゅう羽田で飛行機を見て遊んでいました。私が幼児のころはまだ成田空港がなく、全ての国際線が羽田発着だったのでした。私は竹内さんのように機体の種類には全く詳しくないのですが、尾翼のデザインでどこの航空会社か当てるのは幼児のころから凄くうまくて、大学生になってから友人と成田空港に遊びに出かけてデッキに出た折に、遠くからやってきて着陸する飛行機の尾翼が幽かに見えた時点で「あれは○○航空!」と言っては驚かれたりした記憶があります。機体というのも、よく学んでみますと非常に興味深いものだと、竹内さんのレポートを拝読して思いました。そんな機会は得られませんが、もし竹内さんと共に成田空港のデッキに出て、機体について講釈をいただけたら、非常に面白かろうと思った次第です。
私が初めて国際路線に乗ったのは小学3年生の時だったのですが、その飛行機は2階が寝室?になっていました。私は子どもだったためか「少し寝なさい」と言われ、真っ暗な二階に連れていかれて強制的に寝かされた記憶があります。いくつもベッドがあって、人が寝ていました。いったい、なんの部屋だったのか、どうして二階で寝かされたのか、今でもサッパリわかりません。起きた後、アテンダントのお姉さんを捕まえて一緒にトランプをしていたのですが、「今からパイロットさんにご飯を届けに行くけど一緒に来る?」と言われ、ひょこひょこ付いて行ってコックピットに入れてもらった記憶もあるのです。意外と凄く狭い部屋に計器がギッシリ並んでいて、広い窓から朝日が見えたことも、半袖シャツのパイロットさんが凄くカッコよく見えたのも、鮮明に覚えているのです。夜間飛行だったので強制的に寝かされ、起きた後に日が昇ってくるのが見えた、ということだったのではないかと思います。
電車も楽しいですし、船もまた綺麗ですが、飛行機というのは群抜きでドラマ性を帯びている乗り物だと思います。それにしても、いつも不思議感が拭えないのが、なぜあんな巨大なものが空を飛ぶのか?どうしてあんなに速いのか?という、超~初心者的な疑問です。紙飛行機のような軽いものでも飛ばすのは難しいのに!もちろん、飛行機が飛ぶ理由は学校で学習したことはあるけれど、機体を見るたびに、「どうして浮くのか?」という不思議感が湧いてしまうのです。何百人もの人、その人たちの食事、荷物、それを全部まとめて運ぶ飛行機って、凄い。そんなわけで、乗る前にはつい「頑張ってね~、よろしくね~」と機体に声掛けをしてから乗ってしまう私であります。
私もまた成田に行った折には、竹内さんのリポートを含めて、あらためて機体を観察してみたいと思います。ありがとうございました!またのレポート、楽しみにしています。
【2009/02/24 01:29】 URL | かっぱ #- [ 編集]

コメント文、楽しく読ませて貰っています(笑)
コックピットに入れたのは羨ましい限りですね。
現在ではセキュリティーが厳しくて、飛行中の
立ち入りは禁止されているのです。飛行機の2階
(恐らくジャンボ機ですね)に寝室があったというのも、
現在の大量輸送時代に比べて、まだまだ客席に
余裕があったという感じなのでしょう。良き時代を
体験されているようで、色々話しを伺いたいものです。

またこれから適度な時間が出来たら、こんな感じの記事を
書いていきたいと思いますので、楽しみにしていて下さいね!
【2009/02/24 02:36】 URL | 竹内 #- [ 編集]


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プロフィール

竹内

Author:竹内
1980年1月29日生まれのO型。
3歳からクラシックピアノを始め、
高校ではジャズに目覚め、大学では
バンドも経験する。現在は関東を
中心に、ライブハウスやホテルの
ラウンジ、レストラン等で演奏を
行っている。また、写真好きが興じて
簡単な写真撮影の仕事もしている。
…そんな29歳です。



次回のリーダーライブ

2010年2月7日(日)
外苑前 Z・imagine
Open…18:00~(予定)、
1st.…18:30~、2nd.…20:00~、
Charge…2700円(ドリンク別)
(Pf)竹内大輔
(B)池田暢夫
(Ds)佐々木俊之



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