竹内大輔の写真日記(~2009)
ピアニスト竹内大輔の、2009年までの日々を綴った日記です。
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黒光由佳、北海道ツアー(2008.6.28~7.2)
 もうツアーが終了してから1ヶ月以上が経ってしまいましたが、元宝塚の“夢輝のあ”さんこと、黒光由佳さんの北海道コンサートのサポートをすべく、札幌、室蘭、帯広と回ってまいりました。コンサートは3日間あって、自分の行程が5日間となっているのは訳があって、まあ、コンサート後に鉄道を乗り回していただけなのですが(笑)、それらも一応含めて、北海道というものを満喫できた5日間になったと思います。現在の東京は連日真夏日となる暑さが続いていますが、この記事では、初夏の北海道の魅力をご堪能できればと思っております。それではどうぞご覧下さいませ。

   6月28日(1日目)
 パーカッションの佐藤直子さん、ドラムの滝川岳さんと共に羽田空港に集合したのは、朝の9:15でした。この日は土曜日という事、そして北海道での洞爺湖サミットが近付いているという事で、空港内は結構混雑している感じでしたが、なるほど、これから自分達の乗るエア・ドゥという航空会社も、午前中はほぼ満席となっていました…。この時期の北海道は、やはり人気があるのかもしれません。

   ディズプレイ上には“満席”の状態が目立っています   ついつい勢いで入ってしまいました…まだ羽田空港にて(笑)

 飛行機は10:15発で、まだまだ時間があります。チェックイン、荷物検査を受けて搭乗口に向かうと、その途中に“江戸式中華そば、ちばき屋”という、まあスタンド的な造りのラーメン屋があったのですが、ここでドラムの岳さんが異常な反応を示し、皆小腹も空いていたので、北海道に向かう前にラーメン屋に行くという、前代未聞の行動をとってしまいました。この時、北海道で味噌ラーメンを食べるという選択肢は考えてなかったのでしょうか…。一体このツアーはどうなってしまうのか…。

   格安航空会社らしく、シンプルな塗装です   スクリーンにメニューを掲示するというのは知りませんでした

 それはさておき、今回乗るエアドゥ(正式名称は北海道国際航空)という航空会社は北海道をベースとした格安航空会社で、設立からもう10年以上は経っています。他の日本の格安航空会社同様、やはり経営は苦しかったものの、現在は全日空の傘下に入って業績は取り戻し、北海道“らしさ”を提供する事でも知られている会社でもあります。それは機内サービスにも表れており、飲み物は北海道オリジナルのブレンド・コーヒーや、北海道北見特産のオニオンスープ、北海道大沼産のミネラル・ウォーター、SAPPORO 爽麦茶など、かなりの拘りが見られ、音楽プログラムでは、北海道に所縁のあるアーティストの曲を流していたりもします。また、エアドゥのマスコット・キャラクターでもある、熊のベアドゥ(笑)のグッズも販売していて、他の航空会社には無い独創性を打ち出しています。それでいて、全日空や日本航空よりは安い運賃で路線を提供しているので、北海道に行く際の航空会社の1つとして検討してみるのも良いかもしれませんね。自分は学生時代の時に何度か利用しており、今回はそれ以来だったので久しぶりの搭乗となりましたが、以前にも感じた家庭的なサービス…というのは健在でした。正に、北海道に行っている…という気分に浸れるのが大きいと思います。

   爽やかな降機姿です

 新千歳空港には11:45着。羽田からは1時間半で着いてしまうので、やはり飛行機は早いです。思えば、昨年の9月には鉄道だけで北海道往復をしたりしていましたが〔Generation Gap & The Linda カップリング・ツアー、北海道編(2007.9.13~9.17)参照〕、あれは本当に長かった…(笑)。飛行機は少し遅れをもって到着したものの、たかが10分、15分ぐらい…と思ってしまいます。
 しかし、この遅れを気にしていたのが岳さんでした。実はこの日の昼に、自分のドラム・クリニックを札幌で予定しており、結構タイトなスケジュールとなっていたのです。結局は、時間に間に合わずの到着となってしまっていたそうですが、どうもこのツアーには、メンバーそれぞれの思いが同時進行で交錯しているような気がしてなりません…。そんな思いを象徴する出来事だったとも思います。

   お客さんも続々と入ってきました♪

 岳さんと別れ、直子さんと自分は、札幌駅に隣接しているHMV札幌ステラプライスに入りました。このお店にて今日の15:00から、黒光さんの新しく発売したCD“NOA”〔黒光由佳北海道ツアーのリハーサル、そしてファーストアルバム発売!参照〕のインストアライブが行われるのです。ただ、ここでは基本的にカラオケでの披露となっており、つまりは自分達がここにいる必要は無かったのですが、せっかくなのだから見ておきたいという気持ちはありました。その後黒光さんや、今回のツアーの企画者であるゴールデンバードの北条さん、そしてスタッフの皆さんとも合流しますが、黒光さん達はもう何日も前に北海道入りをしており、コンサート宣伝など、精力的に活動されていて、若干お疲れの様子です…。しかし、生身で人前で歌うというのは今回が初でもあるので、改めて気合いを入れ直している感じでした。
 …と、いつの間にかパーカッションの直子さんが交渉しています。何を…と思っていると、次の瞬間、私も今回のステージに参加しますと言うではないですか…。確かに、せっかく早めに来たのですから、参加しておくべきですよね(…というか、いきなりで出来てしまうのですね)。ならば自分も!…と、この時若干思ったのですが(笑)、PAとステージの広さの関係上、ここは遠慮しておく事にしました。…しかし、演奏中は何かしら役に立ちたいもので、思案の結果、ここは写真班に(強引に)回る事にしました(笑)。自分のカメラだけではなく、北条さんのカメラ(自分のより性能が良いです)でもステージを撮っていきます。ここでは個人的に、充実した時間を過ごせたようにも思いました。

   良い雰囲気がありました   1人1人丁寧に応えていきます

 インストアライブでは、予想以上に多くのお客さんに集まって頂いてようで、自分は正直驚いてしまいました…。いくら黒光さんが北海道出身だとは言え、自分の活動拠点である東京から遥か離れた地でのこういった光景…。やはり、自分の考えている以上に、今後の活躍が期待されているのだと思います。そして、スタッフの皆さんとのプロモーション活動にも、相当な力を注いできたのだろうと思わずにはいられませんでした。こうしたプロジェクトにミュージシャンとして参加させて頂けるのは、本当に嬉しい限りでしたが、それ故にこのインストアライブを見ていて、必ず今回のツアーを成功させてやろうと思ったものです。やはりコンサート前に、今回のインストアライブでの現場を見ておいて良かったですね。

 インストアライブ終了後は、恒例の握手・サイン会です。これも1人1人丁寧に応対しているのが“黒光流”とでも言いましょうか…。こちらも見ていて朗らかになる感じがしてしまいます。しかし、実はこの後の時間がまたタイトでした。この日の夜に演奏が行われる、手稲 New Hope Sapporo Hall という所に、全員が17:00までに着かなくてはならなかったのです。インストアライブ後の片付けが終わったのは、何だかんだで16:00くらいだったので、そんなにタイトではないかと思われるかもしれませんが、自分達を含めてスタッフが10人くらいは居るのに車は1台しかなくて、その移動手段に頭を悩ませました。
 手稲という所は鉄道でも簡単に行けるのですが、駅からお店まで若干歩くとのこと…。人数以上に荷物も相当多かったので、ここは分担をせざるを得ませんでしたが、結局ミュージシャン優先で、直子さんや自分は車に乗せて貰える事になりました。今回は、個人企画に近いツアーでもあったので、こういったメンバーの移動等の手配は本当に大変だったと思うのですが、有り難い限りでした。お陰で、ミュージシャンメンバーは時間通りに会場に着く事が出来たのです。

   御伽の中のワンシーンのようです   ぬくもりを感じさせてくれるステージでした

 会場はとてもメルヘンチック?な雰囲気で、周囲にはバラの花が添えられていたり、北海道らしくラベンダーも咲いていたりしました。洋館風な外観の建物(内装も)だけに、元宝塚という経歴の黒光さんには似合い過ぎる感じでしたが、ステージもしっかりしていて、今回のツアー編成にはピッタリの場所だとも思いました。
 ところで、今回のツアー編成というのは、ボーカルの黒光さんはもちろんですが、他に、ドラム、パーカッション、ピアノ、キーボード(ヨッシー佐藤さん…北海道出身という事で、今回は前日入りしていました)という、かなり変則的な陣容で挑んでいました。ベースはいなく、これはキーボードで出しており、打楽器2人、鍵盤楽器2人という、ある意味異様な光景が展開されていましたが(笑)、それだけに、自分達だけでした出せない音を作っていきたいものでした。そしてリハーサルは難なく進んでいきます…。

 この日のコンサートは、実は“滝川岳プレゼンツ”ともなっていました。『探偵ソウル』という、バンドに参加している岳さんですが、この日はそのメンバーである、ギターの田村直樹さん、ボーカルの竹下舞子さんが加わって、そしてそのメンバーに自分達がゲストで演奏する…という感じの内容です。まあ実際の曲数からすると、黒光さんがメインという感じもしないでもなかったですが(笑)、この日のライブは“緩く”がモットーでもあったので、良しとしましょう(笑)。
 その代わり、ステージ上での変化は結構ありました。最初はインストで始まり、その次に黒光さんを呼び込んでCDの曲から1曲演奏…。そして、その次は北条さんも呼び込んで、“キャンディキャンディ”を熱唱します。この曲をやる事になったのは訳がありまして、この日、実はキャンディキャンディの作者である“いがらしゆみこ”さんにお越し頂ける事になっていて、黒光さんも北条さんも昔からファンだったという事で、ここで実現する運びになったのです。この曲を、まさか作者の目の前で披露するとは夢にも思ってもみませんでしたが、良い経験になった気もしました(笑)。
 そして、もう1曲ほど黒光さんのCDの曲を歌い、ギターの田村さんを呼び込んで再度インストへ…。かなり変化のあるステージです。そして、ボーカルの竹下さんを呼び込み、探偵ソウルの曲を2曲程やって、また黒光さんへバトンタッチ…。曲調も色々と変化をしていくので、頭の切り替えが大変になってくる頃でもあります。
 また、さらに途中には、北条さんだけが歌うという曲も用意しました。これまで下準備等で色々忙しかったにも関わらず、ボーカリストとして参加(ついでに、曲の節々にコーラスとしては参加しています)というのは流石としか言いようがありません。それでも、お客さん的には、出演メンバーの色がそれぞれ見え隠れして、面白かったのではないかと思っています。
 その後、ボーカルはまた黒光さんに戻り、盛り上がったところで演奏は終了。そしてアンコールでは、今まで出てきた出演者全員で、ビートルズの“Hey Jude”をやりました。ボーカルも、竹下さん、北条さん、黒光さんと交互に歌い、最後にはハモリも入れたりしながら、正に今夜だけの演奏がここに実現できた気がしました。
 “今夜だけ”…これが、この日のコンサートの最大の魅力とも思っていただけに、今回は自分達のステージを余す事無く表現できた…と言って良かったのではないでしょうか。実際お客さんも凄く喜んでくれて、演奏1日目として良いスタートが切れたように思います。同時に、何とか無事に1日目が終われて、ホッとした…という思いもありました。皆様どうもお疲れ様でした!

   共演時間は短かったので、大事に演奏したいところでした   まずは最初のステージが終わり、皆ホッとしている感じです

 この後は、メンバー各々で札幌に戻る事になりました。…というのも、岳さん側は、田村さんや竹下さん達と同じバンドをやっているわけですから、せっかく北海道まで来たので一緒に飲みたいでしょうし(ここにヨッシーさんも参加)、直子さんは札幌が実家ですから帰っておきたいでしょうし、黒光さんは北条さんは、すぐに明日の準備に取り掛からなければならないでしょうし…。とにかく、各個人でそれぞれの行動が大事だったのです。自分は北條さん側とホテルが同じだったので(岳さんやヨッシーさんとも同じです)一緒に車で帰り、ホテルの食堂でご飯でも食べながら、ビールを飲みつつ、黒光さんとは日本酒もやりつつ(笑)、明日のコンサートに控えました。
 そこで色々な話しをさせて頂きましたが、とにかく、自分で企画するツアーの大変さ…。これを身に沁みて感じたような気がします(お酒も入っていて、そんなに確かではありませんが…笑)。いつの間に黒光さんのコンサートによく参加させて貰っている自分ですが、そこまで話した機会はこれまで無かった為、改めて、黒光さんの自分自身の活動に対する、強い“気持ち”の部分を感じる事が出来たように思います。ただ、ここで色々考えても仕方ありません。まずは目の前のコンサートを成功させるのが先決です。複雑な思いでしたが、そんな気持ちを胸に、北海道の1日目は終わりを告げました。

   6月29日(2日目)
 この日はいわゆる、ツアーの山場となる日です。黒光さんの出身地である室蘭市にて、500名を越える人達が入れるホールでコンサートを行うのです。正に一大イベントであり、CDの販売促進も繋がる、非常に大事な1日になるのは明らかでした。昼からの開場となっていたので、札幌出発は朝早くに設定し、余裕をもってコンサートに臨むようにしたものです。

   札幌で泊まっていたホテルの最寄り、地下鉄の中島公園駅…奥には、以前ライブを行った YAMAHA の建物が見えます   札幌駅も、さすがにもう慣れてしまいました

 この日演奏する場所は、室蘭市の市民会館で、地元では“わにホール”とも呼ばれている所です(不思議な名前ですが、この辺りの地名“輪西”に由来しているのかもしれません)。今回は、ここで10:00からリハーサルを始めれるように時間を組んでいるとのこと…。ただ、北条さんや黒光さんは、札幌から車で更に早めに現地に向かいましたが、この日の演奏者である他の4人(自分、直子さん、岳さん、ヨッシーさん)は、鉄道で現地に向かわなけばなりませんでした。この時、どうやって行くかを昨日のコンサートが終わった後に打診されたのですが(笑)、そういう事ならば任せて頂きたいものです!…パッパと時刻表を調べ、札幌7:30発の特急『北斗』4号の指定席をこの日朝早く起きて買っておきました。しかも、JR北海道の特急には“Sきっぷ”という、4枚綴りの回数券タイプの切符があり、今回自分達は4人だった為、かなりお得な値段(通常の半額近い値段)で切符が買えました。このあたりから、徐々に自分がバンマス風なポジションを課せられる事になっていったような気がしますが、まあ、あまり気にしないようにしていましょう…(笑)。
 さて、札幌から東室蘭までは、特急で約1時間半という所要時間です。岳さんとヨッシーさんは、恐らく昨日は遅くまで飲んでいたのでしょう…。出発して暫くすると気持ち良さそうに眠ってしまいました。そして、自分と直子さんは…というと、ほぼ自分が鉄道に関して話題を振っているだけで時間が経ってしまいました(笑)。何しろ、札幌~東室蘭の間というのは、苗穂運転所や、新千歳空港(航空自衛隊管轄の千歳基地を含む)、沼ノ端付近の千歳線と室蘭本線の合流の壮大さ、沼ノ端~白老間の日本最長直線区間等、まあ話題には事欠かない路線でもあるのです…。お陰で、東室蘭まではあっという間でしたが、果たして年頃の男女の会話として相応しかったのかどうかは…分かりません(笑)。

   直線区間が続いています   リニューアルされていた東室蘭駅

 わにホールは、ここから1駅の輪西という所が最寄駅でもありましたが、自分達は荷物も多かった為、ここからはタクシーで会場に向かう事にしました。このタクシーの運転手さんが話し好きな人で、北海道の気候には梅雨がない、自分は富士山を見に、わざわざここから車で御殿場まで行った事がある…等、それはもう色々な尽きない話しをしてくれて、早速、室蘭市の洗礼を受けた感じはしましたね。会場には9:10頃と、余裕の到着でした。

 既に北条さんや黒光さんは会場に到着していて、ホール内のステージ上では、機材のセッティングが真っ最中という感じでした。そこでドラムやパーカッションのセッティングも進めていきます。そしてリハーサルを始めようとするのですが、照明など、予想以上にチェック項目が多く、音を出せたのは10:00を大幅に過ぎた時間でした…。やはり、早めに着いておいて良かったと思いましたね。
 ここでは、本番さながらに通しでリハーサルは行われ、それは時間にして2時間くらい掛かりました。本番前なのに流石にぐったりしてしまいましたが、ここで楽屋に行くと、お寿司など、豪華な食事が並べられているではないですか!…これらは、黒光さんのお母さんが自分達に用意して下さったもので、一気にこちらのテンションも上がってしまいます。自分の大好物であるサーモンに、ウニ、イクラ等、北海道を代表する具が沢山、自分の目の前にあります。本番前の、束の間の休息時間を楽しめた感じでした。

   室蘭市の誇る建物なんだとか…   これら寿司群を目の前にしたら、誰だってこんなポーズになってしまうでしょう…本番前の楽屋にて

 さて、本番は少し時間が押して、14:15くらいから始まりました(予定では14:00開幕)。…というのも、ここでも予想以上にお客さんが入って、急遽座席を用意したというのです。これは後で気付きましたが、つまりはお客さんは軽く500人を超えていたという事でしょう。素晴らしい事だと思います。
 ここでは長丁場となるのは予想できたので、自分ではペースを守って演奏したつもりです。まずは、CDの最初の曲を彷彿とさせるようなオープニングで、その後にかつての宝塚時代の曲、そしてカバー曲を演奏します。客席も暖まってきたところ?で、ここからCDに入れている曲を中心にお届けしました。これらはもちろん、CDに入っているアレンジを踏襲しつつ演奏しているのですが、やはり編成が編成だけに、若干のアレンジをして演奏する事もしばしばです。そのあたりの差を感じながら聴くのも、また面白いのではないかと思います。
 そして、“El Halcon(エル・アルコン)”を歌った後には、インストで“Spain”をやりました。Spain は個人的に何度も取り上げている曲ですが、まさかここでも演奏する事になろうとは…(笑)。それも、プロデューサーである北条さんと自分の好みの曲が、わりと近い部分を持っているからだとも思います。ここでは黒光さんの着替えという名目もあった為に(本当ですよ!)、長めに演奏させて頂きました。会場も盛り上がって良かったと思います。
 気分を新たにして、今度は黒光さんと自分のデュオで、“いのちの名前”を演奏しました。これはジブリの曲で有名ですが、その次にバンドでやった“勿忘草(わすれなぐさ)”というオリジナル曲と共に、自分でも好きな雰囲気の曲のうちの1つです。一音一音を大事にして歌っている様がよく分かりますし、だからこそピアノの一音一音も大事に弾きたくなる曲でもあるからです。曲には色々な雰囲気のものがありますが、生のグランドピアノだからこそ最大限に表現できる曲…といっても良いのではないでしょうか。ここのホールのピアノは大変弾きやすく、特にこれらの曲では本当に気持ち良く演奏する事が出来ました。一音一音、一曲一曲が生きる時間であったとも思います。
 その後にはオリジナル曲、カバー曲でたたみ掛け、ラスト曲は、こちらも宝塚時代によく歌っていたと思われる“銀河鉄道999”で締め括りました。もちろんアンコールも起こり、更に2曲を熱唱しました!…という事で、ついに約2時間、全17曲の公演を終わらせる事が出来ました。本当に長丁場で、しかも曲出しは殆ど自分だった為に、かなり神経を使うステージでもありましたが、終わってみれば、とても清々しい気分が自分を包んでいました。
 やはり遣り甲斐はありました。もちろん、今頃は黒光さんが会場の出口でファンを出迎えているのでしょうが、とりあえず自分は楽屋で一休みしつつ、感慨に耽っていたい感じでしたね。このツアーへの参加が決まってからここまで、長いようで短かったような気もしますが、まずはここで一区切り…です。

   照明も色々と凝ってくれたようです   これから盛り上がってくるところでしょうか…?

 そして、この後はもう1つの大イベントがありました。地元の方や、出演メンバー、ファンの方も交えて、皆で壮行会が行われるというのです。会場は、ホールから歩いてすぐの所で、いわゆる料理屋の一室を借り切って…という感じでしたが、自分達もそこに訪れると、そこには黒光さんの親戚やら、地元の方々、そして遠方からも駆けつけて頂いたファンの方々が一同に介していたので、変に圧倒されてしまいました。こうまで皆さんと近い場ですと、何だか恥ずかしくなってしまうのです…。
 もちろん、そんな事はお構い無しに、ここでは黒光さんのお母さんが場を進行していきます。そして、ついにはここにいる方全員が、それぞれが皆に自己紹介をするという段取り(!)になってしまいました。さ、さすが黒光さんのお母様…。こうやって黒光さんは逞しく育っていったのだと、ここにいる誰しもが思った事でしょう(笑)。ここでも自分はバンマスの名を皆から課せられ、バンドを代表して挨拶しましたが、、、この日一番緊張した時…だったかもしれません…。

 …どれくらい時間は経ったのでしょうか。自分も色々な人と話していたりして、更にずっとお酒は飲み続けていたので、気付くと声が嗄れ始めているのが分かりました。いい時間になっている気はしましたが、何時からこの場所にいるかが思い出せません。…とまあ、そんな状況で楽しい時間もあっという間、それぞれホテルに戻る事になったのです。この時、お客さん優先でタクシーを呼んで帰路に着いたのですが、外の寒いこと寒いこと。これが7月にもなろうとする季節かと思うくらいでした(確か15℃くらいだったような…)。しかし、黒光さんに言わせると、これが“普通”なのだそうです。さすがは北海道ですね。
 ホテルに戻り、自分は岳さんとヨッシーさんと同じ部屋でしたが、実は今日で2人とはお別れです。明日も演奏はあるのですが、会場が小さいだけに、楽器陣は自分と直子さんのみとなってしまうからです。なので、せっかくですから…という事で、岳さんがいつの間にか“いい感じ”の居酒屋を探し当ててくれました。ホテルから歩いてすぐの所にそれはあり、外は寒かったものの、店内は暖かい雰囲気が滲み出ているようでした。

   いかにも…なムードが漂っていますね(笑)   お疲れした!…の表情です(笑)

 ここは焼き鳥屋だったのですが、北海道で焼き鳥と言えば、肉は“豚肉”が出てくると言うのです。これは岳さんに聞いて初めて知った事だったのですが、確かにここの店主にその事を聞くと、焼き鳥の肉は紛れも無く豚肉との事でした。そして、この肉の美味しい事と言ったらありません。あまりに楽しかったので、焼き鳥(豚?)も何本頼んだか忘れてしまったくらいでしたが、この時は日本酒もまた進みました。正に、北海道の味を満喫していると思いましたね。
 そして、店も時間になって閉めてしまうというので、更にこの後は近くの(…というほど近くはない)コンビニで別の日本酒を調達し、部屋でも飲むという手段をとらせて頂きました。大きな事をやり遂げた後は、本当に気持ち良くお酒が飲めますね(笑)。まだまだ北海道の夜は続いていく感じでした♪

   6月30日(3日目)
 この日は、演奏日としては最後の日となります。場所は帯広にあるお店にてで、16:00に着ければ良かった為、久しぶりにゆっくりとした朝を迎えられそうな感じでした。しかし、予想以上に広いのが北海道でもあります。この日は車で行くのは困難と判断し、鉄道で向かう事になるのですが、それが特急を乗り継いだとしても約3時間の行程になるのです。これはまた長旅ですが、自分のテンションは上がっていたのは言うまでもありません(笑)。

   “遠征”に荷物は不可欠なのです…出発の東室蘭駅にて   まだここから2時間の旅です…新千歳空港にて

 まずは特急『すずらん』5号で新千歳空港駅へ、ここで乗り換えて、今度は特急『スーパーとかち』5号で帯広へと向かいます。道中は海際を走ったり、深い山間部を走ったりと、車窓にはなかなかの変化があったのですが、特急だけにその変化が激し過ぎるのがよくありません。そして、窓を開けられないのもネックです…。仕方無い、これらの景色は後にとっておくとして(笑)、まずは体力の温存に努める事にしましょう。

   帯広駅の前には、鉄路が…   可愛らしい外観のお店です

 帯広駅からはタクシーを使い(…ていうか、タクシーでないと行けない距離にありました)、この日の演奏場所であるランチョ・エルパソというお店に着きました。建物には可愛い豚のイラストが沢山描かれており、ここは基本的にレストランと聞いていたので、豚料理でも出すお店なのかな?と思っていたのですが、これが予想以上に豚料理に拘りのあるお店でした。
 お店独自の養豚場…というか、豚を放し飼いにした牧場をお店として持っており、それ故にストレスの溜まっていない豚の肉を、ここでは出す事ができるのだとか。…と説明されずとも、店内を見渡せば、立派な豚の肉が吊るしてあったり、奥にはハムなどの土産売り場が見え隠れするなど、料理にかなり期待できそうな光景が展開されていました。
 それでいて、お店にはグランドピアノ完備で、ちゃんとPAも入っている等、なかなか優秀です。そしてここのPAの方が協力的で、直子さんはパーカッションとして“つぼ”(PA的に難しい楽器でもあります)を用いる事があるのですが、それにはかなり気遣って音作りをなさってくれました。また、お店のスタッフの皆さんも暖かく出迎えてくれて、一気に帯広という町が好きになってしまいましたね。そして、これは知らなかったのですが、帯広は“豚”の町なのだそうです。北海道だと、どこか“牛”や“羊”のイメージがあったのですが、ここでは豚が特産という事で、改めて帯広という町に興味が湧いてしまいました…。
 北海道には何度も来た事がありましたが、帯広のように、“大地”を感じ取れる場…というのは、実は今まで訪れた事が無かったかもしれません。いや、もしかしたら、これこそが北海道の本当の魅力なのかも…とまで思い始めてきました。それは料理に関してもそうで、ここで出された物(本番前に、“少しだけ”嗜ませて頂きました…笑)は本当に美味しく、海の幸とはまた違った北海道を感じたものです。これは良いライブが出来ると思いました。

   本番前に、軽く1杯…(笑)   豚料理が続々と…しかし、これらはまだ序章に過ぎません

 そうです、ここではコンサートというより、ライブと言った方が雰囲気的には合っているかもしれません。お客さんは料理を食べつつ、その前で自分達のステージを見れるという環境なのです。お互いに、気楽にやっていた方が楽しいかもしれません。実際、この時は終始リラックス・ムードで、前日のコンサートとはまた違った雰囲気がそこにはあったように思います。
 今回のインストは1曲目に行い、曲はチック・コリアの“Armando's Rhumba”で、もはやこれは自分が提案した曲だったのですが、北条さんも好きな曲という事で、今後もインストのチック・コリア縛り?は続いていくのかもしれません(笑)。あとは前日行ったコンサートのミニ・バージョンとでも言いましょうか…。全部で1時間強のステージをやって、この場は終わらせて頂きました(もちろんアンコールまで、きちんとやり切りましたよ)!
 終始リラックス…というのはMCにも現れていて、もしかしたらこの日の黒光さんは、前日以上に喋る機会が多かったのではないでしょうか。楽器の事にも触れたり、この日帯広に着いて、このお店の料理がまた美味しくて美味しくて(笑)…なんて話しまで飛び出しました。曲に関しては、インスト以外は全て今までやった事がある曲だったのですが、ここまで雰囲気も異なって、更に楽器陣も違うのですから、お客さんはより近い距離で聴けたというか、よりアットホームな感覚で参加できたのではないかと思うのです。実際、個人的にもこちらからお客さんの距離は近く感じられて、演奏的にもアットホームな雰囲気を出せたように思いました。
 こういったライブもまた良いですね。ツアー的にはこの日が最終演奏の日だったので、本来ならもっとビシッと終わりを迎えるべきだったのかもしれませんが、それは前日のコンサートに任せるとして(笑)、この日の演奏は、もっと遊んで、楽しく演奏しよう!…みたいな感覚があったのです。確かに、その方がこのお店の雰囲気には合っていますし、だからこそ楽しい時間を皆さんと共有できた感覚が掴めたのではと思います。ある意味、最後の演奏に相応しい“ライブ”でした。皆さんどうもお疲れ様でした!

   終始リラックスしたステージでした   本番後の風景…店内もまた、いい雰囲気がありました

 さて、本番も無事終わり、メンバーの頭の中には「豚肉♪」という文字が踊り踊っている事でしょう。お店の方もそれは察していたのか、すぐに注文係りが来て承るというという迅速っぷりです(笑)。なんて素晴らしいお店なのでしょう。ここで頼んだのは、生ハム、そしてソーセージ、そして北海道の大地で採れたサラダ、そして自慢の赤ワイン!…もう完璧です。他に何を求めろと言うのでしょうか(笑)。これらを戴いている時の皆さんの満面の笑みと言ったら、忘れる事が無いと思います。この時は、ツアー内での演奏が全て終了していたので、打ち上げと言えば打ち上げ…という状況ではあったのですが、どちらかというと、料理が素晴らしかったので打ち上げの雰囲気になった…という感覚の方が強い気がしました。そこまでの威力がこのお店の料理にはあるのです。本当に良い思い出を、ありがとうございました!
 …と思ってると、ふと料理長の方が楽屋にいらっしゃって、「肉いる?」と聞いてくるではないですか。ある程度の料理は頂いてましたが、とりあえず「はいー」と答えます。すると…大きな皿にドン!と置かれた豚肉の塊がこちらに向かってくるではないですか!…そして、その場で料理長が解体作業を始めました。そして一言、「好きなだけ食べていいよ」(!)。…何なのでしょうこの贅沢極まりない感じは…。相当な大きさでしたが、これは豚の足の部分だけなのだそうで、さぞかし立派な豚だったろうなと思いましたね。これは見た目にも圧倒されましたが、味にも圧倒されまして、もう幸せという言葉に尽きました…。絶対またここに来てやる!と強く思ったものです(笑)。

   これだけで足の部分になります   実は、相当重さを堪えています(笑)

 本当にここのお店にはお世話になりっぱなしでした。もちろん、先ほどの豚肉は全て食べる事ができず、パックに包んで持ち帰る事にしました。その量なんと7パック!…改めて、北海道の壮大さを感じずにはいられない出来事でした(笑)。
 これで演奏という面では終了しましたが、黒光さん自身はラジオ番組の収録や、インタビュー等が今後控えているという事で、まだまだ気は抜けない感じでしょうか。それでも、演奏が終わったというのは、ひとまずの安堵感を漂わせてくれるものだったに違いありません。自分も手伝えて良かったです。次の日からは自分はお別れになりますが、ここまで楽しい経験をさせて頂いて、感謝の気持ちで一杯です。そして、多くのスタッフの皆さん、そしてお客さんとも楽しい時間を過ごせました。改めて、どうもありがとうございました。また会える日を楽しみにしております♪…という事で、帯広での1日を締め括らせて頂きます!

   夜間撮影もまた良いですね…ホテルから帯広駅を望む

   7月1日(4日目)
 この日は朝9:00に起床して、前日の豚さんを皆で分けて食べたものですが(笑)、前にも言ったように、演奏は昨日で一通り終了したので、自分はここで皆さんとはお別れになります。直子さんも、この日は黒光さんのラジオに顔を出されるようで、ここで自分は完全に1人になってしまうわけですが、そうと来たら、自分の時間を有効に活用しようと思うもので、色々と鉄道に乗りながら帰宅しようと決心したのです。実は、帰りの飛行機は1日遅い便に設定して貰っていて、それ故に自分は1日多く北海道に滞在できる状況になっていたのですが、自由は多過ぎると扱いに困るようで、どういうプランを経てようか、迷いながら今日に至ってしまった感じがありました。
 とりあえず、ここは帯広という、北海道では真ん中の場所にいるわけですが、ここから乗れる鉄道といえばJRの根室本線のみで、札幌・滝川方面に行くか、釧路方面に行くかの選択しかないわけです…。さすがに1日で釧路方面に行くのは気が引けたので、とりあえず札幌・旭川方面へと向かう事にはしました。帯広での朝を迎えた時点では、これくらいしか決めていなかったのです(もちろん、その日の宿もまだ決めていませんでした)。

   旅気分も盛り上がるくらい、スッキリとした天気です!   左が今旅の1番列車です…後ろには前日泊まったホテルが…

 さて、この日は10:00過ぎにホテルをチェックアウトをし、黒光さんを初めとしたメンバーを見送り、さあ自分の旅の始まりだ!…となったのですが、ここは北海道…、列車の本数も注意しなくてはなりません。ここからは鈍行列車に乗りたかったのですが、10:13発の列車には乗れず、次の札幌・滝川方面の列車は12:55発とのことでした。いきなり2時間以上待ちの洗礼を受けてしまいますが、この間に駅の周辺をぶらりと歩いてみるなど、それなりに楽しい時間は過ごせたようにも思います。
 そして、目的の列車は定刻通り帯広駅を発車しました。根室本線の起点ある滝川駅まで行く列車で、滝川は帯広から約180kmもあるので長距離列車の部類に入るとは思いますが、列車は1両編成という可愛い陣容です(そもそも1両なので“列車”というべきかどうか…笑)。しかし、これぞ北海道のローカル線という感じで良いんですよね…。急ぐ様子も無く、ゆっくりと着実に走っていく感じです。帯広駅から途中の新得駅まで、前日乗った特急列車では約30分で走破した距離でしたが、この鈍行列車は、途中で貨物列車とすれ違ったり(ここでの貨物列車は、鈍行列車よりは優先っぽいです)、後からの特急に道を譲るなど、1時間以上も掛けて走っていました。もちろん、自分はその部分を楽しんでいたりするわけですが…。

 さて、新得駅を過ぎると、列車はこの線で最もハイライトといって良い景色を迎える事になります。新得の次の駅はトマム、落合と表示されていますが、これはここで、札幌方面(石勝線)と滝川方面(根室本線)に分かれるからです。しかし、この分岐ポイントは新得駅を出てから24kmも先にあり、その間に狩勝峠という、とても北海道らしい雄大なところを通るのです。
 ただ、現在の路線は1981年に出来た新ルートで、実はそれより前に存在した、現在の国道38号線とほぼ同じルートで走っていたルートが、更に雄大な景色を望めたそうです(本来“狩勝峠”とはこちらを指します)。旧ルートのこの区間はは、日本三大車窓とも言われていましたが、現在のルートからでも、その雄大な景色は望めます。ただ、やはり特急列車からではなく、窓が開けられ、自然の風が車内に流れ込む鈍行列車が良いですね。この区間は新しいだけに列車は高速で通過できるようになっていて、特急列車だとあっという間なのです。だからこそここは鈍行列車で、この峠をじっくり超えたいものなのです。

   自分は落合方面へ向かいます   単線なので、行き違いではよく貨物列車も見かけます

   この雄大なカーブは北海道ならではです   線路のポイント部には、雪対策でシェードが建てられています

 列車は新得駅を出ると、まず小さめのトンネルを抜け、その後左にカーブをし始めます。そして、標高も徐々に上がっているのだと分かります。このカーブは長く、やがて列車の進む方向は180度変わってしまうのですが、暫くすると、今度は逆に右に大きくカーブをし始めるのです。そして、また先程と180度進路を変え、最初と同じ方向になりました。つまり、この区間は大きなS字カーブになっているわけです。勾配を緩くする為の工夫とは言え、ここまで壮大なSカーブは他になかなかありません。この後列車はトンネルに入り、いわゆる峠を抜けるわけなのですが、その前の一番標高の高い部分からは、今まで通ってきたSカーブの一部や、新得の町を遥か遠くに望む事ができ、その景色は正に北海道の大地です。やっと自分は今回、納得のいく北海道の景色に出会えたような気がしました。前日にこのルートを通っているのにも関わらずです。やはり、鈍行列車の魅力というのは、こういう所にも表れているのでしょうね。

   こういう景色を望むなら、鈍行列車からが一番です   ホントに素朴すぎる駅でした

 そしてトンネル内で石勝線と分かれ、自分は滝川方面への根室本線で旅を続けます。前日はこの石勝線から帯広にやって来たわけで、ここから自分は初めて乗る路線にもなります。石勝線ルートというのは、札幌に行ける短絡ルート…という性格をもっていて優等列車ばかりが走っているのですが、逆にこの分岐した後の根室本線というのは、基本的に普通列車(快速とかも含む)しか走っていません。石勝線が完成する前は、こちらのルートで札幌まで特急列車が走っていたのですが、これは鉄道の栄枯盛衰を見れるという意味でも、尚更魅力を感じてしまいます。もちろん、今この列車に乗っている客で、ここまで考えている人がいるかは微妙ですが、現在この列車内にいる乗客は、自分も含めて4人…。少し可能性は薄そうです。
 新得駅を出てから約40分…、やっと隣の駅である落合駅に到着です。ここからは素朴な景色が続いていきますが、峠を越えて町に向かうように線路は敷かれている為、徐々にお客さんも乗車してくる感じになってきました。こういった地元ならではの光景が見られるのも、鈍行列車の魅力ではあると思います。
 そして、その“町”というのは、富良野の事です。実は、自分は北海道には何回も訪れているものの、富良野には一度も行った事がなく、それが今回のルートを(とりあえず)選定した理由でもあります。今はラベンダーの時期でもあるという事で(若干この時は早かったみたいですが…)、正に旬の富良野を楽しめると思いました。しかし、ここでのラベンダーというのは、珍しくも何ともないのだと思います。富良野までの沿線上に、沢山咲いているのが見えましたし、しかもその咲き方というのが、意外に地味だったのです…。逆に、景色の中に普通に解け込んでしまっているとも言えるかもしれませんね。実は、そういった見方が一番良いようにも思ったりしました。

   ラベンダーも素朴で、いい感じでした   なんだか落ち着いた雰囲気が漂っていた富良野駅

 やがて、列車は富良野駅に到着しました。列車はこの先の滝川まで行きますが、自分はここで一旦途中下車をしました。観光地としても有名な富良野ですが、なんだか駅には落ち着いた雰囲気があって、居心地は良い感じがしました。まあ、駅構内で常に流れている『北の国から~』が気にはなりましたが…。

 さて、富良野駅で降りてみたものの、駅前には特にこれといったものは無いようで、このままのんびりと街中を散歩しているか、それとも、、、…と思っていた矢先、富良野駅に気になる列車が入線してきました。列車名には『富良野・美瑛ノロッコ号』と書いてあります。
 これは…、JR北海道名物?のノロッコ号ではないですか!…いわゆる観光的なトロッコ列車で、北海道の色々な地域(他には釧路湿原等)に臨時で走っており、この日も富良野のラベンダー観光に即した関係で走っていたようです。行き先は旭川となっており、特に乗車券の他に必要な切符も無いとの事…。これは、、、乗るしかないでしょう(笑)!という事で、富良野からはJR富良野線で旭川駅と進路を向けることにしました。富良野滞在時間は約30分…。初めてにしては短いものでした(笑)。

   この列車の到着で、駅は急に賑やかになりました♪   華やかな車内です

 やはり観光的な要素があってか、今までは地元の人しか見られなかった沿線風景も、急に観光客が多くなってきたような感じがありました。意外と、外国人観光客(特に、香港、韓国の人が多かった)が目に付いたのは驚きでしたが、車内を見回すと、日本語での説明の他に、英語はもちろんのこと、中国語や韓国語でも表記してあるものがあり、これは明らかに外国人観光客もターゲットに入れているということが分かりました(確かに、香港とか台湾の人って、北海道が大好きなんですよ)。それでいて、ちゃっかり地元の人(学生多し)も利用していたりするので、車内は一種独特な雰囲気になっていましたが、これはこれで面白かったです。

   これもラベンダーの一種らしいです   こんな車窓は、本州以南ではなかなか見られませんよね

 『ノロッコ号』という名前の通り、中富良野駅までは列車の速度を落としめで運行させており、これがなかなか良い汽車旅を満喫させてくれるものでもありました。トロッコ車両でもあるので車内はとても開放的で、車両と景色との間にある“壁”を、見事に取り払ってくれているようでした。車窓からはラベンダー畑、牧場、そして遠くには十勝岳連峰も望む事ができ、車内放送で景色の説明もしてくれるので(さすがに日本語のみですが)、初めて乗った自分でも、深い部分まで楽しむ事が出来たように思いました。なかなかお勧めの列車だと思います。

   臨時駅、その名もラベンダー畑駅に停車中   “北の国から’89帰郷”でも使われた、山間の駅、美馬牛駅

 沿線で一番有名なラベンダー畑“ファーム富田”の最寄臨時駅であるラベンダー畑駅や、中核である中富良野駅を過ぎると、外国人観光客は殆ど降りてしまった為、車内は静かになってしまいました。…が、それも束の間、美瑛という駅ではまた多くの、恐らく観光帰りと思われる日本人観光客がドッと乗ってきました…。この日は平日ではありましたが、殆どの区間で利用者に恵まれていて、ラベンダー観光の人気と、列車の人気、両方に感心させられてしまいましたね。それもその筈で、この『富良野・美瑛ノロッコ号』は、走り始めてから今年で10年を迎えるという、長きに亘って観光客の支持を得ている列車でもあるのです。北海道らしさを満喫出来るこの列車、これからも走り続けてほしいものです♪

   “丘の町”に相応しい雰囲気の、美瑛駅に到着するところ   正に過渡期の状況ですね…旭川駅にて

 美瑛駅を出ると、列車は本格的な快速運転に入り、次の停車駅は高架工事たけなわの旭川、終点でした。今まで旭川に来た時はそうでもなかったのですが、経路が経路だっただけに、今回は特に大都市だなと感じてしまいましたね。

 …ここで改めて、この日の宿は札幌に取る事に決めました。その理由は次の日に明かすとして、そうと決まればインターネットでパッパと予約を済ませます。そろそろお腹も空いてきた頃ですが、何となく明るいうちに、旭川~札幌間を電車で乗ってみたい気持ちが生まれてきてしまいました。しかも、特急で…です。
 旭川~札幌間は何回か鉄道で移動した事があるのですが、それらは全て鈍行列車でというもので、乗り継いで行くというパターンも多かったので、大体3時間強は掛かる区間という認識がありました。しかし、この区間は特急列車の往来が多く、しかもそれらは1時間20分で結んでいるのです。線形が良いから速度を目一杯出せるのでしょうが、線形が良いというのは、これもある意味北海道らしい区間なのではないでしょうか。
 …というわけで、今までの列車旅から一転、昨年の10月から走り始めた『スーパーカムイ号』の789系電車に乗り、札幌まで快適に移動してしまいました。やはり特急列車は速いです…。偉大です…(笑)。

   旭川駅には、改札口に一番近いホームに停まっていました   整然とした車内が、ビジネス特急である事を思わせます

 さて、先程「お腹も空いてきた」…と書きましたが、札幌ラーメンが何となく食べたい気持ちに駆られていたの事実です。そして、“寶龍(ほうりゅう)”という店に行きました。しかも、札幌 APIA 店…。これは、実は昨年の9月に北海道ツアーを行った時に、札幌で訪れたラーメン屋“よし乃”の隣にあるお店だったのです。

   自分にとっては懐かしい光景でした(笑)   昨年の“よし乃”と比べると、また面白いかもしれません

 昨年の時に既に気になるお店ではあったのですが、今回やっと念願が叶う事になりました。そして、頼んだのはもちろん味噌ラーメン!…今回のツアーの初日には、何故か羽田空港でラーメンを食してしまいましたが、やはり北海道の地でラーメンは食べていくべきだと感じた瞬間でもありました(笑)。
 そして、“よし乃”と比べて…ですが、どちらが良いかなんて、自分では分かりません!…ただ、この時の自分は1人だったわけで、ラーメンを食べる時に関して言えば、大勢で囲んで食べた方が美味しいかなと思ったのも事実です。鉄道に乗っている時は1人でも全然良いのですが、夜だけは変に人恋しくなってしまう…。これは昔からの自分の性質でもあります。ゆえに、明日のプランでも練りながら気を紛らわしているところもありつつ、この日は早めに床に就きました。さあ、明日も楽しい1日にしていきましょう!

   7月2日(5日目)
 この日の目的、それはJR札沼線という路線でした。この路線は札幌駅から出ていて、次の桑園駅で函館本線と分かれて以降、終点の新十津川駅までどの路線とも合流しない、いわゆる“盲腸線”なのですが、札幌付近はもはや通勤路線として、1時間に3本くらい列車が走るのに対し、新十津川まで至る列車というのは1日に3本しかありません。このギャップが札沼線の魅力で、もちろん自分はまだ乗った事の無い路線であり、今回目的に定めたわけです。札幌駅発は9:55の列車にしました。これが、この日の新十津川駅まで行ける2番目の列車です(1番目は札幌7:02発になるので、これは早過ぎて断念しました)。
 札幌9:55発の列車は、途中の石狩当別駅行きとなっていて、まあ大体近郊路線として機能する駅までといった感じでしょうか。札沼線は学園都市線という愛称も付けられていて、沿線に学校が多いのも特徴です。途中何度か上り列車とすれ違いましたが、4両~6両編成の列車は結構混雑している様子が窺えました。また、こちらは下り列車となっているわけですが、沿線に学校があるので、意外とこちらも混んでいたのです。これは典型的な近郊路線の風景と言っても良いものでした。

   この日の一番列車はキハ141系…札幌駅にて   早速1両編成の列車に乗り換え!…石狩当別駅にて

 札幌から約50分で、石狩当別駅に着きます。さすがに、ここまで来ると車内も空いてきましたが、ここで乗り換える新十津川駅行きの列車は、予想通り1両編成でした(笑)。ここでの接続時間は30以上もありましたが、車内はポツリポツリと乗客がいて、ゆっくりとその発車時刻を待っている感じでした。この時、上りホームに目をやると、列車の増結作業を行っていて、6両編成の札幌駅列車が発車の準備を行っているところが見えました。そして、その列車にはドンドン乗客が乗り込んでいっているのです。この駅は、近郊部門とローカル部門の、ちょうど中間にあたる所なのだと、はっきり分かりましたね。ここまで違うと驚きますが、先ほども言った通り、これがこの路線の魅力でもあるのです。
 さて、新十津川駅行きの列車は定刻に発車し始めました。あと約1時間20分の旅です。車内には意外と乗客が残っていて、やはり観光的に乗る人もいるのなかと、ちょっと前向きな事を考えていました。しかし、駅に停まる旅にお客さんは降りていってしまい、やはり終点に近付くにつれて乗客は減っていくという、盲腸線の現実を垣間見たような気がしました。そんな事を気にしながらも、自分は列車の窓を開けて、思いっ切り初夏の北海道を楽しみます。この車両にはクーラーは付いていないのですが、窓を開ければ涼しい風が簡単に飛び込んでくるのです。これが北海道の列車旅の醍醐味でもあるのですが、あまりにも気持ち良くて自分は暫く眠ってしまいました。

   とうとう車内は自分1人だけに…   線路も、お世辞にも頼り甲斐があるように見えません…

 やがて列車は、浦臼という駅に到着しているようでした。ここまでは1日に7本ある列車本数も、この先はついに1日3本区間…になってしまいます。…と、乗客もそれに合わせて?全員降りてしまい、車内は自分だけが取り残された状況となってしまいました。
 過疎かもここまでか!…と思いましたが、それ以降、お客さんが乗ってくる事もありませんでした。それでも車内アナウンスは1駅1駅淡々と放送され(自動放送ですしね)、当たり前ですが1駅1駅に列車は停車します。この際自分は終点の新十津川駅まで行くので、駅のホームに人がいなさそうだったら通過しても良いですよ…と、運転士に言いたくなってしまいましたが(笑)、それは無理な話しというものでしょう…。乗客が1人でも(いや、例え0人だとしても)、運転士は通常の業務をこなすのです。ここが、観光とは無縁の路線というように思えました。

   寂しい終着駅でもあります…   この3本が、この駅に1日に来る全ての列車です

 そして12:37。列車は終点の新十津川駅に着きました。線路が1本、ホームも1つの寂しい駅で、まあ1日に3本しか列車来ないなら、この設備で十分なのかもしれません…。運転士に切符を渡し、そのまま駅の外に出ます。駅前にはちゃんとした病院があり、辺りにはアパートなんかも建っていたりして、町自体は寂れている感じはしませんでした。
 札沼線のレールはここで途切れていますが、実は1972年まではここは中間駅で、レールはこの先の、留萌本線の石狩沼田という駅まで延びていたのです(だから“札沼線”と言うのです)。ただし、この区間は廃止になってしまい、それで現在に至っているわけですが、何だか時代に取り残されてしまった駅のようにも感じましたね。

   線路はここで止まっています   1日3本しか列車の来ない町にしては、ちゃんとしています

   川の向こうに滝川の町並みが見えます   この時、乗る予定の列車の発車3分前!…滝川駅にて

 実はこの新十津川という町は、川を挟んで滝川市と隣の位置にあり、滝川には特急も停車するJR函館本線駅もあります。そこまで歩いても45分くらいの距離であり、路線バスも走っているため、札幌に出るにはそちらで行く方が格段に便利だと言えるでしょう(滝川~札幌間は特急で約50分、約30分毎に運行)。故に、札沼線がここまでローカル化しているのだと思いますが、この現代にあって、本当に貴重な路線だと思いました。鉄道ファンに人気があるのも頷けます。いつ廃止されてもおかしくないような利用率でしたが、何とか生き残ってほしい路線でもありましたね…。
 自分はこの後、札沼線で戻り…というルートは取らず、時間の都合上、JR滝川駅まで歩いて、そこから函館本線で札幌駅へと向かいました。こちらは電車で、乗り心地など、それは快適なものでしたが、札沼線で得られた“快適”まではいきませんでしたね。良い経験が出来た1日になったと思います。

   北海道最初の電車である711系(左)と、最新の近郊型電車である731系(右)が顔を合わせました…岩見沢駅にて   新千歳空港は、北海道らしい風景を感じられる空港です

 函館本線で札幌駅へ、そして千歳線で新千歳空港駅まで向かうと、そろそろ北海道の旅は終わりを告げようとしてきました。今回は色々な路線に乗る事ができ、そのどれもが北海道らしさを満喫させてくるような路線でもありました。5日間という北海道の滞在で、ツアーから旅まで、本当に余す事無く北海道の魅力に触れる事が出来たと思います。
 自分にとって、良き思い出になったと共に、この記事を書きながらも、また訪れたい気持ちが増してきてしまいました(笑)。それは、この記事を読んだ後の皆さんにも、同じ事を感じて頂けたら幸いでもあります。今後も、何らかの形で行けたら良いなと思いましたね。北海道の魅力は、尽きる事を知りません♪今回も長々と読んで頂き、どうもありがとうございました!

   北海道の陸地を飛び出します…苫小牧上空にて   北海道が名残惜しいです!

 ☆ゴールデンバード・レコーズのHP…http://www.goldenbird.jp/

 ☆滝川岳さんのHP…http://www.gakutakigawa.com/

 ☆ヨッシー佐藤さんのHP…http://jazzidiomjp.googlepages.com/

 ☆佐藤直子さんのHP…http://satonaoko.jp/

 ☆HMV札幌ステラプライスのHP…http://www.hmv.co.jp/news/newsDetail.asp?newsnum=302250022

 ☆手稲 New Hope Sapporo Hall のHP…http://www.newhopesapporo.net/index2.html

 ☆室蘭市民会館のHP…http://www.city.muroran.lg.jp/main/common/sisetu/sisetu.php?sisetu_id=10

 ☆帯広ランチョ・エル・パソのHP…http://www.elpaso.co.jp/elpaso/

 ☆エアドゥのHP…http://www.airdo.jp/ap/index.html

 ☆JR北海道のHP…http://www.jrhokkaido.co.jp/

テーマ:ライヴレポ・感想 - ジャンル:音楽

この記事に対するコメント
あれ?
てっきり、もう、書き始めていたと勘違いしてしまいました(笑)。
鉄道の旅もグルメな話題も楽しみです。えっ!?(笑)
【2008/08/05 23:34】 URL | まーちゃん #- [ 編集]


そうです、今回の旅日記も…って、違う違う(笑)!
【2008/08/05 23:48】 URL | 竹内 #- [ 編集]

充実してましたね☆
竹内さんと一緒に、ツアーに同行してたような気分になりました~♪
ツアーに参加できなかったので、ちょっと嬉しい気分です。
1日目の夜、竹内さんとねったんは、日本酒をやりつつ、
どんな話題に花がさいたのか?…ちょっと気になります。
写真の豚さんは、パックに包まれ、誰のお腹におさまったのでしょう?

【2008/08/06 20:51】 URL | らいす #JalddpaA [ 編集]


豚さん7パックは、次の日の朝、綺麗に皆の腹に収まりましたよ(笑)。
日本酒を入れての話しは何だったか…。自分の仕事論的な話しだったような…。
【2008/08/06 21:46】 URL | 竹内 #- [ 編集]


今後の黒光さんのライブ。
次回はどんな曲をどう演奏されて
歌われるのか…
これから、益々楽しみですね~♪

それにしても、豚さんが見事ですね~(笑)
北海道は牛さんのイメージだったんですが
すっかり、豚さんです(笑)

【2008/08/06 23:00】 URL | まーちゃん #- [ 編集]


そして豚の美味しさに気付かされたのも、
北海道だからこそ…だったような気がします…。

次回も楽しみですね。インストとか、またやるのかな?
【2008/08/06 23:09】 URL | 竹内 #- [ 編集]

同じ牛
私もその黒牛見ましたー(富良野旭川間)
ノロッコじゃなかったので一瞬で通り過ぎました。。。
【2008/08/13 08:06】 URL | じゅんこ♪ #RuIWgamo [ 編集]

あらら、本当ですか(笑)!
まあ、結構目立つ位置にいましたものね!
ノロッコ号でも、わりと一瞬で過ぎ去ったように思います(笑)。
【2008/08/13 09:26】 URL | 竹内 #- [ 編集]


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プロフィール

竹内

Author:竹内
1980年1月29日生まれのO型。
3歳からクラシックピアノを始め、
高校ではジャズに目覚め、大学では
バンドも経験する。現在は関東を
中心に、ライブハウスやホテルの
ラウンジ、レストラン等で演奏を
行っている。また、写真好きが興じて
簡単な写真撮影の仕事もしている。
…そんな29歳です。



次回のリーダーライブ

2010年2月7日(日)
外苑前 Z・imagine
Open…18:00~(予定)、
1st.…18:30~、2nd.…20:00~、
Charge…2700円(ドリンク別)
(Pf)竹内大輔
(B)池田暢夫
(Ds)佐々木俊之



竹内大輔トリオCD発売中(試聴可)!

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       Pictures

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