竹内大輔の写真日記(~2009)
ピアニスト竹内大輔の、2009年までの日々を綴った日記です。
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

竹内大輔、北九州ツアー(2008.6.5~6.9)
 「6月の前半、ライブをしに北九州に来ない?」…と、北九州のミュージシャンである Daddy 津田さん、るーじゅさんから連絡が入ったのは今年の3月ぐらいの事だったでしょうか…。突然でビックリしましたが、聞くと、自分のピアノ演奏を色々な人に聞かせたいという事で、自分を単独で北九州に呼んでくれるというのです。ライブは3日間くらいやって貰って、来る時の空港までは迎えに行くから…等、詳細はここでは置いておくとして、よく考えたらこういった形で自分が地方に行くのは初めてなのではないかと思いました。
 今まで“ツアー”という形でのライブは、本当に数えればキリが無いくらいやってきましたが、そのどれもがメインの人をサポートする…という立場での参加で、自分の身体さえ空いていれば!…という感覚での参加にもなっていたと思います。しかし、今回は自分がメインです…。きっと、向こうのライブハウス等では自分の名前が表に書かれ、自分を見に来てくれるお客さんが集まり、そしてライブが始まる事でしょう。これは、自分の身体さえ空いていれば…等という気軽な考えで参加してはいけないような気がしてきました。
 最初、自分は「喜んで!」という感じでオーケーを出したのですが、日取りも6月5日から3日間に決まり、その日にちが近付くにつれ、徐々に不安になってきたのも事実でした。北九州には、今までツアーで何回か行った事はあるものの、そこで“ジャズ”を演奏した事はなく、果たして自分を見に来てくれるお客さんがいるのかどうか…。それよりも、見ず知らずの人にいきなり自分の演奏を聴かせて、そこで満足して頂けるのだろうか…。いや、その前に自分のMCが大丈夫なのか(笑)…等、そのプレッシャーと言ったら今まで経験した事の無いものでしたが、北九州に行く当日には、自分なりに解決の方向を見出せていました。
 精神的には問題無し、後は演奏あるのみ!…この状態が何よりだと思いますが、何とか自分はここまで辿り着けました。そして、自分の持てる力を全て持っていく気持ちで、一路北九州へと向かったのです。

   6月5日(1日目)
 北九州へは、やはりスターフライヤーという航空会社が便利です。このブログでも何度か紹介させて頂きましたが〔旅日記 6.(九州編…2006.9.12~9.13)参照〕、速さ、安さ、サービスの良さの総合では、東京~北九州間を結ぶ公共交通機関として堂々のトップだと思います。今回も片道1万円で航空券を購入(早々と予定は決まっていたので、安く購入できたのです)し、経費の削減に役立ちました(笑)。自分がメインとなるツアーだと、こうした所もつい考えてしまうものなのですね…。

   窓の外には、チラリとこれから乗る飛行機が…

 北九州行きの便は、以前にも乗った事があるので慣れたものでしたが、何だか今回は様子が違うような気がしました。目的が違うと、こんなにも飛行機に乗る雰囲気が異なるのかと思いましたが、いよいよ自分のツアーが始まった…という感覚でもあるのでしょうか…。当たり前ですが、この先はもう引き返せないわけで、そういった思いを如実に表した手続きだったのかもしれません。後は黙っていても、約1時間半後には九州の地に着いてしまうのです。より一層気が引き締まる思いでした。

   瀬戸内海上を飛行中…奥の陸地は四国です…この辺りからやっと眼下の厚い雲が途切れ、地上が臨める事に…   地元北九州空港では、日中2機揃いの珍しい光景も…

 羽田空港周辺は生憎の雨模様でしたが、北九州地方は意外にも晴れていました。スターフライヤーの機内では座席1つ1つに個人ディスプレイが搭載されており、まるで退屈する事はなかったのですが、その代わり、本当に北九州へはあっという間という感じもしました。逆に、もう少し気分を落ち着ける時間が欲しかったくらいですが、そんな事を言っている暇はありません。この晴れた空のように気分も晴らして、そして北九州空港へと降り立った次第です。この空港では、先程言った北九州のミュージシャン、Daddy 津田さんが迎えに来て下さいました。いよいよ、自分にとって初めての経験になるであろうツアーが始まったのです。

 北九州空港から、Daddy さんの住んでいる門司港までは、車で1時間弱でした。門司港も既に何回も訪れているだけに、自ずと景色から懐かしむ筈なのですが、どうも今回はやはり異なる雰囲気で自分を迎えているような気がしてなりません。ここでも目的が違うだけで、こうも印象が変わってしまうものなのか…。予想以上に自分は心に余裕が無いようです…(笑)。
 そして、今日から3泊程お世話になる家へと案内して下さいました。以前お世話になった事のある Daddy さんの家は、引越しをしてしまったという事で入れず、今回は、るーじゅさんの祖母が元々住んでいた家(現在は空家)に泊まらせて頂く事になりました。周囲の雰囲気は落ち着いており、今の自分にはぴったりの環境にある所だと思いました。

   3泊4日程お世話になった部屋です   素朴な感じが個人的には好きな雰囲気でした

 少し身体を休めてから、いざ今日の演奏場所である小倉 Music-Lab Casablanca へと向かいました。ここでも Daddy さんの車で送って頂きましたが、今回 Daddy さんは、常に自分のサポート役に回って頂いて、色々とお世話をして下さいました。本当に感謝の気持ちで一杯ですが、自分も演奏に応えなければならないという事でもあります。気合いが入る瞬間でもありました。
 門司港から小倉の中心部までは、車で30分弱…。変に長く感じた時間でもありましたが、Casablanca は小倉の中でも堺町と呼ばれる繁華街に位置し、わりと簡単にアクセスする事が出来ました。お店の入口には既に自分の名前が提示されていて、改めて自分のライブがここで行われるという事を実感します。店内は綺麗で、グランドピアノやウッドベースも常駐しており、正にジャズのお店という感じでしたが、こういった場所を自分の為に提供して下さるとは…。ここでも感謝の気持ちで一杯になってしまいました。

   繁華街内にある雰囲気の、小倉 Music-Lab Casablanca   自分の名前が…掲示されています!(当たり前)

 さて、ここで今日一緒に演奏するミュージシャンである、ベースのミック内田さんと、ドラムの野島嵩裕さんを紹介しておかなければなりません。…とは言え、自分は初対面みたいなもので、Daddy さんを介してでしか今まで連絡する手段は無かったくらいなのですが、ジャズ演奏とは、一時の出会いが大切なものです。ここで今日初めて会ったからと言って、演奏が疎かになるという事はありません。むしろ、そこがジャズの面白いところでもあり、それがこの日のライブで自分がやりたかった事でもあるのです。挨拶も済ませ、早速リハーサルへと取り掛かる事にしました。
 この日はたっぷりと2ステージが用意されており、自分が東京でやるライブと何ら変わらない感じで進める事が出来てしまうわけですが、では、逆にどんな曲をやろうかな…という気分にもなるものです。若干のプランは頭の中にありましたが、この日のお店の雰囲気、そして演奏するミュージシャン、そしてお客さん(これは本番にならないと分からないですが…)を見極めて、出来ればその場で決めたいものでした。…なので、リハーサルは程ほどにしておいて、後は本番という形に、敢えてする事にしたのです。…もしかしたら、東京から適当なミュージシャンが来たな…と思われたかもしれませんが…(笑)。

   こってり系はやはり好きです♪

 リハーサル後、本番までの間には、ドラムの野島さんがお勧めのラーメン屋に連れて行って下さいました。お店の名前は“男前ラーメン風玄”…。ちょっと変わっていましたが(笑)九州と言えばやはり豚骨で、ここのは味が濃いのですが(特にスープがクリーミーです)、しつこくない後味がなかなか上品と、九州1日目で美味しいラーメンを頂く事が出来ました。これは本番も楽しくなりそうです。

 …そんなこんなで迎えた本番です。自分が一応ここではリーダーでもあるので、始まりのMCというのも自分がしなくてはならないのですが、お客さんは知らない方達ばかりで、一瞬何を話して良いのか分からなくなります。しかしよく考えたら、知らない方達…という事は、変に気を遣って話さなくても良いわけで、意外とこちらの方が気持ち的には楽な気もしました。今思っていた事を普通に話し、そのまま演奏に繋げます。なかなか楽しい空間ではないですか。
 初めはブルースの曲からやりましたが、まだ3人の息の合い方はぎこちない感じでしょうか。相手の出方を窺っているのか、まだ身体が暖まってないのか…。ただ、そのまま2,3曲と続けていくうちに、音はだんだん良くなっていきます。この辺りで、ようやく相手の出方が分かってきた為かもしれません。最後の方にはなかなか良い感じで締め括る事が出来ました。正に人間対人間の縮図という感じのステージで、人の良い部分が表現できたライブにもなりました。
 2ステージ目は、最初からこの勢いに乗っていきたいところでした。今回はスタンダードの曲を中心に演奏しましたが、1曲だけ自分のオリジナル、“On The Way Home”という曲もやらせて頂きました。盛り上がる曲から静かな曲まで、盛り沢山な感じでお届けできたと思います。ミックさんはエレキベースも取り出し、ドラムの野島さんも普段はロック系を叩かれているそうなので、そういう雰囲気の曲もやらせて頂きましたし…。最初はどうなるかと思いましたが、終わってみれば本当に楽しいライブになりました。何だか、皆でステージを作り上げていったような…そんな感じです。これが北九州ツアーの1日目、最初のライブだったわけですが、自分にも自信が持てたライブにもなったような感じがしました。その意味では、このツアーの中で、とても大きな役割を持ったライブにもなっていたのかもしれませんね。

   相手の表情を窺いながらの演奏…これこそジャズですね   戦いを終えた戦士達の表情をごゆっくりご覧下さい(笑)

 何といっても、この日は共演者2人の協力があってこそのライブでした。自分が九州でジャズライブを行ったのはこれが初めて…というか、自分が地方でリーダーライブを行ったのがそもそも初めてだったわけですが、気さくに接して頂いて、いつもの自分でライブをする事が出来ました。改めてありがとうございました。そして、どうもお疲れ様でした!また2日目以降も頑張っていけそうだと、この時確信したものです。

   6月6日(2日目)
 この日は昼間から演奏がありました。場所は前の日と同じ小倉にある、チャチャタウンというショッピングモールのような所にてだったのですが、ここは実は約1年半前に、さばいばる伊藤さんのユニットで出演した事があります〔さばいばる伊藤、西日本・九州ツアー(2006.12.2~12.9)参照〕。ただし、今回は1人…というか、今回のツアーはここからは1人で演奏していかなくてはならない為、環境的には勝手が分かっていても、やはり一際気が引き締まる思いになりました。Daddy さんに車で送られ、現地に入ってセッティングを開始。ステージにはキーボードが1台のみという状況に、いよいよか…という気持ちになります。
 この日は良い天気に恵まれていたのがまず救いでした。野外という状況である為、雨だとどうしても人の動きが鈍ってしまいます。客席はフードコートの役割も果たしているようでしたが、人影もまあまあという感じでしょうか。チャチャタウン内には今日の野外イベントとして、“竹内大輔ジャズピアノライブ”と掲示されていたのが功を奏したのかもしれませんが、今回はソロピアノという事で、あまりジャズをやる予定にはしていなく、良いのかな…という気分にもさせられます(笑)。少しは緊張も収まってきたようでした…。

   日差しの強い日でもありました   自分、頑張ってますね(笑)

 ステージは14:00~と16:00~の2回で、どちらも30~40分ぐらいの演奏時間だったでしょうか。如何せん1人での演奏だったので、ここは極力お客さんと真正面から向かえるようなステージにしてみましたが、なかなか和やかな空気もあって話しも弾み?(笑)、演奏を聴いて頂けるような雰囲気に出来たと思いました。良かったのはどちらかというと1ステージ目の方だったと思いますが、2ステージ目の方は、和やか…というよりかは“緩やか”…という感じで、少し気だるい雰囲気になってしまったのも否めません。確かに、一番のんびりとしたい時間帯でもあり、そこで“ステージ”という物を馴染ませるのには結構気を遣いましたが、良い勉強にもなりました。何とか無事に終える事が出来たと思います。

 そして、夜は同じく小倉にある“Dreams”という所でライブです。チャチャタウンでのステージが終わってすぐに向かったので、とりあえずセッティング、リハーサルだけ済ませてしまったのですが、ここで本番までは時間があるため、ご飯を食べに行きがてら、Daddy さんに小倉市を案内して貰う事になりました。小倉市は Daddy さんの生まれ育った町…つまり、Daddy さんのルーツを歩く…という事にもなり(笑)、なかなか面白い感じで時間は過ぎていきました。

   どことなく懐かしさが感じられます   奥に見えるのは北九州モノレール

 夕暮れ時という事もあって、なかなか良い雰囲気で風景を楽しんでいたのですが、ふと Daddy さんから、「紹介したい店があるんよ」と言われました。そのまま街中を歩いて着いた先は Folk Village というお店で、その名の通りフォーク・ソングを中心に聴かせているお店なのだそうです。色々な方が出演されていて、店内の壁には出演者の写真やサインが数多く貼られていましたが、これもこのお店のオーナーの人徳によるものなのでしょう。自分もお話しさせて頂きましたが、とても気さくな方で、お店自体を気に入ってしまいました。
 自分は“フォーク”というジャンルにはあまり手を出せていなかった為、分からない部分も多かったのは否定できませんが、音楽は皆同じという事で、ここまで挨拶しに来た甲斐はありました…。お店にはアップライト・ピアノが置いてあって、Daddy さんの希望により、何故だか自分はここで1曲ジャズを弾いてしまったのですが(もちろん営業前ですよ!)、代わりにコーヒーを頂いてしまいました。また何かの機会で来れたらと思いましたね。

   なかなか凄い人も出演されています   雰囲気のあるお店だったと思います

 そして、そのまま Daddy さんに連れられて行った先は、ラーメン屋(!)でした。2日間続けてラーメンかと思うかもしれませんが、ここのは薬膳ラーメンと呼ばれる珍しいものがあり、Daddy さんは相当ここに自分を連れて行きたかったらしいのです。お店の名は“蘭州”で、醤油ベースの味でしたが、辛味もあり、こくもあり、なかなか心に残る1品になりました。チャーシューは牛ほほ肉を使っているようで、これも絶品だったのですが、豚骨が主流の九州の中で、この蘭州のラーメンは良いアクセントになったと思います。自分は豚骨好きではありましたが、これには唸らされてしまいましたね…。良い本番になりそうです(笑)。

   これまた興味をそそる味でした

 さて、Dreams に戻り、これから本番を迎えようとしてましたが、厨房では何やら水餃子が出来上がっている様子でした。どうやら、この日はライブ兼“餃子パーティー”みたいになっており(笑)、それでリハーサルの時から鍋を仕込んでいたのか…と思ったものです。これまた美味しく、ライブ前に満足してしまいそうな感じになってしまいましたが、今日はこの水餃子がドンドン出てくるとの事…量に関しては何も心配しなくて良いそうです(笑)。何だか活気に包まれた状況になってしまいましたが、いよいよ本番の始まりです。

 今回は2人の“共演者”がありました。まずは盲目のトランペッターである小倉さんです。目が見えないという事で、人に手を引かれながらお店に入ってきた時は正直驚きましたが、トランペットから出される音は、正に“感覚”という感じでした。リハーサルの時は特に打ち合わせもなく、自然に何となく曲をやり始めたのですが、これがもうバッチリの一言で、そのまま曲の確認だけをし、そして今本番を迎えた感じでした。
 つまりは、リハーサルからここまで、殆ど何も打ち合わせをせずに音を出したという形になったのですが、そこに不安という要素は一切無く、自分は“楽しみ”という気持ちでステージに臨んだように思います。自分が音を出し、それに小倉さんはトランペットで絡んでくる…そこには事前に決まったものはなく、全て即興で作り出しています。曲というフォーマットはあるものの、そこには感覚と感覚の共演が存在しているわけで、次にどうなるかなんて誰にも分かりません…。しかし、それは凄く面白いもので、正にジャズをやっているという気持ちにさせてくれました。お互いが楽しい気分になっているのは音を聴いて明らかで、そこには盲目という壁は存在しないという事も分かりました。ブルースで曲を遊んだり、映画でもお馴染みの“Sunflower(ひまわり)”でグッと聴かせたり…。色々な曲をやらせて頂きましたが、感覚を研ぎ澄ませて臨んだ演奏にもなり、凄く楽しかったです。また一緒にやる機会があったらと思いますね。

   とても暖かい演奏が出来たような気がします   お互い様子を窺いつつ、確かな演奏を目指します

 そしてもう一方は、何を隠そう Dreams のマスターでした。マスターは歌を担当という事で、3,4曲程一緒に演奏させて頂きましたが、やはりお客さんはお店の事をよく分かって訪れているわけですから、暖かな雰囲気がそこにはあったと思います。マスターも小倉さんの演奏を見て刺激を受けたのか、よりジャズらしい歌い方になっていたのが印象的でした。もちろんそれには自分も合わせ、より感覚的に攻めていこうと考えていきます…。こちらも好評で、2ステージに亘ってのライブを終える事になりました。お客さんも盛り上がって頂きましたが、その後は水餃子も追加されるなど、更に大盛り上がり(笑)。Dreams は小さなお店ですが、店内の活気はどこにも負けていないような気がしたものです。

 これで2日目も終了!…と思いましたが、その瞬間、新たにお客さんが来てしまいました。もう予定のステージは終えてしまいましたが、せっかっくなので…という事で、今度は改めて自分1人で何曲か弾かせて頂きました。Dreams での夜はまだまだ続くのです…。

   6月7日(3日目)
 …前日の演奏が長引き、帰りもすっかり遅くなってしまった自分でしたが、3日目となるこの日は演奏は夜だけになっており、比較的ゆったりと過ごす事が出来ました。…と、この日は昼間にお客さんから蕎麦屋に招待されていて、Daddy さんと共に向かったのですが、ここは通のみぞ知る…という感じのお店で、誘われた時から自分はワクワクしていました(今回のツアーが決まった時から、この蕎麦屋に行くという事は聞かされていたのです)。
 場所は、門司港駅から少し門司寄りに行ったところなのですが、看板も特に出ているわけではないので、知らないと立ち寄る事は出来ない感じです。しかし、意外とこれが周りには知られているようで、門司港には企業のビルも多いせいか、政治家など、色々と有名な人も訪れるのだとか…。正に隠れ家的存在でもあります。

   左から2番目の建物がそうですが、確かに隠れ家度満点!   この約1時間後、自分は撃沈します(笑)

 ここで食べた蕎麦は本当に美味しかったですが、更にはビールまで頂きまして、お昼から自分は、なかなか良い感じになってしまいました(笑)。そして、自分が日本酒好きという事を先に伝えていたせいか、最後には日本酒で蕎麦を食べるという形態になりまして、かなり夢見心地の気分を味わいさせて頂きました。
 また、このお店で通された部屋というのが右上のような感じで、若干プライベート感があったせいか、食事後は自分はぐったりとその場で寝てしまいまして、そのまま酒によりダウンしてしまいます。どうやら、ちょっと飲み過ぎてしまったようです(食べ過ぎ…という話しも…笑)。この時は時間にして14:30ぐらいでしたが、その後は泊まっていたところに戻り、記憶も不確かなまま18:00近くまで熟睡していました。たまには羽目を外すのも有り…という事にしておきましょう。

 さて、この日演奏するお店は、泊まっているところからも結構近い場所にある、喫茶ユキ…という所で、門司港駅からも歩いて行ける距離にあります。18:00近くまで寝ていられたのも、この近さゆえ…という部分はあったのですが、お店まで Daddy さんに車で送って貰うと、狭いお店ながらも、既にPA機器やキーボードがセッティングされた状態になっていました。これはもちろん全て Daddy さんの手によるもので、またもや自分は有り難い気持ちになってしまいます。本当に色々なところでお世話になっているツアーですよね。
 お店には、この日のライブの事が書かれたチラシも幾つか貼られており、そこにはやはり、“ジャズライブ”と銘打ってありました。今回は全て1人での演奏予定となりますが、3日間続けてきたライブの千秋楽とも言える日にもなっている為、まだ酒が残っている頭を一新させ、気合いを入れ直します。リハーサルも終え、徐々にお客さんも入ってきて、そして本番の時間を迎えました。

   門司港駅からは徒歩7~8分程   相変わらず Daddy さんは面白いステージでした♪

 …と、ここで前座?の登場です。…というか、それは Daddy さんだったのですが(笑)、実は今回、Daddy さんのライブも見せて貰える事になっていたのです。しかし、チラシには“ジャズライブ”とあって、実際、お客さんが「ジャズのライブを聴きに行こう」…と思ってお店来てみたら、Daddy さんのトーク&ライブが始まっていて…と考えると面白過ぎではないですか(笑)。まあそれは置いといて、考えたら自分は Daddy さんのライブを見るのは久しぶりでしたが、やはりいつ見ても面白いですし、色々な意味で心に残りましたね。Daddy さんは“トーク”の部分でも、演奏に匹敵するだけのステージングがあるのですが、何が良いって、今のお店の雰囲気を読んで話しているから良いのです…。元から決められた感じではなくて、即興で、素直な話しをしているからこそ聞きやすく、お客さんは話しにのめり込んでしまうのです。そういった楽しさというのは正に“ライブ”で、改めてそのステージについて感心させられてしまう部分もありました。何だか、自分も良いライブが出来そうだと思ったものです。
 そして自分の番です。この日は最終日に相応しく、ソロでの演奏ですが、たっぷり2ステージという形式を取らせて頂きまして、この3日間で取り上げた曲、この日初めて弾く曲、色々と演奏させて頂きました。また嬉しい事に、1日目のライブで御一緒したドラムの野島さんが遊びに来てくれて、急遽一緒に演奏したりもしました(…ドラムのスペースはさすがに無かったので、この時はカホーンで参加して貰い、“One Note Samba”を演奏しました)。
 また、この日の選曲として、クラシックの“Nocturne,Op.9-2”(ショパン作の恐らく一番有名なやつです)と、自分のオリジナルの“Monte Fiesole”をやったのが特筆されると思います。どちらも、今ツアーでは初めて演奏した曲目ですが、自分でも普段あまり取り上げないものの(オリジナルも、ピアノソロで披露したのは初めてです)、何となく自分の新たな一面を見せたい思いから演奏させて頂きました。3日間の最後の日だったからこそ…というのもある気はしますが、自然に感情移入した部分があったのか、良い演奏が出来たと思います。暖かいお客さんにも恵まれ、本当に楽しい時間を過ごす事が出来ました!

   今ツアーの締めとなるべく、演奏しています   本当に感謝という感じの、Daddy さん、るーじゅさん御両人

 これで、今回のツアーで予定されていた演奏は全て終了する事になりましたが、大変だったと思う反面、とても身になる3日間だったと思います。自分がメインとなるツアーは今回が初めてだったわけですが、それで得た物というのは、他では到底得られる物ではないという事を、この時改めて気付かされたものです。
 演奏面でも、もちろんそうなのですが、個人的にはそれよりも、人の関わりについて色々と考えさせられました。今回は自分メインとは言っていますが、色々な方達の協力無しには実現できるものではなかったと思うのです。Daddy さん、るーじゅさんを始めとして、一緒に演奏した方々や、お店の方、ブッキングを担当してくれた方、そして何よりお客さんと、多くの“人”に支えられて今回のツアーは完成していったのだと思えてなりません。この日の演奏が終わった時、「ああ、皆で作っていったツアーだったんだ…」と思ったのですが、つまりはそういう事なのでしょう。この時で十分感無量な状態でしたが、その思いは日に日に増していき、やはり大きな出来事だったのだと思い返す事でしょう…。
 本当に皆さん有難うございました。そして、どうもお疲れ様でした(右上の写真は、この日のライブ後、野島さんも交えて皆で打ち上げをしているところです…今後ともよろしくお願い致します)!

   6月8日(4日目)
 ツアーの中の演奏が終わって次の日…。もう自分は帰るだけという身になりましたが、果たして今回九州まで足を運んでいて、このまま簡単に飛行機とかで帰っても良いのでしょうか。

 答えは“否”です(笑)。

 ここまで来ておいて真っ直ぐ帰るのは勿体無い!…Daddy さん達には、後は自分で適当に帰るので…と言ってあるので、ここは自分流の帰り方で、ゆっくりと東京に戻る事に致しましょう。もちろん、事前に自分の中でプランは大まかに考えてはいたので、後はそれに即して流れ重視で進むだけです。まあ、この辺りで大体読めたかとは思いますが、九州から鉄道で色々な所に寄りながら帰ろうと思っていたのです。…というわけで、今から自分の“北九州発帰宅ツアー”の始まりです(笑)。

   門司港駅にて…案内の字体に特徴がありますね   JR九州を代表する近郊型車両、811系(右)と813系(左)

 今回の出発地は門司港駅となりますが、なかなか“帰宅ツアー”に相応しく立派な駅でもあります。今この辺りでは“門司港レトロ”としての開発が盛んなので、駅構内もそれに準じたものがあるのでしょうか。いや、元々門司港駅舎は古い時代に建てられたもので(1914年だそうです)、全国で初めて、駅舎としては国の重要文化財に指定された建物です。それを元に、門司港レトロ開発が起こったのかもしれません(これは徹底していて、ここの駅員の制服も、レトロなデザインになっている程です)。

   約8時間半後に戻ってくる予定の門司駅にて   山陽本線と山陰本線が顔を合わせる下関駅にて

 門司港駅を出発し、門司駅で山陽本線に乗り換え、関門トンネルを通り本州に抜け、そのまま下関駅に到着します。下関駅は東京から来た場合、やっと本州が終わるか…と思わせるような駅で、これから始まる九州の旅に心を躍らせたものですが、今回は九州から入るという状況になっています。それはそれで、これから本州の旅が始まるとも思ったので、やはり旅情を湧き立ててくれる駅には違いありません。車両もJR西日本のもの(ついでに117系という車両でした)になりますし、そのまま山陽本線に乗車し、新山口駅まで向かいました。

 下関駅から新山口駅までは1時間強といった感じでしょうか。この区間は、これまでに何度か通った事があるものの、それは全て深夜時間帯というもので、一度車窓を見ておきたいと思ったのです。元々、自分は山陽路に関しては知識が弱く、乗車回数も実際少なかったので、今回は良い機会だと思いました。しかし、本当の目的は次の新山口からにあります。
 新山口駅(元“小郡”駅)に着いた自分は、少し駅前を散策してから、そのまま山陽新幹線のホームに向かいました。ここから何と、再度九州に戻り博多に向かいます(!)。変なルート…かと思うかもしれませんが、実はこれから来る新幹線の車両が重要なのです。
 0系という新幹線車両を皆さん御存知でしょうか。日本で最初に新幹線が開通したのは東海道新幹線の東京~新大阪間で、今から40年以上も前の東京オリンピックの年(1964年)の事だったわけですが、その時走っていたのがこの0系です。新幹線と言えば、未だにこの車両を思い描く人も多いと思いますが、それは長きに亘って活躍していたからでしょう。もちろん、40年以上も同じ車両を使っていたわけではなく、0系を0系で置き換えるという、今ではあまり考えられないような政策が当時の国鉄では行われていたので、今でも現役車両が存在するわけです。
 今でも現役…と言いましたが、具体的に言うと、それは今年の11月までの話しです。現在0系車両を所有しているのは、もはやJR西日本だけになってしまったのですが、ついに今年の11月に定期運転を終了させるという事が発表されたのです。現在の新幹線車両における世代交代は本当に早いですから、0系が引退というのも止むを得ないと思いますが、初代新幹線の車両だけに、やはりここは一目見ておかなくてはなりません…。そして、それ以上に注目なのが、JR西日本で使用されていた0系は、最近までJR西日本のオリジナル塗装となっていたのですが、これが当初の塗装であるクリーム10号と青20号に戻されたのです。これが引退前の最後の姿だとしたら、一目見るだけではなく、乗る事も重要でしょう(笑)。自分が新幹線に乗り始めた頃、0系は既に“ひかり”で見る事は少なくなっていて(この時には“のぞみ”もありましたが、まだまだ主役は“ひかり”の頃でした)、基本的に“こだま”専用…という感じはありましたが、当時の事を思い出しながら乗りたいものです。

   駅前にはまだ、“小郡”と示す物が残っています   やはり新幹線と言えば…これですよ!

 新山口駅の新幹線ホームでは、やはり同じ目的と思われる人が何人かいましたが、この初代塗装で運用されている列車は数少ない為に、逆に注目を浴びているのでしょう。やがて新大阪始発の“こだま”639号は新山口駅へと姿を現しました。6両編成のローカル運用で、東海道新幹線に出入りしていた16両編成の時代からすると流石に引退間近という事を感じさせますが、塗装変更されてからはそんなに時期が経ってないのでしょう。本当に綺麗な状態で登場してきて、一気にここの駅の主役になった感じがありました。
 写真を撮り終えてから急いでホームに向かい、“こだま”の車内に飛び込みましたが、ここで1つ残念な事がありました。車内に入った瞬間、横を凄い勢いで“500系のぞみ”が通過していったのです!…成程、どうりで撮影者が多かった筈です。N700系という新幹線車両が出来てからというもの、今や500系すら“のぞみ”から殆ど撤退している状態で、500系“のぞみ”は上下で2往復を残すのみとなってしまいました。その500系と、引退間近の0系との組み合わせ…確かに写真に納めたいと思うのは心情で、この新山口駅では、それが出来る唯一の駅と言って良いほどのポイントだったのです(駅の前後も開けてますしね)。それに気付かなかったのは自分のミスでしたが、ここは気持ちを切り替え、0系の乗り心地を楽しむ事にしましょう。
 さて、0系の車内はJR西日本仕様となっていて、座席は普通車でも(普通車しかありませんが…)2&2シートととてもゆったりしています。スピードは現在の最新の新幹線からしたら遅めですし(それでも220km/時という速度です)、1つ1つ駅に停まりますし、何回か“のぞみ”や“ひかり”に抜かれますし…確かに、走りは“時代遅れ”と言われても仕方無いような気がしますが、何だか今はこれが落ち着きます。時間を有効に使える“旅”だからこそ成り立つのでしょう…。車内も空いていて(少し意外でしたが…)、贅沢な時間を味わえたような気がしました。

   普通車でも2&2シートに改造されている、JR西日本の0系   N700系と、0系オリジナル塗装車が顔を合わせるのは、本当に現在だけの事かもしれません…博多駅にて

 博多駅には1時間くらいで到着しましたが、自分はこのまま“博多南”という駅まで行きます。山陽新幹線は博多駅が終点ですが、線路はそのまま博多総合車両所という所まで延びていて、その間を旅客線化したのが博多南線です。いわば博多駅から車庫までの間の路線なのですが、その距離は8,5kmにもなり、福岡近郊路線としての性格も有する路線でもあります。
 博多駅に到着した0系はそのまま博多南駅まで向かうようなので、自分もそれに倣って?そのまま車内に留まりました。この時、博多駅では20分くらいの停車時間が取られており、本当に時代とは逆行したダイヤだなと思いました。その間には東京かた到着した“のぞみ”や、新大阪に向かう“ひかりレールスター”等、何本もの列車が発着を繰り返していたのですが、この0系“こだま”だけは、そんな時間の流れとは無縁な気もしました。

   予想以上に小ぢんまりとした博多南駅   九州新幹線は、もうここまで出来ているのですね…

 博多南線は、全て山陽新幹線の車両での運用となっていますが、扱い的には“在来線”で、厳密な意味での新幹線ではありません。ただ、新幹線の車両であるが故に“特急”の扱いにはなっているらしく(新幹線級まで速くはありませんが、一応120km/時が最高速度とか…)、乗車券190円の他に、特定特急料金が100円掛かるのが面白いところです。博多を出ると、10分くらいで終点博多南駅に着いてしまいますが、周囲は意外にも宅地化が進んでいました。この地域はそれまで博多に出るにはバスしかなく、それが1時間も掛かっていたようなので、博多南線開通で10分に短縮された効果は大きかったわけですね。
 駅舎を出ると、これこそ九州新幹線と思われる高架工事の真っ最中で、2011年春の全通が待ち遠しい感じでした。これが完成すると、博多~鹿児島中央間は1時間20分で結ばれるらしいので、いよいよ九州内での移動が気軽に行えるようになるかもしれません。また、山陽新幹線との乗り入れも予定されています。

   新型の新幹線勢揃い!…といった感じですね   折り返しで乗った100系…これもいずれは見納めかも…

 ところで、博多南線は新幹線の博多総合車両所までの路線を旅客化…と書きましたが、正にその通りで、博多南駅のホームからは、左上の写真のように新幹線がズラリと並んだ光景が見る事が出来ます。N700系はもちろんの事、700系(“ひかりレールスター”用7000番台も含む)、500系、300系、100系、0系と、東海道・山陽新幹線を走ってきた全ての形式がここには存在し、これは東海道新幹線の東京方では見る事が出来ないので、何だか新幹線の博物館にでも来たような感覚です(笑)。車両の出入りも頻繁に行われており、見てて飽きる事はありませんでした。取り合えず自分は、折り返しの列車で博多駅に戻りましたが、どうも後ろ髪を引かれる思いであったのは言うまでもありません…。

 博多駅に戻ったのが14:30。まだまだ第2の目的である17:30までは時間がありましたが、この時点で他のプランはもう考えられていませんでした。…と、咄嗟に、今まで乗った事の無かった博多近郊の路線を一挙に乗ってしまいたいという思いが生まれ(笑)、まずは篠栗線のホームに向かいました。

   博多まで直通している篠栗線817系車両   ローカル風情が漂いますが、香椎線は殆どの区間で20分毎に運転されていて、博多近郊列車の性格が強い路線です

 この後は、暫くダイジェストでお送りします…(笑)。JR篠栗線(左上写真参照)で長者春駅へ、JR香椎線(写真右上参照)に乗り換え、終点の宇美駅へ…。折り返して香椎駅に向かい、ここで西鉄貝塚線という路線を発見し、西鉄香椎駅(写真左下参照)から西鉄新宮駅へ…。ここも終点なので折り返して貝塚駅へ、そのまま福岡市営地下鉄(写真右下参照)に乗り換え、再度博多駅へ…。これで時刻は17:10くらいになっていました。福岡市営地下鉄以外は今回初めて乗った路線でもあり、存分に楽しみました。御馳走様でした(笑)。

   西鉄の本線から切り離されている貝塚線…西鉄香椎駅にて   福岡市営地下鉄は、空港に行くにも便利です…貝塚駅にて

 博多駅に戻り、いよいよ今回のもう1つの目的となる列車とご対面です。それは寝台特急“はやぶさ”号というもので、今や貴重な(唯一に近いです)東京駅発着のブルートレインです。一昔前までは、東京駅から西に向かっていた寝台特急は本当に多く、九州に到達するものだけでも、“あさかぜ”、“さくら”、“みずほ”とあって、関西圏から九州に向かっていた列車も“彗星”、“あかつき”、“なは”等、本当に選り取り見取りで沢山あったのですが、今や残るのはこの“はやぶさ”、そして後述の“富士”だけという状態になってしまいました。これも、九州新幹線開業後は引退する可能性が高く、正に乗るなら今のうちという感じだったのです。…北九州でライブを行うという話しは、言うならば自分への乗車チャンスだったわけで、今回のツアーが決まってから、自分は“はやぶさ”号の東京行きのチケットを予約したのでした。“富士”でも良かったのですが、“はやぶさ”は現在の定期列車では日本一の長距離(熊本~東京間、約1315km)を走る列車でもある為、こちらの列車を選ばさせて頂いた次第です。ただ、全区間とは成らず、博多~東京間というのが惜しい感じでもありましたが、この際贅沢は言ってられません。
 “はやぶさ”の博多駅発は17:33です。中間駅でもあるので、列車は直前に入線してきてすぐに発車という、あまり余韻を感じている暇は無いくらいの慌しさでしたが、それでも列車の写真を撮る人は数多くいて、ホームでの存在感はやはり抜群でした。車内に乗り込むと、先程までの喧騒が嘘のように静かで、そして空いています。東京までの約1200kmの列車旅が静かに始まりました。

   “はやぶさ、東京行き”が輝いてますね(笑)   定刻通りに入線しました…博多駅にて

 “はやぶさ”は先頭の電気機関車を除くと6両編成という陣容で、日本一の長距離列車という看板を抱えている割りには寂しい感じは否めないのですが、それでも半分以上のベットが空いている状態を見ると、これは止むを得ないというか、現在の寝台特急の現実を思い知らされる感じでもありました。確かに、“はやぶさ”の博多発は17:33ですが、これはまだ新幹線に乗っても東京に着ける時間帯でもあるのです。しかも、こちらは乗車券、特急券の他に寝台券も購入しなければならないので、安さでも新幹線の方に軍配が上がるのです。加えて、現在は格安の飛行機も飛んでいたりしますから、寝台特急に乗るという人は、本当に自分のような鉄道好きか、よっぽど時間に余裕のある方でないと無理なような気もします。何とか末永く走って貰いたいものですが、現状を維持するのであれば厳しいと言わざるを得ないでしょうね…。
 さて、自分が乗ったのは開放B寝台というもので、いわばエコノミー的な車両でもあります。“はやぶさ”にはA個室やB個室という車両もあって、居住的にはこちらの方が良いのですが(しかも、B個室は開放B寝台と値段も同じです)、今回は敢えてB寝台にさせて頂きました。今まで乗った事が無かったというのと、やはり往年の時代を感じるには、昔ながらのB寝台だ…という発想からです(笑)。実際、車齢は30年を越えるものが殆どで、設備的にもとても現在の社会に対応している物とは思えませんでした…。また、見知らぬ人とカーテン越しに一緒というのも、この御時勢では若干の不安もありますが、今回は運良く自分の隣りには誰も来る事は無く、東京まで1つのスペースを独占できました。自分的には嬉しいですが、この1つのスペースには本来は4人入れるわけで、ここだけで見たら乗車率25%という事です…。喜んで良いのかどうなのか…若干複雑な思いでもありました。

   ここが今日の寝床となるわけです   開放寝台車の通路は趣があります

   ここで幾多の旅人が身支度を整えた事やら…   門司駅に到着後、九州内用のED76形機関車を外します

 さて、“はやぶさ”号は後発の特急に抜かれながらも(スピードに差があり過ぎるんです…)、今朝方通った門司駅に到着しました。この駅では何と24分間も停車します。何故かというと、ここから関門トンネルを通るので機関車の付け替えと(電気方式が交流から直流に変わる為、関門トンネル内専用の機関車にするのです)、大分駅からやってきた“富士”を連結する為です。“富士”も“はやぶさ”と同じ車両を用いた6両編成で、この先は12両編成となって東京まで向かい、列車名も“はやぶさ・富士”号となります。利用者減による編成短縮化、運用効率化によるものですが、寝台特急列車同士が併結するなんて、一昔前では考えられなかった事です。ここは現実と向かい合わなければならないわけですが、1つの駅に24分停車しているというのも現実離れしたダイヤです。もうこれは汽車旅という感じで、確かに汽車が最盛期の自体では、機関車の付け替えの為の長時間停車はよくありました。そして、皆はその間に駅弁を買ったり、終点に近いところでは身支度を整えたりするのです。今ではそんな光景はなかなか見れませんが、だからこそこの門司駅での付け替え、連結作業は貴重であるとも言えます。多くの人がそれらの作業を見つめているのもそのせいで、自分もここは1つ1つ、写真に撮っておく事に致しましょう。

   関門トンネル通過用に、EF81形機関車を連結します   “はやぶさ”はいったん下関寄りの引込み線に入って、その間に大分からの“富士”号が到着…同じく機関車を外します

   引込み線から“はやぶさ”がバックしてきて“富士”と連結をし、新たに“はやぶさ・富士”号となって東京を目指します   連結作業後の姿…“はやぶさ”からすると、門司駅では到着番線を1回移動させているという事が分かります

 いざ出発の時が来ましたが、“はやぶさ”目線でいくと、門司駅での到着番線は6番線で、発車番線は5番線に移動しているところが面白いです。機関車列車同士の連結作業となる為に複雑な手順を踏んでいるわけですが、この作業は“はやぶさ・富士”号の光景の中でのハイライト風景と言っても良いでしょう。列車は12両編成となって(機関車も含めれば13両編成)、下関駅へと走り出しました。
 そして、本日2度目の下関駅です…。今度は九州に戻るという事はありません(笑)。ここで再度機関車を付け替え、今度はEF66形という機関車が、東京までのロングランを担当します。ヘッドマークも“はやぶさ・富士”というものになっている事でしょう(下関駅の構造上、機関車の先頭部分は見る事が出来ませんでした)。後は一目散に東京に向かうのみです!

   本日2度目の下関駅では、機関車をEF66形に交換   夜のホームと駅弁…これぞ正に汽車旅!…徳山駅にて

 最初は車窓もよく見ていたのですが、やがて、横になったり窓の外を眺めていたりの繰り返しで、辺りが暗くなってからは、さすがに横になる以外にやる事が無くなってしまいました…。もうこの時点で深夜の気分なのですが、時間的には20:00過ぎという感じで、もはや世間の時間ともズれた空間が辺りと支配しています。時折り大きな駅に着くと、「ああ、今日通った新山口か」…とか、「お、岩国か」…という感じになっていたのですが、それもやがて「まだ広島か…」、「まだ岡山か…」という気持ちに変わってきます。大人しく横になっていれば良いのでしょうが、揺れも結構あって、落ち着いて寝る…というわけにはいきません。やがて自分との戦いをしている心理にも襲われましたが(笑)、なんとか床に就く事が出来ました。この日もなかなか長い1日だったように思います。

   6月9日(5日目)
 …途中に何回起きたか分かりません。“はやぶさ・富士”は機関車に引かれて走る、いわゆる客車列車なわけですが、こういった形式の特徴として、停車してから走り出すときに「ガタン!」というショックが必ず伝わるというものがあります。これこそ客車列車の醍醐味!…と言ってしまえばそうなのですが、こう何回も起きると流石に煩わしくなってしまいます。いつしか、目が覚めても外は見ない状態…というのが続きました。
 そして、ようやく深い眠りに入り、この次に目が覚めると列車は名古屋駅に到着していました。時刻はというと朝の5:15くらいで、もう辺りは明るくなっています。ここまで来るとあと少し…と思ってしまう程ですから、随分と時間の感覚は麻痺してきているようですが(笑)、馴染みある東海道本線のこの区間を、こんな朝早い時間帯に通るのも面白いものですね。車窓も見慣れた風景があったりしますが、それに飽きたら横になってしまえば良いし…、今更ですが、自分は贅沢なポジションにいるなと気付かされました。

 列車は横浜を過ぎ、品川を過ぎ、そしていよいよ東京駅に到着しようとしています。擦れ違う列車も、かなり馴染みがあるものになってきました。東京駅到着は9:58なので、朝のラッシュ時は避けたダイヤになっているみたいですが、それでも周りの通勤列車を見るとまだ混んでいます。しかし、こちらはベットで横になりながら車窓を楽しんでいるわけですから、やはりここでも優越感に浸ってしまいますね(笑)。こういった場所だからこその付加価値は無視できないものがありそうです。

   一気に東京の風景になってきました…横浜駅にて   長い間共に移動してきた車両には、愛着すら湧いてきます

 そしてついに、時間通り“はやぶさ・富士”号は東京駅に到着しました。博多駅から約16時間半の長い道のりでしたが、今自分は間違い無く東京にいます。あと1時間もすると、今朝の朝一で博多駅を出発した新幹線が東京に到着してしまいますが(笑)、早ければ良いというわけでもありません。自分は、新幹線での移動だけでは絶対に得られない思いを、今感じる事が出来ます。それだけでも乗った甲斐は十分あったのではないでしょうか。

 思えば、Daddy さんや、るーじゅさんの“一言”から始まったこのツアーでしたが、色々な意味で、得た物が多いツアーになったのではないかと思います。そして、ツアーの過ごし方、楽しみ方についても大いに学んだような気もしました。今回出会った人、物などを全てを受け入れ、次回以降の音楽活動に繋げられればと思います。長きに亘って読んで頂き、どうもありがとうございました!

 ☆Daddy 津田さんのHP…http://www.geocities.jp/studio0378/

 ☆小倉 Music-Lab Casablanca のHP…http://www.lab-casa.com/

 ☆小倉チャチャタウンのHP…http://www.chachatown.com/

 ☆門司港喫茶ユキの(グルメウォーカーの)HP
  …http://www.walkerplus.com/kyushu/gourmet/DETAIL/V-KYUSH-4RTAZ384/

 ☆スターフライヤーのHP…http://www.starflyer.jp/index.html

 ☆JR西日本“おでかけネット”、0系についてのHP…http://www.jr-odekake.net/navi/shinkansen/0kei/

テーマ:ライヴレポ・感想 - ジャンル:音楽

この記事に対するコメント

俺もあのときの l緊張は 一生忘れないと思います 

ジャズの場合 ロックと違って 繊細なアプローチが 要求されるので

俺のタイコでいけるのかという 不安が 直前までありました

でも 人柄もピアノのプレイも 大ちゃんはサイコーでした

あっという間に ライブも終わって まだまだ やってみたい気持ちで。。。。。。

あとで知り合いの人(当日これなかった人)にも

DVDみてもらいました  用事けっていけばよかった

というお言葉がありがたかったです 

今度は必ず行くから 絶対教えてと 、、、、、、

【2008/06/25 06:19】 URL | 野島崇裕 #- [ 編集]

メイン竹内大輔☆
凄い飛躍~!!
このままどんどんだいちゃんのステージの幅が広がっていきそうですね◎
へぇー!
スターフライヤーかぁ~
乗った事がない…
なんか良さげですね!
料金も安いし、機内環境も良いし…
それって、鹿児島便はないのかな??
北九州便だけですか?
【2008/06/25 10:31】 URL | せんぼく #5lqXcOOc [ 編集]


>野島嵩裕さん
 皆さんそれぞれにライブに対する思いがあり、
 そして協力して1つのライブを作る事ができた…。
 確かに、何物にも変えがたいものです。
 自分もこの気持ちは忘れず、更なる飛躍を
 目指して頑張っていきたいものですね。

>せんぼくさん
 もちろん、どんどん活躍の場は広げていく
 つもりです。楽しみに?していて下さいな(笑)。

 スターフライヤーは、残念ながら九州へ行くのは
 北九州行きだけで、他は羽田~関西空港間のみの
 設定です。まあ、まだ就航してそんなに経ってないので、
 今後期待しても良い部分だとは思うけどね…。
【2008/06/25 14:36】 URL | 竹内 #- [ 編集]

スターフライヤー
ほんと安いですね~。
名古屋から新幹線で行くよりも
かなり安いんですけど…(^o^;)
時間もかかりますが、心の準備をするには
良い感じです(笑)
【2008/06/26 13:13】 URL | まーちゃん #- [ 編集]


そうです、本当は飛行機が安いという事を
是非知って貰いたいですね。お陰で日本全国に
行きやすくなっているので、有り難いです。
【2008/06/26 14:19】 URL | 竹内 #- [ 編集]

管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
【2008/06/30 21:00】 | # [ 編集]


どうもです、この徐々に良くなっていく感じもまた
一興という事で…。でも、楽しくできたのが一番ですかね!
【2008/06/30 23:37】 URL | 竹内 #- [ 編集]

管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
【2008/07/11 14:56】 | # [ 編集]


…いえいえ、この先も楽しみにしていて下さい!
【2008/07/11 20:17】 URL | 竹内 #- [ 編集]

やっぱり、長文でしたね~
いろいろ、中身がありすぎて、
書きたいことがありすぎなんですが、、、(笑)

ライブも電車の旅も大変さもありながら
楽しく読ませて、頂きました♪
ほんとにお疲れ様でしたぁ~。
【2008/07/18 07:44】 URL | #- [ 編集]


そうですね、もはや長文にならざるを得ない感じの
内容でしたからね(笑)。今後のツアーの在り方を
学んだという事で、こんな帰り方もまた違う時に…。
【2008/07/18 19:43】 URL | 竹内 #- [ 編集]


この記事に対するコメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する


この記事に対するトラックバック
トラックバックURL
http://pftakeuchi.blog41.fc2.com/tb.php/682-c1ff1c0c
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

竹内

Author:竹内
1980年1月29日生まれのO型。
3歳からクラシックピアノを始め、
高校ではジャズに目覚め、大学では
バンドも経験する。現在は関東を
中心に、ライブハウスやホテルの
ラウンジ、レストラン等で演奏を
行っている。また、写真好きが興じて
簡単な写真撮影の仕事もしている。
…そんな29歳です。



次回のリーダーライブ

2010年2月7日(日)
外苑前 Z・imagine
Open…18:00~(予定)、
1st.…18:30~、2nd.…20:00~、
Charge…2700円(ドリンク別)
(Pf)竹内大輔
(B)池田暢夫
(Ds)佐々木俊之



竹内大輔トリオCD発売中(試聴可)!

   cd-pictures-mini.jpg
       Pictures

     ☆試聴はこちら



カレンダー

03 | 2017/04 | 05
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 - - - - - -



ブログ内検索



竹内大輔までのメールはこちらへどうぞ!

名前:
メール:
件名:
本文:



最近の記事



最近のコメント



最近のトラックバック



月別アーカイブ



カテゴリー





上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。