竹内大輔の写真日記(~2009)
ピアニスト竹内大輔の、2009年までの日々を綴った日記です。
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

旅日記 18.(熊野古道編…2007.11.6~11.7)
 今回、旅の目的地に選んだのは熊野古道でした。世界遺産に指定されて久しいですが、それ抜きに考えても“日本”の風景…と呼ぶに相応しい景色の連続で、また1つ自分の心に大きく刻まれた感じでした。日にち的には11月6日から7日の1泊2日という、本当に短すぎるぐらいの旅でしたが、観光ポイントを詰め込み、内容的には充実していたと思います。それではどうぞご覧下さい!


 ●新機材、ANAの737-700

 熊野古道は三重県から和歌山県にかけて存在していますが、今回は和歌山県の辺りを攻めようと思いました。和歌山…というのは、今までなかなか行かなかった場所でもありますし、大体三重県は今年の9月に行ったばかりです〔旅日記 16.(伊勢編…2007.9.9~9.11)〕。
 そうなると飛行機での関西空港利用が断然便利で、羽田を朝1番で発てば、8:00頃には関西空港に着いてしまいます。チケットもHPから(もちろんANAです…笑)11000円程度で購入でき、出発の日の当日、眠い目を擦りながら羽田空港に向かいました。
 この羽田~関西の朝1番の便は、以前大阪に遊びに行った時にも利用しましたが〔旅日記 13.(大阪編…2007.4.16~4.17)参照〕、飛行機が以前と変わって新しくなっていました。

   主翼の先端に注目です!

 …とは言っても、普通の方からすると同じに見えると思いますが、中身的には格段に進化しています。以前乗ったのはボーイング737-500という機種で、今回はボーイング737-700…。もちろん、ただ単に数字が変わっただけではありません。主翼は完全なる新設計で、燃料容量も増加、操縦的にも格段にデジタル化が進み…と、とにかく外観的には同じでも、会社側からしたら運用効率の進化が認められており、ANAでは保有する小型機を全てこの737-700にする事が決定されているそうです。ついでに、よく自分が利用するスカイマークの737は“-800”というもので〔旅日記 4.(関西編…2006.5.9~5.11)参照〕、これはこの“-700”の胴体延長型であり、共に“新世代737”と呼ばれていたりします(新世代737は、日本ではANAが初めて導入しました)。
 ANAの新世代737は、主翼の先端にブレンデッド・ウイングレットというものが装備されており、見た目にも新しい感じを受けるのですが、これを付ける事により空気抵抗の低下が得られるらしく、結果として燃費向上が図られるとの事です(付けるかどうかは、発注した航空会社の判断です)。また、航続距離の延長にも繋がる事でしょう。ついでに、スカイマークの737は国内線専用という位置付けの為、ウイングレットは装備されていないので(ANAの737は国際線にも使用されます)、尚更ANAの737が特別なように思えてしまいます。

   機内も新品らしく、綺麗に見えますね

 ソフト面としては、新しい機材…という事で、ANAでは座席が全て新しいものになっており、特に機内誌を入れる部分が座席の上に移動した事により、足元の部分が広くなっているというのは見逃せません(これは、既存の他の機種にも共通して装備していくようです)。また、天井からモニター・ディスプレイが現われるというのも、新世代っぽくて良い感じですね。この機材が登場したのは2005年とまだまだ新しいので、これからの活躍を期待するばかりです!
 この日の空は全体的に曇りがちで、機内からの眺めは期待できないと思っていたのですが、離陸後に見えた関東平野は幻想的で、逆に曇っていて良かったとさえ思いました。そして、雲に入ってから抜けた後の壮快感!…これが飛行機旅行の醍醐味でもあったりするのです。とりあえずは真新しい機材に身を託し、モニターから流れるANAの情報番組(この日は沖縄について放送していました)でも見ている事にしましょう♪

   遠くにはかすかに富士山の姿も…!   何だかモヤモヤが吹っ飛んだ感じですね(笑)


 ●紀伊半島へは紀勢本線で…

 関空に着いたのが朝の8:00頃でしたが、ここからはかなりタイトな乗り継ぎをやってのけ、JRの和歌山駅に着いたのが8:45頃という快挙を成し遂げました。さすがに今この駅の中で、今朝東京からやって来たという人は自分くらいなものでしょう(笑)。
 ここから紀伊路に入りますが、路線としては紀勢本線…というものを使います。紀勢本線は、いわゆる“紀伊”の国と“伊勢”の国を結ぶ…というのが名前の由来でもありますので、ここから三重県の亀山という所まで、紀伊半島をぐるっと南回りに結んでいます。今回は途中の新宮という所まで(行きは紀伊田辺まで)利用しましたが、この和歌山~新宮間がJR西日本の管内でもあり、そしてその先の新宮~亀山間はJR東海の受け持ちとなっています。運転形態も新宮を境に大きく変わり、基本的にJR東海圏内は非電化です。また、特急列車(南紀号)も名古屋を目的地として運行されています。
 今回自分が乗ったのは特急“スーパーくろしお”号。新大阪、天王寺から和歌山を経て(自分はもちろん和歌山駅から乗りました)新宮まで運転されており、中には京都始発のものも何本かある、紀伊半島を巡るには便利な列車です。車両によって、“くろしお”号、“スーパーくろしお号”、“オーシャンアロー”号等に分かれていますが、今回は“スーパーくろしお”号のみの利用となりました。“オーシャンアロー”号はJR化後に出来た比較的新しい特急で、全く違う車両なので興味があったのですが、今回は断念しました。また来れたらと思います。

   曇っていたものの、なかなか惹かれる景色です   紀勢本線の特急といえば“くろしお”号…紀伊田辺にて

 途中の御坊という所までは、和歌山への近郊区間という感じで、比較的本数も多いのですが(…とはいっても、普通電車は1時間に2本程の運転です)、そこを過ぎるとローカル度が増していき、車窓にも変化が富み始めてきます。新宮行きの列車であれば右側の席が抜群で、紀伊水道と呼ばれる海が望める事でしょう。今回は特急にも関わらず(特急だから…かもしれません)、眺めの良い場所では減速するというサービスが行われており、なかなか観光気分を味わえて良かったです。
 ところで、この“くろしお”、“スーパーくろしお”号に使われる車両は381系というのですが、これは国鉄時代に造られた車両で、“振子装置”なるものが装備されている車両でもあります。
 振子装置というのは、カーブの時に車体を傾けられる装置なのですが、元々日本の鉄道というのはその地形からカーブの多い路線が多くて、なかなか思うようにスピードが出せませんでした。この装置を使うと、カーブの時に更に車体を傾けさせる事で重心を下げ、速度を落とさずに走行が出来るのです。
 確かに紀勢本線はカーブが多く、この振子装置付き列車(振子列車といいます)が向いている線とも言えそうですが、“くろしお”号は振子列車の初期とも言える列車なのでそのシステムは簡単で、カーブによる遠心力をコロに伝達して車体を傾ける…という方法をとっています。
 しかし、どうもこの方法ではカーブしてから車体を傾けるまでの間に時間差が生じてしまうようで、いわゆる“振り遅れ”と言われる不自然な揺れが起こり、乗物酔いになってしまう乗客が多いのだそうです。今回自分は大丈夫でしたが、確かに乗り心地の面で気になるところは少なからずあった感じでした。
 現在の新しい振子列車というのは制御付き振子列車と呼ばれ、予めカーブの情報を車両にインプットさせ、振り遅れが起きないようにしています。正に“オーシャンアロー”号がそうだったのですが、その乗り心地の違いも体験してみたかったですね。とにかく、“くろしお”系統の特急は、色々と話題も豊富なのです(笑)。

   2両編成で…空いています…新宮にて

 特急ばかりの話題になってしまいましたが、普通電車も新宮~紀伊勝浦間で乗りました。この辺りの区間まで来ると、本当に普通の本数は少なく、2、3時間に1本で、しかも全て2両編成という陣容です。しかし、それらの輸送力でも事足りてしまうのが悲しいところです…。ここで幅を利かせている乗客というのは“学生”で、確かに新宮19:09発の紀伊勝浦方面行きの列車は、その車内の殆どが学生で占められていた(新宮に大きな高校でもあるのでしょうね…)感じでしたが、逆方向の列車に乗ると、1両あたりに3、4人しか乗っていません。これがローカル線の現実でもあるのでしょうね。
 やはり、その路線の特性というのは、特急だけに乗っていては分かりません。地元の人が使う普通列車を使ってこそ、その路線の深い部分が見えてくる…改めてそう思った乗車体験になりました。


   ●熊野古道ダイジェスト

 やっと本題…という感じですが(笑)、今回は2日間かけて、和歌山県内の熊野古道をピックアップして探索しました。熊野古道…と一口に言っても、その全てを2日間で見るのは到底不可能で、とりあえずは見所を掻い摘んでいくしかなかったのですが、それでも道の“雰囲気”は感じ取れ、周囲の風景と相まって、印象的な観光になったと思います。とりあえずは自分の辿った道を振り返ってみるとしましょう。

   右は武蔵坊弁慶の像です   どんどん旅も奥まっていく感じがしますね(笑)

 まず旅の拠点になったのは紀勢本線の紀伊田辺駅。ここは和歌山から特急で1時間強ぐらいの場所ですが、いよいよ紀伊路が本格的に迫ってきたという雰囲気があり、旅の始まりに相応しい場所となっていました。ここから熊野古道に入れる場所まで、まず紀伊田辺発のバスで1時間揺られ、さらに乗り換えて20分ぐらい進むのですが、このバスの乗り換えを余儀なくされる…というのが、熊野古道への道のりの険しさを物語り、旅の意欲が湧くというものです(便によっては乗り換え無しでも行けますが…)。

   熊野古道に入る道では、至る所に杖が置いてあります   一般道と分かれて、熊野古道は上に抜けていきます

 バスは牛馬童子口という所で降りました。その名の通り、牛馬童子像という像を見に行く為ですが、それは停留所から熊野古道を20分くらい歩いた場所にあり、まずは古道探索の小手調べ…という感じで、熊野古道の中では良い選択だったと思います。さてこの熊野古道、小辺路(高野山~熊野三山、約70km) 、中辺路(田辺~熊野三山) 、大辺路(田辺~串本~熊野三山、約120km) 、伊勢路(伊勢神宮~熊野三山、約160km) 、大峯奥駈道(吉野~前鬼~熊野三山、約140km) と、大きく5つに分けられるのですが、ここは中辺路の途中にあたり、古くから熊野三山への修験・参拝の道として利用されていたようです。もちろん、歴史と共にその道は様子を変え、ある所は国道のようにアスファルトで舗装された部分もありますが、そこから抜け道のように枝分かれをし、獣道みたいなのが熊野古道…という部分も多いです。

   想像以上に小さくて可愛いのです♪   石畳風になっているのが特徴です

 牛馬童子像は本当に小さく、これだけでも来て良かったと感じさせるものでした。実はこの場所は人気が高く、ひっそりとした場所の割りには5、6人程の観光客が既にいましたが、恐らくその殆どが車利用だと思われます。熊野古道はあまりにも規模が大きい為、自分のような電車・バス利用は不向きで、自由が利くという面では車利用には到底太刀打ちできません。しかし、この本数の限られたバスで移動をするというのが、旅の醍醐味でもあったりするのです。もちろん、バスの時刻を元に旅の“プラン”を立てなければならないのですが、この作業が結構楽しく、これこそが自分好みの旅でもあり、それは他とは比べ物にならないくらいだと思っております。

   どこか懐かしくなるようなバス停の風景   お客さんは他に1人しかいませんでした

 次に向かったのは熊野本宮ですが、プランとしては、バスで本宮を通り越し、その先の発心門王子という所から山を下って(もちろん熊野古道を通ってです)本宮に至る…というルートを通ってみる事にしました。実はこれ、車無しの人にとっては、なかなか上級者向きのルートだったようにも思えます。
 さて、牛馬童子像を見終えた後、自分は先ほどのバス停には戻らず、さらに先にあるバス停へと足を向かわせました。この辺りの熊野古道は、バス通りの国道とほぼ並行しており、せっかくなので通った事のない道を歩きたいものでした。
 そうやって着いたのが近露王子という所です。この“王子”…というのは、参詣の途上で儀礼を行う場所であり、熊野古道沿いには至る所にあります。それぞれ特徴的な雰囲気を醸し出しており、熊野古道探索では必ず見るべき所でもあります。近辺を探索してからバス停に行き、発心門王子行きのバスに乗り込みました。
 この近露王子からのバスは、先ほどの紀伊田辺駅から出ているバスですが、この先発心門王子まで向かうのは1日に4本という少なさで、しかもこのバスを含め、その内2本は冬期運休という、何ともスケジュール的に組みにくい路線でした。しかし、そのバスからの風景(お客は他に1人だけでしたから、バスの中の風景も…ですね)を見れば納得という感じで、いよいよバスは山の中に入り、バスの経路にしては相当細い道を通っていきます…。人が乗り降りする様子も無く、秘湯的な温泉場(ここでもう1人のお客さんは降りていきました)を通ってから山を越え、熊野本宮(ここまでは1日6本くらいはあります)を通過し、終点の発心門王子にと着きました。もちろん他には誰もいません。

 ここから熊野本宮へは、経路的には高野山からの道となるので“小辺路”となりますが、先程より“山道”という印象が強く、雰囲気も異なる部分はありました。この付近は山域の住民の生活道としての性格もある為か、集落の中を通っていくような部分もあって、不思議な感覚が味わえました。それでも、人出が少ない(いない…と言っていいです)のは先程と変わらずで、随分と静かな所…という印象が強く残りました。

   これが夜道だったらと考えると…恐ろし過ぎます…   随分遠くまでやってきたという感じはあります

 そんな状況なのに、この左上の写真の人形は怖過ぎです。何となく遠くから見て、怪しいとは思っていたのですけど、よく見ると分かるように、人形の後ろには紐が付いていて、これが井戸のようなものと繋がっており、そこに水が一定量溜まると人形が動く仕掛けになっているのです。時間にすると20秒~30秒に1回…という感じでしょうか。自分の場合、何だろう?…と思って近付いた矢先に動いたので、本気でびっくりしました。もしかしたら住民達がグルになって、どこか遠くから見てるのでは?…と思いましたが(笑)、本当に不思議な所でした。

   右に抜けていくのが熊野古道です   この辺りの石畳はしっかりしていました

 集落はありますが、山の中の集落という感じで、基本的に道は山を下りていっているという感じです。下り坂は結構足にきて、これは次の日は大丈夫かと思いましたが、それでも周囲の風景を見ると安らぐから不思議です。途中、休憩場のような建物がありましたが、どうやら新しい感じで、明らかに世界遺産登録後に造られた建物のような気がしました。世界遺産登録により、観光産業に力を入れ、施設的には便利になったものが多いようですが(バス停も新しく造り替えられていた感じでしたし…)、どうも複雑な思いです。施設も全て本来のまま…というのはやはり難しいのかもしれません。

   ここまで来るのが長かった…   “本宮”という文字に思いを馳せます

 そんなこんなで、やっと熊野本宮に着きました。ここを目指して拓かれた道を辿り、本宮に着くというのは感無量でしたが、その苦労に見合うのに相応しい、立派な拝殿が自分を迎えてくれました。この日歩いたのは約10km…といったところだと思いますが、もちろん当時の人はこれ以上の距離を歩いて、ここまでやって来ているわけです(さすがに何日も掛かっていると思いますが…)。流石にそこまでは再現できませんが、少しでも当時の人の気持ちに近付ければ…と思いましたね。この本宮には観光客は沢山いましたが、自分のようなルートを辿って来た人など皆無でしょう。何だか、自分に自信が持てた旅にもなっていたような気もしました。


 …ここまでが1日目で、この日は熊野本宮から新宮へ行くバスに乗り、そこで1泊しました。
 そして次の日の2日目には、また異なるルートの熊野古道を辿る事になります。


   2日目の旅の拠点となった那智駅   熊野古道の経路は、なんとここから左に曲がります

 2日目の拠点にしたのは、紀勢本線の那智駅でした。ここは、新宮から普通電車で20分くらい南に行った所に位置していて、有名な“那智の滝”、“那智大社神社”の最寄り駅でもあります。一般的には、ここから電車で1つ先に行った紀伊勝浦駅が拠点とされているのですが、これは特急も停まる主要駅な為で(那智駅は普通電車しか停まりません)、実際に距離的に近いのは那智駅です。
 ここから歩いて那智大社神社まで向かおうとしているのですが、これがまた前日の熊野古道とは雰囲気を異にしていて、とても興味深かったです。那智駅は海に面している土地であり、道程としてはそこから川に沿って山に上って行く…という感じなのですが、いわゆる山の中の道ではないので、普通に田舎を散歩している感覚に近かったです。
 ある時はバス通りの道であり、ある時は集落の中の小道であり、そしてある時は竹薮の中のあぜ道だったり…。変化に富むという意味では、むしろこちらの方が上なのかもしれません。中には、これが熊野古道!?と思うような頼りない道も多々ありましたが、それこそが“昔のまま”という感じもあり、より魅力的に映るのだと思いました。

   幻想的な雰囲気が続きます   周囲が竹薮になるだけで、雰囲気は随分と変わります

 そんなこんなで約2時間ほど歩きましたが、熊野古道は再びバス通りと合流し、観光バスの駐車場に近い辺りに出てきました。ここは観光客も何人かいて、いきなりどうしたのかと思いましたが、成程、この先には“大門坂”という坂があり、那智大社神社観光の定番のコースともなっている所でした。
 ここから467段の長い階段を上ると、那智大社神社が待っているわけですが、観光客の殆どは上から下りてくるコースを辿っており(那智大社神社は車でも行ける為)、自分のように“上りコース”を辿る人は、この時点では全くいませんでした。しかし、那智駅からここまで頑張って歩いてきたにも関わらず、あとはバスで楽に上って…というわけにはいきません。昔の人の雰囲気を味わう為にも、自分はこの467段の階段に挑みました。

   大門坂の途中の風景…まだまだ先は長いです   一生この坂が続くのではないかと思わせてくれます(笑)

 バス通りから分かれて、いきなり急な坂になりますが、本番は道の両側にそびえ立つ巨大な杉“夫婦杉”を潜ってからです。ここからは森林の中に入る感じで、熊野古道らしい雰囲気も出てきますが、その先には永遠と続きそうな石の階段が視界に入ってきます。幻想的な雰囲気ではありますが、階段を実際に上っている身からすると、冷静な自分を保たなくては…という面もあり、ここはマイペースに歩いてきます。
 途中、木々の間から、かなり遠くの方に那智の滝らしき光景が見えましたが、まだまだ遥か彼方という印象しか受けられません…。しかも、それは目線よりずっと高い所にあるような気がします。まだまだ上に行かなくてはならないわけですね…。坂を半分くらい上りきった所で、再びバス通りと接近しますが、向こうの道は急カーブが続いている感じで、車でもキツそうな場所だと思いましたね。よく見ると、そこにはバス停も設置されていたのですが、もちろんここでギブアップ…なんて事はしませんでした。後は気力で上るのみです!

 そして、大門坂を上り始めてから20分強くらいでしょうか。ついに階段の一番上まで来ました。やった!と思いましたが、ここで驚いたのが、那智大社神社は更に上にあるという事実でした。周りには土産屋や旅館、食事処等が立ち並んでいましたが、そこを掻き分け道しるべの方に進んでいくと、さらに上へと進める階段があり、そろそろ体力的に限界を感じてきてしまいます…。それでも頑張って階段を上り、その10分後くらいには、やっと那智大社神社の人となれました。
 これこそ「やっとか…」という感じでしたが、この場所から今来た道を振り返ると、ずっと遠くには海が薄っすらと見えるではないですか!…つまり、今日はあの海の辺りから自分は歩いてきたわけであり、改めてよく頑張ったなと思いましたね。那智駅から約2時間40分、自分で自分を褒めてあげたいものです(笑)。

   那智大社もまた立派な建物でした   相当遠くに海が見えます

 ここまで来たら那智の滝も見たいものですが、こちらは那智大社神社からは幾分か下った所にあり、今日は階段を上ったり下りたり大変です(笑)。ただ、滝の近くまで行ったものの、実際のところは近過ぎて全容がよく分からない…といった感じで、これは那智大社神社の辺りから見る景色の方が良いなとも思いました。これまた丁度良い感じで、青岸渡寺という寺と組み合わせて見れますし…。

   絵葉書のような組み合わせの青岸渡寺と那智の滝

 さすがにここから駅(帰りは紀伊勝浦駅まで向かいました)まではバスを使いましたが、これが30分弱の道のりと、やはり車の便利さには適わないと思いました。ただ、今回これらの熊野古道を実際に歩いてみて(前日と合わせたら、トータルで約20kmは歩いている筈です)、バスから見ていただけでは到底得られない旅情を感じる事が出来ましたし、昔の人の思いを馳せる事も出来ました。
 確かに、昔の人の移動というのは大変だったと思いますが、自分は熊野古道を何時間も歩いてみて、道に生えている草木1本でも休息の癒しになっていました。まさに自然と自分との共存…。何だか“自然”というものから、大きな問い掛けを頂いたような気になりました。その答えはまだ分かりませんが、また違う時に、熊野古道という“人間と自然の共存”を体験したいとは強く思いましたね。


   ●最後はやはり“食”で締めます

 やはりこういった旅に欠かせないのが“食”でしょう(笑)。和歌山は海の幸という事で、美味しい物が意外と豊富なのです。特に名産とされているのが鮪らしく、刺身好きの自分にとっては、これ以上のご馳走は無い!…とさえ思ってしまいました。

   南紀ではマグロが名産です   こういった食べ方は初めてだったかもしれません

 鮪の料理が発展しているのか、その調理法にも色々なものがありました。刺身はもちろんの事ですが、中トロをカツにして、まるでトンカツのように食べてみたり(写真右上参照)、鮪の内臓系をバターで焼き、酒のツマミにする等、その全てが美味しいと思えるものばかりでした。しかも、それらは何とも“和歌山らしい”感じがするのです。
 地方での美味しい食事というのは、ただ単に“美味しい”と思えるだけでは物足りなくて(自分の場合…)、如何に地方らしさが出ているか…というのも大きなポイントだったりします。その点では、ここの鮪料理は全てが期待以上の物と言っても過言ではありませんでした。…というより、海の幸だったら全てが素晴らしいような気がします。自分だけの“味”を探しに和歌山に出向く…という感じでも良いのかもしれません。

   意外とハマりそうな和歌山ラーメン

 さて、和歌山には御当地ラーメンがありますが、自分は今まで理由も無く避けている感じがありました。そこで今回は、せっかくなので和歌山ラーメンのお店にも行ってみたのですが、豚骨醤油ベースのスープ(←この事をまず知りませんでした…)は意外にもあっさりしていて食べやすく、早くも自分好みな気がしてしまいます。行った所は井出商店という、和歌山ラーメンをブームにした火付け役のお店らしいのですが(以前、期間限定でしたが、新横浜ラーメン博物館にも出店していたみたいです)、ここは雰囲気もあって(内装が、昭和30年代~40年代のイメージ)、行く価値も大いにあると思いました。まあ和歌山ラーメンでは一番人気のあるお店だけに、美味しいのは有無を言わさず当たり前なのかもしれませんが、機会があったら他のお店にも行ってみたいと思うほど、自分にとっては良い味でした♪

   機内でも和歌山気分?…という感じですね(笑)

 そしてこれです。和歌山名物“めはりずし”。これは高菜の浅漬けでご飯を包んだ、いわば“おにぎり”なのですが(中は酢飯でなくても良いので…)、これこそが和歌山、そして熊野を代表する食べ物と言っても間違いありません。今回、熊野古道を歩いている時にも、周辺のお店で何度となく見掛けたのですが、それだけこの地域に根ざした食べ物なのでしょう。ついでに、名前の由来としては、その大きさや美味さから、「目を見張るように大きく口を開ける」とか、「目を見張るほど美味しい」…という説もあるほどで、これも和歌山での根強い人気を物語っているかのようです。
 ただ、自分がこれを購入したのは、帰りの関西空港内のお土産屋でと、少々タイミングとしては遅かったような気もします。そして、口にしたのは帰りの飛行機内で…。しかし、こうする事によって、帰りの機内でも和歌山気分を味わえたというか、今回の旅を振り返られる素材として、いい仕事をしてくれたと思います(笑)。
 今回帰りの飛行機に選んだのはスターフライヤー。ここ最近、新たに関空線を就航させたので乗ってみたのですが(就航記念でチケットが約9000円と安かったのです)、飲み物は京都福寿園伊右衛門茶を注文し(笑)、座席の前にあるモニターを観賞しつつ、めはりずしを食べながら羽田へ…。ちょっと豪華?に、今回の旅の締め括りに相応しい時間を送る事が出来たと思います。…スターフライヤー自身の写真が撮れなかったのが残念でしたが、これはまた今度という事で!


 …という事で、1泊2日で熊野古道を堪能してきました。一言で“熊野古道”とは言っても、それは色々な側面がある道で、とてもこの短い行程では、全てを把握する事は不可能です。…ですが、それで良いのだと思います。自分もこの旅に行く前は、どうにかして短い期間で熊野古道を制覇できれば…という気持ちがありましたが、それでは旅の本来の意味を忘れてしまっている事に気付かされました…。歴史ある道を辿るなら、昔の人に思いを馳せる事も大事で、それは道の一部分だけ歩いては感じ取る事が出来ません。そうすると長い時間が必要となりますが、それこそが本来の熊野古道の在り方だとも思うのです。こういった事は全て熊野古道自身に教わったわけでもあり、改めて今回は奥の深い旅だとも思いました。これからの参考にもしたいと思います。

 ☆熊野古道ナビ .com のHP…http://www.kumanokodou-navi.com/

 ☆和歌山ラーメンのHP…http://www.jtw.zaq.ne.jp/neko-mimi/rahmen/

テーマ:国内旅行 - ジャンル:旅行

この記事に対するコメント
いつのまにか
また、更新してますね(笑)。
10キロ歩いたんですか~。
すっごいです!!
このあとも、どんだけ歩くのでしょうか?
楽しみにしています。
【2007/12/01 21:19】 URL | まーちゃん #- [ 編集]

いつの間にか!
見つかってしまいましたか!

…さすがです(笑)。続々と楽しみにしていて下さい。
【2007/12/01 22:52】 URL | 竹内 #- [ 編集]

完成おめでと~う!!
ほんとに、長い道のりでしたね(笑)。
また、さらに10キロ歩いたんですか~。

諦めないで、最後まで・・・
うむむ。私も見習わないと(笑)。

それにしても、1泊2日の旅とは思えないくらい濃厚な旅と日記でした。
お疲れ様~♪
【2007/12/27 09:29】 URL | #- [ 編集]

どうもです~
そうですね、歩くのも良いものですよ!
最後まで諦めず読んで頂き(笑)、ありがとうございました。
【2007/12/27 15:07】 URL | 竹内 #- [ 編集]


この記事に対するコメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する


この記事に対するトラックバック
トラックバックURL
http://pftakeuchi.blog41.fc2.com/tb.php/532-50af24fc
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

竹内

Author:竹内
1980年1月29日生まれのO型。
3歳からクラシックピアノを始め、
高校ではジャズに目覚め、大学では
バンドも経験する。現在は関東を
中心に、ライブハウスやホテルの
ラウンジ、レストラン等で演奏を
行っている。また、写真好きが興じて
簡単な写真撮影の仕事もしている。
…そんな29歳です。



次回のリーダーライブ

2010年2月7日(日)
外苑前 Z・imagine
Open…18:00~(予定)、
1st.…18:30~、2nd.…20:00~、
Charge…2700円(ドリンク別)
(Pf)竹内大輔
(B)池田暢夫
(Ds)佐々木俊之



竹内大輔トリオCD発売中(試聴可)!

   cd-pictures-mini.jpg
       Pictures

     ☆試聴はこちら



カレンダー

07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -



ブログ内検索



竹内大輔までのメールはこちらへどうぞ!

名前:
メール:
件名:
本文:



最近の記事



最近のコメント



最近のトラックバック



月別アーカイブ



カテゴリー





上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。