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竹内大輔の写真日記(~2009)
ピアニスト竹内大輔の、2009年までの日々を綴った日記です。
旅日記 23.(フランス、パリ編…2008.7.23~7.29)≪まだ途中です!≫
 旅行を終えてから1ヶ月が経とうとしていますが、7月の末に訪れたフランスのパリの旅日記に取り掛かりたいと思います。今回は基本的に1都市、パリのみで、他に主要な都市には行きませんでした。今年の夏も1週間の休みが取れたので、1都市に1週間というのは贅沢な気もしますが、何しろパリは見所の多い街です。むしろ、1週間では足りないくらいだろうと思っていました。
 ところで、自分にとってパリは初めて訪れる所ではありません。2002年の3月に1度行っており、今回は2回目で6年振りという事になりますが、実は最初に訪れた時は、パリ自体をそんなに探索していなく、ヴェルサイユやモン・サン・ミッシェル等、どちらかと言うとパリを拠点に色々回っていたという感じでした。…なので、1度行った事があるにしてはパリの印象は薄く、だからこそ今回は基本的なパリの部分を見たいという思いが強くありました。
 故に、今回の旅行はかなりベタなものになっていると思います(笑)。凱旋門やエッフェル塔、ルーブル美術館やノートルダム寺院等、本当にヨーロッパ初心者のような回り方をしてしまいましたが、まずは基本があってこその探索です。今回でパリの主な場所は網羅できたような気がしました。もちろん、その状況でも自分なりの探索は忘れずに、この旅日記でも生かしたいと思います。それではどうぞご覧下さいませ!


 ●パリ行きはやはりエール・フランス航空で…

 今回のパリ行きの航空券ですが、“パリ”を楽しむなら、やはり本国の航空会社、エール・フランス航空(以下、エール・フランス)を選ぶのがベストだと思います。日本からパリまで直行便という利点はもちろんですが、機内に入った時からフランス気分を味わえるのが、やはり一番選びたかったポイントだと思います。
 エール・フランスは、日本に就航している外資系の航空会社としては、抜群の知名度を持っているのではないでしょうか。実際、世界を代表する航空会社には間違い無く、現在はオランダのKLMオランダ航空と共にヨーロッパ最大の航空会社グループ、“エール・フランスKLM”を形成していて(…それぞれのブランドは継続)、グループのマーケット・シェアはヨーロッパ内で1位、グループの総売り上げに関しては世界第1位の実績を誇っています。
 日本への乗り入れも古く、それは1952年にまで遡る(!)ので、日本を意識したサービスもお手の物という感じでしょうか。とにかく、フレンチ・エッセンスが随所に施され、世界的にもファンも多いエアラインでもあります。このエール・フランスは、今回の目的地がパリだからこそ選びたい航空会社でもあり、今回の航空券選びにはそれ程迷いは無かったように思います。

   細長い機体には白の塗装がよく似合う、エールフランス航空…成田空港にて、帰国時に撮影(ボーイング777-300ER)   このまま持ち帰っても(たぶん)オーケーです

 今回は初めての搭乗となりましたが、真っ白の機体塗装にトリコロールのカラー(尾翼部)はよく映え、もう既にフレンチセンスに魅了されているような気がします。機内のクラス分けがまた特徴的で、もちろん自分はエコノミークラスなのですが、エール・フランスではこのクラスの事を“テンポ”と名付けています。ちなみにファーストクラスは“エアパス・プルミエール”、ビジネスクラスは“エアパス・アフェール”となっているのですが、このフランス語の響きがまた良いのでしょうね。また、客室乗務員は“オテス”、または“スチュワード”と呼ばれていますが、日本人乗務員も常時3~4人は乗務しているので、言葉の心配は無いと言って良いと思います。
 フランスの航空会社だけに、機内食は必然的に楽しみになってきてしまいますが、エール・フランスはその期待を裏切りませんでした。まずメニュー・カードですが、これが相当お洒落で、右上写真のように“ポストカード風”になっていました。普通だったら何の変哲も無い紙に、ただ書かれているだけでしょう…。また、エコノミークラスでもシャンパンのサービスがあり(もちろん、ワインも豊富です)、パンはもちろんフランスパン。また、長距離便という事もあってか、セルフサービス・ブッフェ(飲み物や軽食等が常備)も全クラスで用意されているのです。

   自分はワインを頼みましたが、シャンパンもオーダー可能です   幻想的な光景です

 このように、サービス面だけで見ても乗ってみたくなるエアラインではあるのですが、実は今回、選択の基準にあたって、もう1つ決定的だった事項があります。それはエール・フランスは、日本からヨーロッパ行きの唯一の深夜便を設定しているという事です。
 日本からヨーロッパに直行便を運航している会社は沢山ありますが、そのスケジュールの殆どは、日本を午前中か昼頃に出発し、現地に夕方か夜に着くというパターンです。ところで、現在日本線を1日に2本以上運航しているヨーロッパの航空会社というと、イギリスのブリテッィシュ・エアウェイズ、ドイツのルフトハンザ・ドイツ航空〔旅日記 15.(イタリア、ローマ・フィレンツェ編…2007.7.21~7.27)参照〕、そしてエール・フランスの3社ですが、その飛ばし方は3社3様です。
 ブリテッィシュ・エアウェイズは昼間にロンドン行きを1時間半程の間隔で2本運航し、ルフトハンザ・ドイツ航空は1便はフランクフルト、もう1便はドイツ2番目の主要空港ミュンヘンへと運航、そしてエール・フランスは1便は昼間のパリ行き、そしてもう1便は夜行のパリ行き…と言うように、異なる時間帯に2便運航しています(また、週6便の運航ですが、朝発のパリ行きも設定されています)。
 以前、飛行機の性能的に、ヨーロッパへの直行便が無かった時代は、北アメリカのアンカレッジ経由やアジア経由などで、基本的には日本を夕方以降に経って、現地に朝着くというスケジュールでした。今では時間の掛かる経由便は無くなり、飛行機の運航時間帯も、朝発、夕方着がメインとなってしまいましたが、エール・フランスはあえて2便目は夜行便のままで残したのです。独創的なエール・フランスらしい運航方法…とも言われたものでしたが、今回自分はこれに相当救われたのです。
 今回の出発日は7月の23日でしたが、実はこの日の昼間にちょっとした用事があり、もしかしたら出発は次の日の24日になる可能性もあったのです…。しかし、時間を効率的に使えるという意味では、成田を夜21:55に出発するエール・フランスの夜行便は強い味方でした。用事のある日と同じ23日の出発なので、慌しいと言えば慌しかったですが、現地パリには朝4:15に着いてしまうので、その日を丸々観光に充てる事も出来ます。次の日の、例えば朝発の便だったとしても、現地到着は16:10…。空港から市内に行って、ホテルに荷物を置いて…、その日は夕食ぐらいしか楽しむ事は出来ないかもしれません。
 帰りも夜行便だったので、故に今回の行程は4泊7日という強行軍だったのですが、少ない日程で沢山楽しむには不可欠の便でもあったのです。その代わり、実質5日間の滞在期間も得られ、それなりに有効活用出来たとも思います。また、行きの便は深夜の時間帯ゆえ、常に外は真っ暗…という感じだと思ったのですが、ヨーロッパへの便は北極圏を通るルートでもあるので、夏のこの時期には、薄っすらと明るくなる機窓を望む事も出来ます。太陽が出そうで出ないまま、また真っ暗に戻るという感じなのですが、こんな光景も夏のこの時期のヨーロッパ行きの夜行便だからこそ体験出来るのです。
 座席には、エコノミークラスでもそれぞれに個人モニターが付いており、映画やゲーム、エンルート等、これならヨーロッパ行きの長いフライトでも退屈知らずです。実際、自分の乗った便はパリまで約13時間という長丁場のフライトでしたが、外の眺めも相まって、そんなに大変な感じはしませんでした…。旅の思い出を“より”良くする為にも、パリへのフライトはエール・フランスで決まり!なのかもしれません。


 ●パリの初日は、念願のブロワへ…

 エール・フランスで快適な空の旅を終え、まだ寝静まっているパリのシャルル・ド・ゴール空港に到着したのは、10分遅れの4:25でした。…実はこの時から、この日の慌しい1日は始まっていました…。
 パリの初日、長いフライト後の丸1日という時間でもあるので、この日どのように過ごすかは大変重要な事だと思っていました。市内散策といっても、いくら何でも早すぎますし、その前に身体がもたないかもしれません。そこで考えたのが、パリから割りと近場の地方に行くという事でした。これなら時間も有効的に使えますし、移動の時間に体力を温存しておく事も出来ます。
 そして向かう先は、ルネッサンス期にかけて建てられた古城の数々が残るロワール地方、その中でもブロワという町に行く事に決めました。この場所の選定理由は後に話しますが、パリからは列車で約2時間の距離にあり、その為にはパリのオステルリッツ(Gare d' Austerlitz)駅を7:22に出発する列車に乗れば良いというのも調べてきてました。時間的には余裕がありそうでしたが、自分はこの時スーツケースを抱えている身だったので、いったんホテルに荷物も置いておきたいところです。故に、これから分刻みのスケジュールが始まりました。
 パリの空港で4時台という時間帯は、交通機関はタクシーを除いて殆ど動いていません。パリ市内までの移動は恐らくバスが最もポピュラーだと思うのですが、それは6:00くらいにならないと動き始めないのです。
 ここで移動手段として出てくるのが、高速郊外鉄道、RER(これで“エル・ウー・エル”と読みます)です。始発は4:56発と、公共交通機関では最も早く、パリ市内の主要駅である北駅(Gare de Nord)まで約30分で着けてしまいます。また、値段も空港バスの15€(約2500円)に比べると、8,4€(約1400円)と安いのが嬉しいところです。
 しかしこのRERなのですが、空港から出ているB線は、あまり治安が良くないという評判をよく耳にします。これはパリ市内までの沿線が、わりと低所得者層の住んでいる地域を通ったり、市内側の主要駅である北駅自体が黒人の多い地域でもある…等という背景があるからだとも思いますが、実際、どのガイドブックを見ても、RERは早朝、深夜の時間帯は避けて利用するのが賢明…と載っていたりします。

   RER駅構内は、若干薄暗いです…   RERの車内…意外とポップな感じ?

 …とは言え、ここで引き下がるわけにはいきません。バスが発着する6:00まで待つわけにもいかず、かと言ってタクシー利用では、パリ市内まで行くのに軽く50€(約8500円)を超えてしまいます。また、前回パリに来た時にRERは何度か乗っていたので、ある程度の経験はしていたつもりです。細心の注意を払っていれば大丈夫だと思い、意を決してRERの改札に向かいました。
 ただ、予想以上に空港ゲートからRER乗り場までは歩かされ、しかも切符売り場には駅員がいないという始末でした。…というか、駅自体に係員が誰もいないのですが、これで大丈夫なのでしょうか。そして自動券売機はあるものの、そのどれもがコインかクレジットカードしか使えません。フランスに入国したばかりのこの時点でコインが8,4€分も持っている筈が無く、仕方なくカードで切符を購入しました。ただ、これも操作に若干手間取り、結局は4:56発の電車はタッチの差で乗る事が出来ませんでした。まあ次の電車は15分後だったので、そんなに時間のロスにはなりませんでしたが、いきなりフランスの洗礼を浴びた感じでもありましたね…。
 さて、気になるRERの治安状況ですが、確かにあまり良い雰囲気とは言い難いものがありました。時間帯が時間帯だけに、空港から乗る人の中に旅行者はそんなにいなく(逆に何の用で乗っているのかと思われる客も…)、途中の駅から乗ってくる人が殆どという感じでしたが、最初の10分間は、白人よりは黒人が多いという状況が続いていました。しかも、大体その中に1人くらいは不可思議な行動を取る者がいるもので(窓を開けて、外に向かって何か叫んでいたり…笑)、それは気が気ではなかったのですが、やがて白人のおばさんとかが乗ってくると、何となく安心できる気持ちにもなりました。結論としては、人が多い(なるべく白人系?)車両を選んで乗れば問題は無い…という感じでしょうか。個人的には、前に行ったニューヨーク〔旅日記 20.(アメリカ、ニューヨーク編…2008.3.5~3.14)〕の地下鉄の、ハーレム付近の雰囲気に近いものを感じましたが、後は個人の見解に任せる…といった感じですね(笑)。この時乗った列車は、途中から急行運転になっていましたが、日中は空港駅~北駅間がノンストップという列車もあり、こちらならより安心だと思われます。ある意味印象に残った、早朝のRER体験でもありました。

 さて、北駅に着いてからはタクシーでホテルまで移動します。パリ市内はメトロ(地下鉄)が網羅していますが、施設が古いのでスーツケースを持っての移動はあまり勧められません。とりあえずは時間、体力が優先という事で、北駅からホテルまではタクシーで、そこからオステルリッツ駅まではメトロで移動しました。パリ北駅に着いたのが5:40で、タクシーに乗ってホテルに着いたのが6:10。荷物を置いてメトロに乗り、オステルリッツ駅には6:45くらいに着く事が出来ました。着いてみればかなりの余裕があったのですが、パリに着いて最初の難関とも思っていたので、無事にここまで辿り着けて、まずはホッとしたのを覚えています。

   国鉄の駅を、メトロが突き抜けている構造です   ヨーロッパらしい立派なターミナル駅ですが、パリのターミナル駅としては、小さめの部類に入ると思います

 切符をブロワまで買い、いざプラットホームへ…。もちろん車内用として、ジュースやパン類の購入も忘れてはなりません。RER以外のパリの近郊線というと、駅構内に改札は無いのが普通で、乗客はホームの脇にある刻印機で日付を刻印しなければならないのですが(これをやらないと、検札の時に罰金の対象になったりします)、これはヨーロッパ各国の鉄道ではよくある風景なので、もう慣れたものです。車内へ乗り込み、ブロワまでの道中をゆっくりと楽しみました。
 フランスという国は、パリ以外の所は全て田舎…とまで言われてしまっていますが、実際それは確かにそうで、オステルリッツ駅を出てから20分くらい経つと、もう既に車窓は小麦畑一色…という感じになってしまいました…。所々に町があっては駅もあるのですが、それを過ぎるとまた畑です…。特に起伏があるような土地でもなく、予想以上に単調な車窓ではありましたが、何故か今はそれが心地よくも思えました。少しは眠った方が良いかなとも思いましたが、一睡もする事なく、ブロワ駅には8:58、定刻に到着しました。

   ヨーロッパでは、コンパートメント・タイプの車両も多いです   パリの市街地を抜けると、車窓は大体こんな感じ…

 ブロワは、中世ヨーロッパの面影が今でも残っている町で、ロワール古城巡りの拠点としても利用できる場所でもあります。実は古城巡りといっても色々で、それは、城自体が広範囲で各地に点在しているからなのですが、その中からブロワを拠点として選んだのは理由があります。
 自分の好きなフランス人のジャズのピアニストで、ミシェル・ペトルチアーニという人がいるのですが(もう既に亡くなってしまっていますが)〔好きなCD紹介 2.参照〕、その人の曲で、“Trilogy in Blois”という作品があります。“Trilogy”は三部作という意味、“Blois”がブロワと読むので、要は“ブロワ三部曲”という事なのですが、実際作品は大きく3つに分かれており、Morning Sun、Noon Sun、Night Sun in Blois…というメドレー演奏になっています(CDによっては、これらから1曲だけ演奏している事もあります)。
 この演奏、そして曲自体が個人的に凄く好きで、最初は“Blois”の読み方すら分からなかったのですが(笑)、後にブロワという町と判明し、しかもパリから約2時間弱で辿り着き、古城巡りの拠点としても使えるとガイドブックには書いてあるではないですか…。いつか行きたい場所だとは思っていましたが、行くのには今がチャンスと思うのも当然だと言えるでしょう。曲のタイトルに思いを馳せ、その地を訪れたいという気持ちが芽生えても、今回のように実現まで至ってしまったのは初めてで、自分でもその行動力に驚きましたが、実際自分は今ブロワという町に降り立っているのです。何だか、非現実と現実の境目にいるような、変な気分でしたね…。それでも、一時一時は大事にしたいという思いは消える事はありませんでした。

   ブロワ駅に到着…右が今回利用したツアー用(?)のバスです   のどかな風景を走ります

 ブロワの街を探索する…という目的もありましたが、とりあえずは古城巡りをスタートさせる事にしました。普通は古城巡りというと、パリ発のツアーに参加するのが一般的なようですが、値段が高いのと、お目当ての城に上手い具合に見学が出来なかったりして(時間の制約もありますし)、ここは個人で行ってみたいところでした。幸いブロワの駅からは、シャンボール城、シュヴェルニー城、ブロワ城を経由してブロワ駅まで戻ってくるというバスが運行されており、これを利用しない手はありませんでした。
 バスの本数は限りがあるのですが、それぞれのお城で2時間~2時間半くらい見学できるようにダイヤが設定されていて、それはバス会社のHPからも確認が出来るので(こちらを参照)、予定は日本を経つ前にも立てられるのです。料金は、そのバスが1日乗り放題で11,49€(約1950円)で、チケットの半券を見せれば、それぞれのお城の入場に割引が適用されるという優れものです。ついでに、バスのスケジュールを見れば若干予想できる?ように、このバスは1人の運転士で全ての便を回しているようで、古城を周遊中、運転士(体格の良いおばちゃんだったのは、さすがはヨーロッパ?)何度も顔を合わすのは一興でした(笑)。
 このバスの運行は夏季期間中のみ(今年は5月12日~8月31日)となっていますが、時期さえ合えば積極的に利用したいバスでしたね。自分が利用した時は、平日ともあってか5人くらいしか乗客はいなく、便によっては他に乗客がいない事もしばしばで、すぐに運転士と顔見知りになってしまいました。最後の乗車時には「このノートに感想を書いてって!」とノートを渡され、そこにはバスを利用した、それこそ世界中の人達からの書置きが綴られていたのには驚きました。便利さと同時に、アットホームさを感じたバスでもあったように思いました。

   御伽の国に来たかのようなシーンですね   太陽の照り付けが眩しいシャンボール城

 さて、行った順に紹介していくと、これがまずシャンボール城です。周囲は広大な森に囲まれ(ソローニュの森と呼ばれていて、広さはパリ市と同じ面積を持つのだとか)、16世紀初頭に、この森を狩り場としたフランソワ1世により、25年の歳月をかけて建てられたのだそうです。尖塔が目立ちますが、これらは全て煙突で、その数は何と365を数えます。この城全体の優美な姿からも、フランス・ルネッサンスの華と言って良いとも思いますね。

   城の中心部にある2重螺旋階段は必見です   狩猟の盛んな一家だったという事が伺えるというものです

   尖搭が皆個性的ですね   バスは写真右上から手前側に走ってきました

 お城の周りには、このような売店も建ち並んでいて、その雰囲気からも、改めて自分はフランスに来ているのだと実感させられました。日本人もたまに見かけましたが、その殆どはパリ発の日本語バス・ツアーで来ているようでした。海外での観光地を見学する時の極意として、こういった日本語ツアーの集団の近くにいて、説明を盗み聞きする…というのは内緒です(笑)。

   ついつい立ち寄りたくなってしまいますね

 シャンボール城には2時間程の滞在で、同じバスで次なる目的地へと向かいました。この辺りのバスの車窓といったら、本当にもう田舎という感じで、田園風景の中に、たまにヨーロッパらしい家だか小屋だかがポツンと存在しているという状況が続きます。しかし、この何とも言えない落ち着く雰囲気がたまりません…。

   左右対称の端正な姿が印象的なシュヴェルニー城   こちらは別館で、現在はお土産屋になっています

 次に寄ったのはシュヴェルニー城です。1634年にシュヴェルニー伯爵によって建設されて以来、今も同一家系が住んでいるという城で、さすがに見学できる建物とは別の建物に住んでいるとは思うのですが、部屋に掛けられていた家族の写真などを見ると、未だ人の温もりは残っているという感じがしました。あまり大きくはない城ですが、美しさに関しては特に際立っているような気もしましたね。ついでに、この城の内部は撮影禁止でした…。

   周囲にはラベンダーも咲いていました   シュヴェルニー付近の街並み…これでもメインストリートです

 ここでは2時間半程の時間があったので、城周辺にあった町並みも見つつ、散歩してみたりしました。それは小さな町でしたが、雰囲気は素晴らしかったです。こういった町がフランスでは普通に存在していると思うと、改めてフランスという国の魅力の深さを感じたものです。小さいながらも、町1つ1つに主張があるんですよね。

   重厚な感じのブロワ城   増築されていった様子がよく分かります

 最後に訪れたのが、ブロワの駅からも歩いて行ける距離にある、その名もブロワ城です。ここは、今までの2つの城とは違って重厚な雰囲気が漂っていましたが、それもその筈で、14世紀末にルイ12世が即位して以来100年間、王宮として栄えたという歴史が残っているのです。また、この城は中庭を囲むようにして建物が建てられているのですが、時期によって増築を繰り返し行っていた為に、その中庭に立つと、13~17世紀の建築様式の変遷がよく分かるのも面白いところです。ブロワの町自体が中世の面影を残していて雰囲気が良いのですが、この城の存在感はそれに負けないくらいだったと思いましたね。

   城内のステージでは、何か見せ物が行われていました   ブロワ城内部…この他にも色々な部屋があります

   ブロワ城敷地内から見たブロワの街並み   ブロワ城は丘の上に建てられているようです

 結果的にはどこも雰囲気が良く、ヨーロッパの歴史を随所に感じれた1日でもありました。今まで、自分の好きだった曲の1タイトルでしかなかった“ブロワ”というものが、この日をきっかけに急に親近感が湧いてきたというのも収穫と言って良いかもしれません。ここでミシェル・ペトルチアーニは、何を思って曲を作ったのか…。その理念に一歩ぐらいは近付けたと思います。これらの風景を思い出しながら、改めて彼の曲を弾いてみたいですね。

   再度、ブロワ駅にて   帰りに乗った車両は、オープン・タイプの車内でした

 …というわけで、帰りは行きと同じルートでパリ市内に戻ってきました。流石に疲れていたのか、帰りの車内では行きとは全く異なり、爆睡状態でした(笑)。そしてその影響はホテルに戻ってからも持続し、夜の20:00頃、ホテルの部屋に着くなりベッドに横たわり、そのまま就寝へと突入していきました…。こうして、パリに着いて初日の濃い1日は幕を閉じる事になったのでした。
 ついでに、この日の一連の流れを、パリ発のオプショナル・ツアーで申し込むと、日本語ツアーでの相場は大体150€(約25500円)になります(それでいて、現地の城の入場料は基本的には個人持ち…)。日本語でのガイドが付いて、昼食も付いているツアーではありますが、この日掛かったお金というのは、合計100€(約17000円)くらいだったので、やはり個人で行きたいところですね。いま正に“旅”をしているという感覚になれますよ♪


 まだまだ続きます!
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テーマ:フランス - ジャンル:旅行



プロフィール

竹内

Author:竹内
1980年1月29日生まれのO型。
3歳からクラシックピアノを始め、
高校ではジャズに目覚め、大学では
バンドも経験する。現在は関東を
中心に、ライブハウスやホテルの
ラウンジ、レストラン等で演奏を
行っている。また、写真好きが興じて
簡単な写真撮影の仕事もしている。
…そんな29歳です。



次回のリーダーライブ

2010年2月7日(日)
外苑前 Z・imagine
Open…18:00~(予定)、
1st.…18:30~、2nd.…20:00~、
Charge…2700円(ドリンク別)
(Pf)竹内大輔
(B)池田暢夫
(Ds)佐々木俊之



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