fc2ブログ
竹内大輔の写真日記(~2009)
ピアニスト竹内大輔の、2009年までの日々を綴った日記です。
Generation Gap & The Linda カップリング・ツアー、西日本編(2007.7.28~8.5)
 自分がよくサポートとして参加させて頂いているバンド、Generation Gap(以下 GG)。そして、自分と同じ大学の出身者という事もあり、昔から馴染みがあった(1回手伝った事もありましたね…笑)バンド、The Linda。この双方が始めて行動を共にしてツアーを行ったのが一昨年の11月の事でした〔2005年を振り返る(11月)参照〕。この2つのバンドは、ドラマーがどちらも同じ立山秋航だったという事もあってか親交が深く、The Linda のバックで GG のメンバーが参加する等、お互いに協力し合う事もしばしばでした。
 そして今年2007年。双方のカップリング・ツアーはまた実現しました。前回は富山、旭川、仙台、水戸…と、主に東日本をターゲットとしたツアーになっていましたが、今回の地方は、広島、高松、倉吉(鳥取)、神戸、富山、静岡、札幌と、札幌を除けばその殆どが西日本地域と言われる場所でした。また、日程的には一気に回るわけではなく、なるべくライブは金曜日~日曜日に…と考えた結果、7月後半から9月後半まで、4回に分けて行動する事になりました(東京、横浜での公演は除く)。
 このように、前回のカップリング・ツアーとは異なる点が多く、その点ではスケジュール管理やお客様関係など、考えなければいけない事柄は沢山あったと想像できますが、それでも予定通りツアーは決行されました。そんな中でのツアーに自分はまた参加できるという事で、大変嬉しく思いましたが、逆に GG のベースである押越雪彦さんは、体調不良の為に欠席になってしまった事が悔やまれます。さぞ本人も参加したかった事でしょう。
 とにかく、期待と不安で一杯のツアーでしたが、まずはその第1回目となる広島~神戸までの“西日本編”を綴りたいと思います。東京を出発したのが7月28日の事なので、あれから何日も経ってしまいましたが、まだまだ鮮明に覚えているほど中身の濃いツアーだった…という事は確信しています(笑)。…というわけで、どうぞお楽しみ下さいませ。

   7月28日(1日目)
 ツアーの日程としては、7月29日の夜に広島でライブとの事でした。広島は東京から約900kmと、高速道路で突っ走っても10時間以上は掛かるという遠い場所で、これは前日に行かないと無理!…との判断がなされたのは当然の事でした。7月28当日、双方のメンバーは12:00頃に東京の某所に集合しましたが、GG のメンバーはその前の時間にリハーサルを行うという気合いの入れよう(他にリハーサルをする時間が無かったのです…自分は前日までイタリアに行ってましたし…笑)で、朝の眠さも吹き飛ばすかのように、その後はテンション高めに過ごしていきました。

   この作業がツアーの始まりを予感させてくれます   周囲の住民の方々は、さぞかし何だと思ったでしょうね(笑)

 GG と The Linda のメンバーが揃うと、ここでカップリング・ツアー名物?、“荷物入れ”というイベントが行われました。GG が7人、The Linda が5人、この中で秋航だけは双方に被っているので、計11人の人間が共に移動していくわけですが、その手段としては前回同様、2台の車のみです…。人間だけならまだしも、その人数分の荷物、そして楽器も入るわけですから、この作業を“イベント”と呼んでも何ら差し支えは無いような気がします。
 ただ、前回とは違い、メンバーは極力荷物を減らし(スーツケースは論外!)、荷物入れにも慣れてきた頭があったせいか、意外とすんなり車に収める事が出来ました。これがツアーを進めていくにつれ、さらに荷物入れは早くなるのだと思うと、ワクワクしてきてしまいます(笑)。ただ、この時点でメンバーはまだ10人だったのですが…(GG のアルトサックス奏者、宮里陽太君だけは、現地広島で合流する事になっていたのです)、とにかく、広島に向け車はスタートしていきました。

 東名高速に乗るまでは渋滞に悩まされたものの(高速に乗れたのは14:20頃でした)、いったん高速に乗ってしまえば、あとは順調そのものでした。車は立山車(8人乗車)と寺岡車(3人乗車)に分かれ、それぞれが単独で向かっている…という雰囲気があったものの(また立山車が速いんですわ…)、自分はThe Linda のギターリストである寺岡佑が運転する寺岡車に乗車しつつ、マイペースを維持させます。この車に乗っているのは自分、寺岡、The Linda のボーカリスト永井健と、これは立教大学時代の軽音楽部仲間でもあり、実際お互いに会うのも久々だった為、会話も尽きない感じでした。しかし、その頃の立山車はと言うと、朝リハーサルを行った GG が過半数を占めていたせいか、車内は殆ど熟睡モードだったとか…。面白いものです。…こうして車は順調に進み、静岡県に入ったところの足柄SAで、お互いに休憩をとりました。

   自分は足柄SA(静岡県)から養老SA(岐阜県)までを担当

 ここで寺岡車の運転は自分に代わりました。よく考えたら、この付近以西の道というのは、自分は今まで運転した事が無かったので、これを機会に何となく運転をしてみたい…という衝動に駆られたのです(笑)。もう1人の運転者、The Linda のキーボーディストでもあり、秋航の兄でもあり、自分の大学時代の先輩でもあり、このツアーの責任者でもある立山航洋さんと相談をし、じゃあ道中は自由に…という事でお互い車に戻り、進路を改めて西に進めていきました。
 運転…とは言っても、高速道路なので道は平坦ですし、取り立てて難しい技術は要求されません。…とは言えツアー道中のメンバーを預かるというのも、変にプレッシャーがあるものだと感じつつ、いつも運転している人は大変だとも思いました。その後、事は無く順調に進み、岐阜県の養老SAまでノン・ストップで走り抜きました。なかなか楽しい時間を過ごせました…。
 ここまで立山車とは1回も顔を合せなかったのですが、SAで休んでいると、立山車のメンバーもそこにいるではないですか!どうやら、向こうもノン・ストップでここまで辿り着いたそうです。お互い同じSAで休憩をとるとは、なかなか粋?な感じではありますが、自分はここで寺岡に再び運転を譲り、また一路広島へと走り始めました。もう辺りは暗くなってきて、ここからは夜間の運転となるので、より注意が必要な気もしました。

 自分は助手席に座っていたのですが、どうもこの辺りから睡魔が襲ってきて、寝たり起きたりの繰り返しとなってきてしまいます…。ある時は滋賀県、ある時は京都の南、そしてある時は大阪のどこか…みたいな感じで記憶が断片的な感じになるのですが、次の瞬間、いきなり自分は目が覚めました。

 「あれ、神戸方面で良いんでしたっけ?」

 …寺岡が何か言っています…。え?…と思って道路地図を見ると、本来山陽自動車道に乗りたかった自分達は今、その道路から分かれ海沿いを走り、神戸に向かおうとしています。ここは阪神高速という道で、名前通り大阪と神戸を結ぶ都市高速道路ではあるのですが、何故いつの間に…。
 立山車からも電話が掛かってきて、どうやらあちら側も同じ事態である事が判明しました(笑)。実は、東名から名神高速、そして山陽自動車道に入る為には、大阪に入る手前の吹田ジャンクションという所で、いったん北(東から来ているので右)に向かわなければならないのです。自分達は何の迷いもせず真っ直ぐ通り過ぎたようで、大阪も過ぎた西宮という所で気付いたのでした。
 …まあこの先、神戸から山の中に入って別の高速道路で北に向かえば、高速から降りずに山陽自動車道に入れるのですが、ちょっとした時間のロスになってしまいました…。しかしこの時の神戸の夜景は綺麗で、実際この1週間後に神戸には来る事が決まっていた為、ある意味良い寄り道にもなったような気がしました。何でも前向きな考えにするのが大切です(笑)。
 神戸から先の高速道路は複雑でしたが、無事山陽自動車道に戻り、この先の吉備SAで最後の休憩をとりました。もう岡山県に入っているという事で、段々と広島が近付いてくるのを予感させます。ここで自分はこの地方の名物?、津山ラーメンという物を注文してみたのですが、豚骨の割りには普通な感じで、それはインパクトの無い味となりました。どうりでここでの思い出が薄いわけです(笑)。

   吉備SAで安めの夕食をとります

 さて、それから約1時間半をかけて夜の高速道路を走り、24:20頃、ついに広島インターへと到着しました。東名高速に乗ってから、実に約10時間後の出来事でした。ここで自分達を待っていたのは、今日から広島でお世話になる大瀬戸嵩君です。彼は、Generation Gap のリーダーであるサックスの上杉雄一君の音大時代の後輩にあたり、彼自身もサックスを専攻していて、明日のライブにも一緒に出演する事になってるという事です。彼の家ではレストランを経営しており、その建物の2階を貸してくれるという事なので、その対応には敬服するばかりです。まずは上杉君と再会を分かち合い、「長旅で疲れたでしょう?」という事で、近くの天然温泉に皆で繰り出す事になりました。

   ワイワイ騒いで入ります

 前回のツアーでもお馴染みの企画となっていたのが“スーパー銭湯”です。疲れを癒す手段としてもそうですが、これから長いツアー、メンバー同士、裸の付き合い?をしていくのも大切な事です。皆待ってましたとばかりお風呂に入っていきますが、ライブ前日の束の間の休息…という感じもしましたね。
 そして、時間が遅くなってしまいましたが(深夜の2:00頃ですか…)、大瀬戸君の実家に到着、各自で個人の荷物を部屋に置いた後、レストランとなる部屋で皆で軽く前打ち上げを行っておきました(ここのフロアにはグランドピアノが置いてあったのですが、もちろんこんな時間に弾くわけにはいきません!)。夜遅くだったら、早く寝れば良いのに…とも思うかもしれませんが、団体行動になっている以上、こういった儀式は意外にも大事だったりするのです。…もちろん、時間的には短めに切り上げましたが、自分はその後の行程が気になって仕方ありません。上杉君や、これまた GG のサックス・プレイヤーである副田整歩君は、The Linda の曲のサックス・アレンジを進めるべく、パソコンを開いて作業時間に入っていましたが、自分は道路地図を引っ張り出し、今後の行程と思われる道順(予想ですけど…)を考えたり、追っていったりしていました。すると、GG のバリトン・サックス担当、高橋賢さんや、この度 The Linda の正式メンバーとして加わった、ベースの樫村智也君が目に入ったので、酒も入っていた自分は、ついつい“地図で見る鉄道路線の豆知識”的な話しを始めてしまいます(意外にも反応が良くて驚きました)。…夜はまだまだ長い感じになりましたね…(笑)。

   7月29日(2日目)
 この日はツアーライブの初日となる日です。だからこそ大切にやりたい1日でもあり、メンバーの士気も高まっていた感じでしたが、問題が発生してしまいました。今日のお店から、ライブ会場のPAは自分達でやってくれ…と言われてしまうのです。機材はお店のを用意して貰えるものの(当たり前な感じもしますが…)、どこかで話しがこじれたようです。とにかく、この状態では、ちゃんとした音楽環境を作るのは無理だと思いましたが、この時点で立山さんが早急にPAを用意、時間的にはタイトになってしまったものの、この辺りの対応の早さはさすがと思わずにはいられませんでした…。

   1階が楽器屋だった、広島 Music Life Tao   何だか学祭ライブ的な感じがしてきました(笑)

 PAは何とか用意できたものの、ここは基本的にジャズ系のお店なのか、モニター系統がバンド向きではないような配置をしてました。また、自分達の編成的にも、機材面でやや物足りなさを感じる部分も少なくはありませんでした。
 …という事で、始まったのが自分達の手による会場造りです(笑)。PAさんも出来るだけの機材は揃えてくれたようでしたが、協力して頂いたというのが何より有り難く感じました。お店の隅で眠っているスピーカーも、どうにか使えないか…みたいな話しも飛び出すほど、今回の会場造りには骨が折れましたが、この日は早めに行動していた事もあって(お店に12:00入りにしました)、何とかオープンには時間通りこぎつける事が出来ました。やはり早め早めの行動というのは大事なのだと、改めて思い知らされましたね。

 さて、GG の宮里君(以下宮ちゃん)も無事合流し、ライブは始まりました。会場は50人くらいが入るお店なのですが、ほぼ満席といって良いくらいの盛況でした。なかなかの出だしと言えそうです。
 この日は The Linda が先にライブを始めました。基本的に、その土地に所縁のあるバンドが後攻…という決まりにはしているようですが、広島の場合、つまりは大瀬戸君がここに住んでいるから…という理由で、彼が参加する GG が後攻になったわけで、あまり難しく考える必要は無いようです。
 つまりは、The Linda も GG も、ほぼ初めましての感じ(上杉君は過去に、別バンドで広島でライブを行った事があるそうですが…)で広島でライブを行うわけで、それにはかなりのチャレンジ精神が必要となったわけですが、お客さんの雰囲気は暖かく、それらに見守られながらのライブになっていたと思います。

   振り付けを教え込んでいます   大瀬戸君も数曲参加しました

 そういえばこのツアーでは、双方のバンドの新CDのプロモーションを兼ねているというのも、大事な目的の内の1つでした。GG もこのツアーで、この日を境に販売を開始しましたが、意外にもこの日の選曲は、それらCDの中の曲と、既存の曲が半々…といった感じでした。大瀬戸君には数曲参加して貰ったのですが、確かにここで新曲を吹いてもらうわけにはいかないし、GG の代表的な曲も聴かせたいという気持ちがあったので、こういった結果になったのだと思います。それでも、大瀬戸君のパワー溢れるサックスにはインパクトがあり、この日彼のファンが多く詰め掛けているのも納得出来たというものです。
 アンコールでは、カップリング・ツアーではお馴染みの、GG と The Linda の双方が参加する(自分はお休みですが…)曲をやって終了とさせて頂きました。これは The Linda 側の新曲なのですが、これまた耳に馴染みやすい感じの雰囲気があって、すぐに自分は曲に入っていく事が出来ました(自分はこの時に初めて聴いたのです)。ホーン・アレンジも面白い出来栄えで、複雑なフレーズではあるのですが、これも耳に残りやすい感じです。これからツアーをやっていく上で、この曲は何回も耳にするはずだと思いますが、それは全然苦にならないなと、この時確信しました。是非、ライブでの音を聴いて頂きたいと思います。

 なかなかの盛り上がりで、テンションも高くなっていた自分達でしたが、ここで夕食はやはり広島焼きだろうと誰が言い出したか分かりませんが、とにかくお店には自然と向かっていました。ここはやはり地元広島の大瀬戸君にお店選びを任せたいところですが、これが時間的に終了してしまっているお店が多くて、なかなかお目当ての店に行き着くことができません。
 …かと言って、じっくり探しているとさらに時間が…という中、ついに開いているお店を発見。12人です!…という言葉にはお店側も驚いていましたが、たんたんと鉄板の上で作られていた12枚の広島焼きは、それはそれは壮観な眺めでした。

   一度に12枚作る風景というのは…圧巻です   わざわざ厨房の中に入ってまで撮っています(笑)

 ここで自分を含む数名がビールを頼みましたが、どうもそのメンバーといったら、GG にかなり比重が傾いています(笑)。車を運転する立山さん、寺岡は仕方が無いのかもしれませんが、これは別の場所で実現する事を願いたいところです(…その後、この願いは簡単に叶えられます)。とにかく、お酒も入り、広島焼きも美味しく頂き、大満足の1日でした。そして、帰りには昨日寄った天然温泉にもう一度入るという気合いの入れよう。最後の広島の夜を楽しんでおりました。

   7月30日(3日目)
 今日で、2泊お世話になった広島を後にし、次の場所高松へと移動します。ここで泊まる場所を提供してくれた大瀬戸君には、いくらお礼を言っても足りないくらいですが、朝目覚めた自分は、そんな思いを胸にしながら部屋の荷物を片付け始めました。自分がいた部屋は6人で使わせて頂いていたのですが、昨日は疲れていたのか自分は一番起きるのが遅かったようです。…そんな時、下の階(寝室は2階にあったので)から、GG リーダーである上杉君が自分を呼びに来ました。

 「竹うっちゃん、ちょっと聞きたい事があるんだけど…」

 …何だろうと思い、下の階へ…。上杉君は「ここのさあ…」…とか言いながら、フロアに置いてあるピアノを指しています。…とはいっても、ピアノの上には何も無いし、、、?…と思いながら周りを見てみると、メンバーほぼ全員がテーブルに着き、モーニング・コーヒーでも啜りながらこちらを見ているではありませんか。

 「なんか弾いて♪」


 ……。


 謀られた!!

 もう自分はピアノの席に着いている以上、ここで引き下がる訳にはいきません。

 「竹うっちゃん、Misty Misty!!」

 …どこからか適当な発言も飛び出しましたが(笑)…流されやすい自分は弾かせて頂きました。うーん…個人的には良い目覚めになったと思っています。

 さて、メンバーがテーブル席に着いていたのは、実は他にも理由があって、なんと、ここのお店から食事を提供させて頂けるとの事だったのです。さすがレストラン!…と思ったのと同時に、お店のオープン前に自分達の為に時間を割いて頂いたというのは、お店に感謝というか、大瀬戸家に感謝でした。しかも、これがまた美味しい…。丁寧に御膳で出して頂きましたし、最高の時間が過ごせたと思います。

   皆、有難味をもって食事に臨んでいます   数少ない、ツアーメンバー全員揃っての写真です

 この時点ではまだお昼前で、まだ広島を出るには時間があったのですが、せっかくなので原爆ドームくらいは見ておこうという話しになりました。メンバー皆それぞれの車に乗り込み、ここは大瀬戸君の車を先頭に近くまで移動、男12人で原爆ドームを眺めるという、今までに考えられかった絵が実現しました。原爆ドームは自分は何回も来た事がありますが、いつも以上に奇妙な取り合わせだと思わずにはいられませんでしたね。

   このメンバーでこの場所に来るとは思いませんでした…

 さて、ここで大瀬戸君とはお別れで、一路高松に向け出発しました。ただ、The Linda の立山さん、寺岡、永井の3人は、この日の夕方、高松でラジオ番組に出演するという事で、寺岡車で高速道路を使って先に向かっていきました。残りのメンバーは下の道で、ゆっくりと高松まで行くという寸法です。
 しかし、残りと言ってもまだ8人はいるわけで、それが1台の車に詰め込まれた様というのは、なかなか筆舌に尽くし難いところがあるのですが(笑)、ただ高松に真っ直ぐ向かうだけでは飽きが来てしまう事は必死で、皆色々と楽しんで移動できるよう、考えながら移動していきました。

 まずは“食”の面で、尾道ラーメンを試してみました。これは、高松までの行程の途中にあるもので、丁度お腹が空いてきた辺りにそれらの地域を通るので、良いかなと思って寄ってみたのですが、、、

   もっと良い表情で食べて頂きたいところなのですが…   この時点では雨が降っていました

 味はもう“普通”としか言いようが無い感じでした(笑)。別に美味しくなくは無いのですが、尾道ラーメンというのは基本的に東京ラーメンと同じ“醤油ベース”でありまして、いつも食べているのと左程変わらない…というのが、メンバー共通した意見になってしまったのです。自分が推薦した場所だけに、些か責任を感じてしまいましたが、まあ旅の思い出の1つという事で、ご理解を頂きたいところでした。しかし、これを機に道路地図は上杉君の手に渡ってしまいます…。この先途中で寄る場所は、完全に上杉君の手に委ねられました。た…楽しみです。

 通常、本州から四国へは瀬尾大橋を通って行くのがポピュラーですが、それより面白そうなのが尾道から四国の今治へ抜ける、西瀬戸自動車道(瀬都内しまなみ街道と呼ばれています)です。これだとわりと安めに四国へ渡れる上に、瀬戸内海の大小様々な島を渡っていくという、何だか冒険心をそそられるルートでもあるので、一応、最初からこのルートで高松に行くというのは決定していました。しかし、まさかその島のうちの1つに降りる事になろうとは、出発時点では自分は予想していませんでした。
 それは、上杉君の「これらの島のうち、一番大きそうなこの島で降りようよ」…という何気無い一言から始まったものだったのですが、何故か断る人はいませんでした。何気に皆ワクワクした心境だったのでしょうか。

   西瀬戸自動車道で、瀬戸内海を渡ります   自然たっぷりの島でした

 どうやらここは“大三島”という島らしいのですが、広さ的に大きいだけで、辺りは日本の田舎と呼ぶに相応しい光景が展開されていました。そこを車でズンズン進んでいき、ある所では車から降りて周囲を散策するなど、正に自分達は“夏”を満喫している気分になりました。冷房の効いた車の中ではそう感じないのですが、暑く日差しの強い車外に出ると、一気に身体が夏モードになっていくのが分かります。それでも周囲は人がいるのかと思うくらい静かで、一気に車で通過しただけでは分からない魅力がそこにはあったような気がしました。
 のんびりと島散策をしていた自分達ですが、ここで上杉君が『じゃんけん負け(以下じゃん負け)おんぶ』対決を提案します。自分達が車から降りたポイントは少し山がちな場所で、歩いていた道の先には、これでもか!というくらい急な登り坂が迫っています。
 ここにいるメンバーは8人…。じゃんけんで負けた4人が、勝った4人をそれぞれ1人ずつおんぶし、出来上がった4組で坂をダッシュして駆け上がる(笑)…という競走をしようというものです。よく考えつくなと思ったものですが、自分は見事そのじゃんけんで負けてしまいました。つまり、おんぶされる側です。幸いなのは、負けた4人の中で再度じゃんけんをした時、自分は一番に勝ったという事です。これは、おんぶする人を優先的に決められるという特権が与えられるものです(心から喜ぶ事ではありませんが)。…という事で、出来上がった4組は次の通りでした。左側が負けた人です。

 ・竹内・智也チーム
 ・秋航・賢チーム
 ・上杉・池田チーム
 ・宮ちゃん・副田チーム

 …自分は智也君を選んだのは当然の結果である事が分かります。宮ちゃんは力がありそうなものの、ちょっと人選的に不利か…。などと考えながら、位置についてヨーイドン!


 ……。


 ……。


 …自分、こんなに疲れたのは初めてでした。

 それでも、見事1位を獲得したのは自分だったのです。スタート後、一切後ろを振り返らないまま自分は走り抜きましたが、途中で上杉君と宮ちゃんの声が聞こえなくなるのが分かりました。また、ゴール後、自分の体力の限界点を見たと述べた秋航の表情も印象的でした…。一体自分達は何をやっているのでしょう…。

   じゃん負けおんぶ対決前のひとコマ…この後大変な結果に…   シルエットで誰だか分かりますね…(笑)

 疲れを癒すべく、今度はこの島の海辺へと向かいました。上杉君は、すぐ近くだよ的な感覚でナビをしていきますが、これがなかなか辿り着かない事といったらありません…。結局、降りれそうな海岸が見つかったのは、島を半周してきた辺りでした。ここでのひとコマも楽しかったのですが、やはり先程のダッシュが効いています。…というか、おんぶする側とされる側のテンションに違いがあり過ぎます…。こんな感じで島をひと回りし、再度西瀬戸自動車道に乗り、四国へ…いや、高松へと向かいました。この時、既に時刻は18:00を回っていました(このころ、ラジオ出演を終えた立山さんから「今どの辺?」という電話が掛かってきたのですが、まだ四国に入っていないと正直に言うべきか、本気で悩んだものです)。

 四国に無事入りましたが、まだまだ高松までは遠い道のりです。ラジオ出演組みの今日の予定は済んでしまったようで、早めに合流したかったところですが、今度は道の途中でバッティング・センターを発見してしまい、これも上杉君の「やっちゃう?」の一言で寄ってしまう事になりました。今思えば、上杉君は“おんぶされる側”だったわけですが、何故ここまで元気なのか…見習いたい所が一杯です。

   意外と賢さんが真剣でした   汗を流すお父さん(笑)

 バッティング・センターで楽しんだ後の高松までの道のりは長く、結局合流できたのは夜の22:00頃でした。しかし、このまま眠ってしまうわけにはいきません。メンバー全員…というわけにはいきませんでしたが、夜の高松へ飲みに繰り出していきました(ここで秋航は脱落…変わりに寺岡が参加してくれました)。
 時間が遅いという事もあり、お店を探すのに苦労しましたが(10人近い数でしたしね…)、それでもなんとか串焼きと鍋の店を発見。高松のライブの前夜祭?という事で、楽しく飲み会を過ごせました。串焼きに至っては、またゲームで優先的に品物が選べるルールにする等、とにかく場が盛り上がるように話しを進めていきましたが、さらにメンバーは「カラオケ行っちゃう?」の一言(もちろん上杉君のです)で、深夜24:00になったにも関わらず、その先のイベントに繰り出してしまいます。

   このゲームで串焼きをゲットしていきました   カラオケに移動後、さすがに寺岡はラジオ&運転でお疲れか…

 この居酒屋~カラオケへの移動中にも、『突然じゃん負けおんぶ』対決が始まり、先程、ひと気の無い島の山の中でやったイベントを街中でやるという(ゴールはあの信号まで!…みたいな)、どう考えても常識的とは言えない行為で盛り上がってしまい、体力が本当に限界に来てしまいます(自分はまたじゃんけんで負けましたが…勝負には勝ちました)。本当に我々は何をやっているのでしょう(笑)。

 …しかし、このカラオケがまた盛り上がってしまいます。ここでは年度別メドレーを流し、1人1人曲が変わる毎に歌い、歌えなかった人は負け…というゲームをしたのですが、これを提案したのも実は上杉君でありまして…。とことん凄いなと思いましたね。
 そんな時、寺岡の携帯が鳴りました。着信を見ると、どうやらこのツアーの保護者的役割でもある立山さんからのようです。まさか…怒られるのか(この時既に時計は1:30)。ここで上杉君、「俺に任せろ」的な感じで、すぐさま電話に代わりました。

  上杉「…もしもし」

 立山兄「今どこにいんの?」(一同想像)

  上杉「まだ皆で飲んでいます」

 立山兄「どの店?」(一同想像)

  上杉「…え~~っと…(この間1秒くらいですが、皆には1分くらいに感じました)
      シダックスというお店で飲んでいます」


  一同「ギャフン!!!」


 …てな感じで、別に怒られるというか、その後立山さんはシダックスまで出向いて、メドレー内だけ何曲か歌っていったという…なかなか刺激的な夜だったのは確かでした。まあ…こんな日もたまには良いですよね!

   カラオケの最後はデュエット・タイムでした   もう何が何だかよく分からない状態です(笑)


   7月31日(4日目)
 この日は高松初めての朝だったわけですが、昨日のラジオ収録組みの3人、特に立山さんからは、讃岐うどんの店を強く勧められます。それもそのはず、立山さんはここ香川県出身という事で(つまりは秋航も…)、うどんはむしろ食べなければいけない…くらいのスタンスになるのも無理はないのです。
 実際、自分達もそのイベント?は楽しみにしていましたから、ここは有名なお店に行っておきたいものです。そこで立山さんに聞くと、“さか枝”という店があるとのこと。本人が小さい頃によく行っていたらしく、あそこは美味いと何度も話されました。
 ただ、泊まった場所(高松では、立山家の所有するアパートとの部屋を借りての宿泊となっていました)からは遠いのが難点でした。ここは、立山さんの運転でお店まで連れて行って貰える…という事で解決しましたが、このまま出来れば、GG のサックス隊でストリート・ライブを行いたい…みたいな意思が上杉君にはあったようなので、サックス隊は楽器持参でのうどん屋行きとなってしまっていました。
 ところで、当の立山さんも久しぶりの場所だったのか、道はおぼろげにしか覚えておらず、色々と回り道をしてしまう事になります。仕舞いには秋航が、「ここ、俺が生まれた病院」…と、独自の観光案内も始めるくらいで、まあそれは面白かったのですが、とりあえずお店には無事着く事ができました。
 ここで立山さんは、乗ってきた車で泊まっている場所に戻り(実家に帰ったのかもしれませんが)、後は GG での行動となります。サックスを抱えてのうどん屋というのは、周りからの視線も珍しい感じでしたが、逆に自分は、こういった“セルフ式”のうどん屋は初めてで、それこそ躊躇してしまっている感じがありました。
 しかし、お店の人に聞いてみると、そこは優しく教えて下さいました。上杉君の例を見てみましょう。

 店員「まずは、うどんの量ね。大、中、小があるけど何にする?…大?」

 上杉「…じゃあ…大で」

 店員「あと、トッピングが1つ80円であるけど…。2つくらい?」

 上杉「え?…はい、じゃあ2つで…」

 …見事に誘導された感がありましたが(笑)、それでも合計400円弱にしかなりません。ホントに小のうどんだけだったら200円以下で済んでしまうのです。それでいて味は絶品で、あとはネギとか揚玉とかを自由に載せ(もちろん無料)、ダシも自分で入れたりして、自分好みの味を作るのです。ここが地元の秋航は、揚玉を大量に入れ、醤油を加えて食べるのが良いのだとか…。成る程、それぞれの個性が出る食べ物でもあるのですね。

   地元の人も推薦していた“さか枝”   うまく地元の中に解け込めているかどうか…

 うどんにはかなり自分達は満足し、さあストリートでもやるか!…という気は満々だったのですが、まあ周囲に人がいない事いない事…。この日は晴れてて気温も高かった為、確かに外に出たくない感じではありましたが、駅の方に行けばそれなりにいるだろうと期待を持ちつつ、20~30分をかけ、歩いて駅の方に向かっていくことになります。サックス、特にバリトンを持っての移動は大変だと思いましたが、それでも皆、足を止める事はありませんでした(イメージ)。
 …と、思ったのも束の間、駅に着くなり「休憩!」ということで、近くのカフェでお茶をし始めます。そして出た言葉が「人、いないねぇ…」…だったわけで…(笑)。ついに、今後の予定は“サックス隊の練習”に変更されてしまいました。まあ、元々自分や秋航は見てる他無かったわけですが、ここでついに自由行動ということで、サックス隊のメンバーとは別れる事になります。
 とにかく、この時点で自分と秋航はネットがやりたかったので、ついにその時がやってきた事になります。秋航に街を案内されつつ、高松の中心の方に歩いていきました。
 しかし、これがまたネットカフェは見つかりません。高松には長いアーケード街が幾つもあったのですが、探せど探せど目的のものは現れなりのです。仕舞いには楽器屋で時間を潰す羽目にもなってしまい、当初の目的を忘れそうになっていましたが、ついに秋航が探し当てます。
 …と、そこはよく見たら、昨日来たシダックスの隣にあった店で(昨日は気付きませんでしたが…)、時間的にももう寄る時間も無くなっていたので、何とも虚しくなったのを覚えています。さらに、いつの間にこんなに歩いてきたのか…と思いましたが、それならこのまま泊まっている場所まで歩くか(サックス隊の方は、ある程度の時間になったら車で迎えに来て貰うように頼んでいました)…ということで、また炎天下の中歩いていきました。結局2時間くらいは歩きっ放しだったような気もしますが、高松という街の雰囲気も掴めたような気がして、自分的には良かったです(笑)。

 自分達が帰って30分ぐらいして、他のメンバーも帰ってきて合流。少ししてから、今日のライブハウスである、Speak Low という店に歩いて向かいました(もちろん、楽器は車で運んでいます)。泊まった場所からあまりにも近かったので驚きましたが、結構立派なお店だったのも印象的でした。

   なかなか立派な佇まいの“Speak Low”

 ここはジャズのお店という雰囲気が強く、グランドピアノが置いてある事がそれを証明していましたが(そういえば広島でも置いてましたね)、自分達はそれを使わず、楽器をセッティングしていきました。何気にグランドピアノがステージを占領している感も強いのですが、そこは仕方ありません。アンプや楽器の置く場所を工夫し、ステージを組み立てていきます。
 おそらく、GG より The Linda の方が、今日のステージはどうしようかと思っていたに違いありません。どう見てもバンドの持つ雰囲気とは違うものがそこにはありましたし、かと言って自分達の音楽性を変えるわけにもいきません。しかし、地元香川の立山兄弟がバンドメンバーなわけですから、The Linda は順番的に後に持ってきました。こういった対応も大事なのだとは思います。

   賢さんはもっと尖っていた方が良い…という上杉君の案です

 さて、リハーサルも終わり、あとは本番を待つのみとなります。今回は GG が先になったので、微妙に慌しくなってきた感じがありましたが、基本的にマイペースなメンバーが多い?ので、とにかく楽しむ事を考えながら、本番の時間を迎えました。
 そんな考えもあったせいか、この日のライブは上々でした。変に緊張している感じもありませんでしたし、リラックスしつつ演奏が出来たと思います。このお店の雰囲気に合わせ、久しぶりに GG の中でもジャズっぽい曲である“Chicamer's Cafe 1963”も演奏しまして(こちらは久しぶり過ぎて少々ぎこちなかったですが…笑)、このツアーの中でも特徴的なライブの日になったと思います。確かに、ツアーだからこそ、それぞれの地域で特徴のある演奏が出来たら面白いと思いますものね。また、今回サポートで加わってくれたベースの池田大地君も、この日のライブでは長めのソロを披露してくれました。ソロを回させた…というのは、それだけバンドからの信用が出てきたから…という事で、池田君という人間が、さらにバンドに近付いてきた日にもなっていたのだと思います。
 The Linda の方も健闘していました。どんな場所だろうが、一緒になって盛り上がらせてくれるのが“Linda 流”(シャレではないです…)。後ろで見ていた GG メンバーも一緒になって場を盛り上げ、ここでカップリング・ツアーというものの強みを見た気もしました(逆に言えば、そこは弱みでもありますが…)。お互い特徴的なライブになったのは確かで、結果、自分の印象にも強く残っていたのだと思います。

   ここでは4ビートの曲も演奏しました   The Linda ライブ中、GG も一緒になって盛り上がります!

 このライブ後、そのまま宿では宴会が行われました(まあ、ほぼ毎日の事なのですが…笑)。高松では、部屋を提供してくれたという有り難い状況ではあったものの、クーラーが無いというのが最大のネックでありまして、皆暑さ対策には苦労しましたが(特に、朝の日差しがモロに入ってくるのです)、夜は、窓を開ければある程度の風が通っていたので、それなりに快適な状態ではありました。
 そんな中、発泡酒と焼酎と安いお菓子で凌ぐ宴会…いやいや、最高じゃないですか♪皆で夜遅いのに1つの部屋に集まって(実際、借りてた部屋は3つです)、色々な事を語る時間。バンドのツアーって、本来こういう場が大事なのではないかと強く思います。バンドと言っても、要は人の集団なのですから、お互いの人間性を知らないとやっていけません。普通のライブハウスでも人格は窺えますが、やはりこういう所の方が人間性は見出しやすいものです。
 もちろん、それで付き合いにくい人が出てくるのは仕方の無い事なのですが、それにしてはこのメンバーはよく出来ていると思います。それは一緒にツアーをしようという話しが出てくるのも当然ですね。2年前のツアーでも思いましたが、今回はさらに強く、同じ事を思ったものです。

   正に男共の宴会(笑)   どこまでもタフな人達です(笑)

 しかも宴会中、もう夜中の3:00を過ぎたというのに、誰かが「うどん行っちゃう?」…なんて言うから、行っちゃったじゃないですか(笑)。そんな勢いも自分は好きです。

   8月1日(5日目)
 この日は GG と The Linda 共に、保養所でのボランティア演奏があったのですが、GG はホーン隊だけでの出演という事だったので、故に自分とベースの池田大地君だけは取り残されてしまう形になりました。それなら…と、自分は鉄道に乗る計画を企ててしまいます(笑)。ここ高松はJR、私鉄共に、自分がまだ乗った事の無い路線が沢山走っているので、この機会を逃がす手は無い!と、色々調べてみたのでした。
 特に気になったのが、“琴電(ことでん)”と地元では呼び親しまれている高松琴平電鉄です。これは高松を中心に路線を展開している鉄道なのですが、泊まっている場所からも近く、一昨日、昨日と、何度も踏切で見かけた鉄道でもありました。それとJRを組み合わせての鉄道の旅が、今始まろうとしています(池田君は池田君で、自由行動をしてたみたいです)。

 ここからはあまり詳しく言っても仕方ないので、軽めに紹介しておきましょう。泊まった場所の最寄り駅は、琴電の瓦町という駅で、ここは琴電の主要駅ともなっている場所のようでした。実は琴電は、地方私鉄ながら琴平線、長尾線、志度線と、3つの路線を持っていて、それがここ瓦町駅に集まってきているのです。地方私鉄にしては立派な駅で、デパートが併設されているようでした。ここでまずは志度線に、終点の志度駅まで向かいます。

   志度線の終点、志度駅にて   左奥はJR高徳線の志度駅です

 車両は2両編成で、まあ地方私鉄としてはよく見る編成です。それでも20分毎に列車は運行しており、本数的にはまずまずと言ったところでしょうか。車両もクーラーが効いていて、なんだかホッとしてしまいます。琴電は昔、旧型車両の宝庫とも言われてましたが、現在は元名古屋市営地下鉄、元京浜急行電鉄、元京王電鉄の車両が主に使われていて(志度線で乗った車両は元名古屋市営地下鉄のものです)、近代化に貢献していました。そんな琴電ですが、自分は琴電の1日券を購入しました。これなら思う存分、地方私鉄の雰囲気を楽しめるというものです。
 終点の琴電志度駅は、JR高徳線の志度駅にかなり近い場所にあります。ここで歩いてJRの駅の方に向かい、JR高徳線で今度は高松駅へと向かいました。特急も走ってはいるのですが、ここはローカル線でゆっくりと行きたいところです。車両は1両のワンマンカー。特急を除けば、JRの方が本数は少ない感じでした(こちらは1時間に1、2本ぐらいです)。

   この辺りのJRは、日中は1両~2両が殆ど…志度駅にて   さすがに四国の玄関となる高松駅は大きいです

 JR高徳線は、特急が走るだけに線路の規格は高そうでしたが、自分の乗った鈍行列車はゆっくりと走ります。これこそローカルという感じでしたが、程なくして列車は高松駅に到着しました。前の日も来ましたが、やはり四国の玄関駅だけあって、立派だなと改めて思ったものです。

   外観も立派なJR高松駅   こちらは琴電の高松築港駅…JR高松駅からは徒歩5分

 ここからはまた少し歩いて、琴電の高松築港駅に向かいました。こちらは正に私鉄という感じの駅なのですが、それなりに乗降客は多いみたいです。この駅は琴電の琴平線と長尾線が両方乗り入れていて(瓦町~高松築港間で同じ線路を走っています)、前者が15分毎、後者が20分毎なので、つまるところ1時間に7本の運転となっている区間でもあるわけです。高松市の中心は確かに瓦町付近なので、人の行き来もそれなりにあるのでしょう(昨日は歩きましたが…笑)。地元の足に使われている琴電が、何だか頼もしく思えた瞬間でした。

   琴平線の電車が停車中…高松築港駅にて   長尾線の終点長尾駅にて

 ここから琴電長尾線で終点の長尾駅まで行き、折り返して瓦町駅に戻ってきて、今回の鉄道の旅は終了となりました。まだ琴平線が残っていますが、この線は他に比べて長く、タイムリミットまでに消化できる余裕はありませんでした(この後、自分はネットカフェに行きますので…)。ただ、琴平線の終点琴平駅は、JRとの接続駅でもあるので比較的乗りやすい路線です。またいつか来た時に挑戦したいと思います。

 …という事で、結局軽い内容ではありませんでしたが(笑)、琴電で発見したのが2つありました…。まず、琴電は3路線あると書きましたが、それぞれ路線別に車両が色分けがなされているみたいです。志度線は赤、長尾線は緑、そして琴平線は黄色…という具合にです。なかなか楽しいですが、これは広告用のカラーでもそのルールは守られていて、例えば“お~いお茶”の伊藤園カラー車は、長尾線用となっていました。これは親しみが湧くというものですね。

   奥は琴平線である事がすぐ分かります   かなりナイスなネーミングです

 もう1つは、ICカードについてです。東京でも、JR東日本の Suica や、関東の私鉄の Pasmo 等、ICカードはごく当たり前になりましたが、ここで勢力を上げているのが Iruca(イルカ)です。一瞬ネーミングには目(…と耳)を疑いましたが、間違い無くイルカと読みます。実際、マスコット・キャラクターがイルカですし…(笑)。関西の Icoca(イコカ)にも最初は驚きましたが、こちらもなかなかやってくれますね。琴電バスや、路線周辺にある自動販売機、瓦町デパート内の買い物にも使えるみたいで、利用者も増えているみたいです。また、瓦町駅の改札は自動改札になってはいたのですが、これは Iruca 専用の改札になっていて、切符は入らないようでした。かなり個性的とも言えるICカードでしたが、また自分は良い勉強をさせて頂いたような気がしました(笑)。

 さて、さらに自分はネットカフェにも行く事もでき、かなり個人的な時間を過ごさせて頂きましたが、この後は皆と合流し、ある所へと移動しました。それは、香川県の端に位置するレオマの森というホテルで(高松市内から車で1時間弱です)、その周辺一帯を“レオマワールド”と呼ぶ、レジャー施設のような場所だったのですが、何とも不思議な雰囲気だったのを覚えています。昨日、ここのホテルの方で、高松のライブを観に来て頂いた方がいて、当ホテルで演奏が出来ないかという話しを持ちかけ、この日食事に招待されたのでした。あまり説明が無いまま食事の席に着いてしまい、何か変な感じはしましたが、また来れる事を祈って、食事後ホテルを後にしました。

   雰囲気は…不思議な感じ?   奥には遊園地も控えてました

 さて、ここから高松市内までは、立山さんの運転する車で向かったのですが、上杉君と立山さんが前の方で何か話しています。そのキーワードとして“ボウリング”という言葉が挙がっていました。
 どうやら、ボウリングに対してかなりやる気を出しているようで、もう場所も探索済みだとか…。しかし、出来れば対戦形式でやりたいらしく、それには11人という人数はどうも中途半端です。そこで出された案というのが…、

  上杉「兄さん、ちょっとお父さん誘ってみてよ」

 立山兄「お?……いいよ」

 …という事で、なんと立山家の父が参戦する事になってしまいました(笑)。そんな、確かに昨日のライブには来て頂いたものの、せっかくの実家で落ち着きたいのでは…。…と思ったものですが、実際ボウリング場に着くと、既にもう立山父の姿が、、、そして、シャツの下にはなんと短パン!


 この人、めちゃめちゃやる気だ!!


 誰もが思った事でしょう(笑)。

 さて、自分のボウリングのスコアを自己申告し、なるべく公平にチーム分けを行い、出来たチームが以下の通りです。全部で4チームに分け、ここで、『負けたら勝ったチームに全額支払いボウリング対決』が始まったのです。ついでに、チーム名は上杉君のブログ〔Yuichi's Nikky(8月1日分)〕を参照させて頂きました。

   宮ちゃん、「いいの?俺、やっちゃうよ?」…風の顔らしいです   皆ポーズに個性があります

        A≪チーム目立ちたがり屋≫               B≪チームメロディーメイカー≫

   今思えばお世話になりっ放しでした…(笑)   リズムはお互いの信頼感が大事です!

        C≪チームいい人が顔に出てる≫            D≪チームリズム隊≫

 なかなか個性的なチームになりましたね。そして勝敗は…。


 ……。


 ……。


 自分のいたCが惨敗を帰しました(泣)。かなり自分のせいです。皆さんすいませんでした!

   お互い火花を散らし戦いでした

 この後、GG 対 The Linda という前代未聞?の対決も行ったのですが、こちらのルールは複雑です。チーム内で1人1投ずつ投げていくわけですが、その投げる人は、相手チームが決めるというものです(指名された人は、次に全員が一回りするまで投げる事ができません)。ストライクを出しやすい人、残りのピンを狙いにいける人等、状況によってその指名を考えるのは相当頭を使い、本当に頭脳と体力の勝負だったと思います。結果と言えば The Linda が3ピン差で勝ったのですが、ここまで白熱したゲームも珍しかったですね(笑)。この日が高松の最後の夜でしたが、本当に最高の夜だったと思います。

   8月2日(6日目)
 この日は3泊した高松を離れ、次なるライブ場所鳥取(細かくは倉吉)へと移動する日となっていました。ライブの日は次の日の3日だったため、とりあえずは夜までに鳥取に着けば良いとのこと…。ということは、前と同じように、また色々と寄り道が出来るという事でもあります。
 しかし天気予報によると、どうやら台風が近付いているとの情報があるようです。ここは四国ですから、本州に入る為には必ず何らかの“橋”を渡らなくてはなりません。ここは寄り道はするものの、まずは本州に早めに入っておく事が必然のような気もしました。
 そうは言っても、まずは腹ごしらえをしなければ話しになりません。結局この日はゆっくりとした足取りになっていたのですが、昼11:00頃に向かったお店はやはりうどん屋でした(笑)。しかし、ここも例外ではなく美味しくて、良い高松の締めになったと思っています。

   開店前からお店にはスタンバッていました   この日の高松は雨でした

 さて、実はこの日も立山兄、寺岡、永井の3人はラジオの収録という事で(今度は愛媛の松山にてでした)、朝から別行動となっていました。向こうはラジオ収録後、高速道路で真っ直ぐに鳥取に向かうのでしょうが、こちらは半日掛けて行けば良いのですから、気は楽なものです。まあ、変に回り道をしてしまって、こんな風景になってしまいましたけど…(笑)。

   何故こんな道を通っているのやら…

 しかし、遠くにはこれから渡るであろう瀬戸大橋が見えるわけで、あながち悪い道でもなかったような気もしました。…ところで、自分達残り8人が乗っている車は当然立山車なわけですが、その運転手でもある秋航が突然、腹が減ったと嘆いています。そう、彼は自分達が今朝うどん屋に行っている時に、お世話になった宿泊所の片付けも兼ねて実家に行ってしまっていたのです。これではお腹が空くのも無理はありません。そして向かった先はまたうどん屋(笑)。自分達的には約2時間のインターバルで臨んだうどん屋となってしまいました(…ここも美味しかったから良かったのですが…)。

   瀬戸大橋に入る直前に見つけたお店でした   甘みが感じられる美味しさでした

 さて、全員の腹が満足したところで、いよいよ瀬戸大橋を渡って本州に入る事になりました。朝から降り続いていた雨は止んできたものの、今度は風が出てくるようになりました。そして瀬戸大橋の入り口に掲げられていた案内表示を見てみると、『強風のため速度50km規制』…と表示されていました。ついでに言うと、2輪車の走行も規制されており、状況によっては通行止めも有りえた…というのがヒシヒシと伝ってきました。

   写真だと風は伝わりにくいですね…

 ここで感動の本州入りですが、後ろを振り向くと(自分は助手席に座っていたので…)、何と全員が眠ってるではありませんか。せっかくの瞬間なのに勿体無い…。やはり、うどんの2食連続は、睡眠をも回避できない状況にさせてしまうのでしょうか…。高松…恐るべしでした(それだけ満足出来たって事ですよ!)。

 さて本州に入ると、すぐさま車は高速道路から降りました。せっかく時間があるのなら、余計な出費が掛からない下の道で向かうのが良いというものです。岡山を抜け中国地方の内陸部へ…。自分は道路地図と睨めっこしながらも、車はひたすら北へと導いていきました。
 本州に入って、岡山と鳥取の真ん中ぐらいに津山という街があるのですが、この時点まで来ても、まだまだ時間は余る程あったため、いよいよ寄り道の選択が自分達の脳裏に浮かんできました(さすがにこの辺りでは皆、眠りから覚め始めていました)。そこで寄ったのがここです。

   別に右の建物に行っていた訳では…(笑)   奥の湖が、なんとも怪しい雰囲気を誘います

 自ら“廃墟マニア”と語る立山秋航氏が自ら選んだスポットです。今まで順調に運転していた秋航が、いきなり「おおっ!」と叫んで車を停めただけあります。もはや元が何の建物だったかは分かるはずもありませんが、その脇には静かに湖が控えているというのも、不思議な雰囲気を漂わせてくれる場所でした。
 ここでは立山秋航の〔どらむすこ日記(さいこうのたび その3。)〕を参照して頂くのが良いと思います。自分は多くを語りません。ただ、

   池田君は何を見ているのか…

 !? …こういう感じは事実でしたし、、、


   上杉君も何を見ているのか…

 !? …こういう感じも事実だったのです。…非常に面白い体験でした。


 不思議な気分のまま、車はさらに北へと向かいました。もうあと山脈を1つ越えるだけで目的地には着けるのですが、まだ冒険は足りないといった雰囲気が車を支配している感じはありました。ナビは基本的に道路地図を見ていた自分がしていたのですが、ここで「なるべく細い道を使って山を越えよう」作戦が決行されます。この道路地図では、国道は赤、県道は緑の道で表示されているのですが、ここではそのどれにも属さない、いわゆる“白色”の道を選んで通ろうというものでした。しかし、山間部での白道というのは相当なローカルの道で、その選定には頭を悩ませました。

   車の方向転換作業中です

 おかげでこんな所に迷い込んでしまう始末です…。それでもまだまだ“探索”は諦めない感じでした。本来なら長いトンネルで山を抜けるところを、自分達は文字通り山を“超え”て鳥取県に入りました。そんな中、やはり途中には幾つかの奇妙スポットがあったのですが、ここでの紹介は控えておきましょう…。その方が、何となく良い気がするのです。

   移動も佳境に近付いてきました…   まだこの若者達の探究心は治まりません

 ギリギリこんな感じです(紹介してるじゃないですか…)。

 そして、無事鳥取は倉吉市に到着しました。決して大きな街ではないものの、街灯りがやたら眩しく感じてしまいます。ここで鳥取出身のサックス奏者、藤田淳ノ介君と合流します。ここ鳥取では彼の実家に3泊程お世話になると同時に、次の日のライブにも一緒に出演する事になっています。メンバーとの交流が深い感じでしたが、それもそのはず、彼は元 GG のメンバーでもあったのです。成る程と思いましたが、早速彼の家に行き、ここでやっと一息着けた感じでもありました。

   遊ぶ時は遊ぶ、やる時はやるのが GG 流?

 しかし、ここで GG ホーン隊が取った行動はというと、多少の飲み物は購入してきたものの、藤田君を加えてのホーン練習が部屋にて始められました。移動で疲れているのにも関わらずこの集中力…。これぞ GG の魅力なのかもしれない…と自分はこの時思ったものでした。

   8月3日(7日目)
 朝起きると、外では風が強いのか、それこそビュンビュンと音を立てては雨の音も聞こえてくる感じでした。昨日の夜遅く、松山のラジオ組も到着しましたが、その時はまだそこまで強くなかったと言っていたので、この今の時間が台風のピークかとも思われました。しかし、この日は昼過ぎに出れば良かったので、藤田君の家で待機しているだけで難を逃れられました。お店に向かう時間には風は収まっていたのです。
 しかし、依然として雨は降り続いている感じでした。藤田君の家からお店までは、国道9号線でほぼ一直線という感じだったのですが、これがまた周りに何も無いような所を通るので、強い雨で視界が遮られるのと相俟って、この世の果ての様な(地元の方々すいません)雰囲気を醸し出していました。着いた所は東伯(とうはく)という町にあるJAの敷地内で、そこにあるレストラン・オレンジというお店が今日の演奏場所となっていました。

   道を走っていると、忽然と姿を現した感がありました

 ここはライブハウスではなく、もう完全にレストランでした。そのため、自分達で音響等の機材を投入しなければステージは造れないのですが、これは既に先手は打ってあって、PA・照明系等、全て業者の方に委託されていました。藤田君に限っては前にもここでやった事があったそうで、その情報が功を奏したと言えるでしょう。
 もちろん、機材搬入に並行して、自分達も楽器搬入を行ったわけですが、ここにきて、2日前に行ったボウリング大会の疲れが皆の身体を襲ってきました。腕の筋や足の節々がズキズキいっています。重い機材運びに流石にこれは堪えましたが、なんとかリハーサルの時間までには間に合わす事が出来ました。この後、お互いのリハーサル中には、皆真剣にマッサージに取り組んだものです(笑)。

   副田君は、バイト先にてマッサージ技術を磨いたそうです   賢さん…効いています(笑)

 この日の先攻は The Linda、後攻は GG でした。やはり、藤田君の参加する自分達の方が、ここ鳥取では盛り上がると踏んだものと思われます。ただ、それだけでは勿体無いので、藤田君は The Linda の楽曲にも参加していきました。これは、広島での大瀬戸君(もう既に懐かしい感じですが…)と同じ施行ですが、また音に個性が出ていて、また違う魅力を感じさせる曲になっていたと思います。藤田君のサックスは、今でもクラシックをやっているせいか音色が本当に綺麗で、このインパクトは後の GG のステージにも影響を与えていたと思います。

   わざわざポーズ?を取ってくれた藤田君

 GG のステージでは、藤田君は途中の曲から後半ずっと出ずっぱりでした。GG を代表する曲、“I Wish”で呼び込み(呼び込みの時、あまりにメンバーが浮かれていたのか、上杉君の合図に他のホーン・メンバーが気付かないという事件?が発生してしまいましたが…笑)、その後はフロントを藤田君だけにし、藤田君のオリジナル曲を披露します。そして、再度 GG のホーン・メンバーを加え、最後にはあの有名な“Spain”をやりました。これは複数の管用にアレンジされていたのですが、後半には怒涛のソリがあります。実は昨日特に練習していたのは正にその部分で、確かに本番ではそれが生かされていたような気がしました。かなり盛り沢山になっていたライブだったと思います。

   広島と同じく、この日は The Linda のステージが先でした   写真では見えませんが、藤田君も参加しています

 ただ、音響的な事を言えば、変に響きすぎているのが難でした…。やはり建物自体、元々ライブをする用には造られてない構造なので、その辺りの処理には大変な作業が必要だったのでしょう…。むしろ、この状況でライブをスムーズ(…でもない場面もありましたが…)に運べたのは凄かったのかもしれません。皆さんお疲れ様でしたと言いたいです。

 さて、ライブ後自分達はお店から食事を頂いたのですが、ここで“じゃん負け誰が車を運転するか”対決が開かれてしまいます(笑)。この日は The Linda のライブ中、立山さんがテキーラを飲んでしまう状況になってしまい、帰りの運転は誰にする?…という話しが出てきたのですが、この大会?はその話しが発展して生まれてきたものでした。周りを見てみると、何と寺岡車の運転手、寺岡も参加しているではありませんか。…つまり、負けるのは合計2人…。ここはビールを飲みたいところで、何としても負けられません…。


 ……。


   烏龍茶は自分のです…ビールを持つ智也君の顔といったら…   自分の席の前には、既に車の鍵が置いてありました

 自分、負けました(泣)…。

 なんとも自分は勝負事に弱いですね…。免許をまだ取得していないという上杉君と、ほぼペーパー・ドライバーという永井は初めから候補に外れていたのですが、この時は大変恨めしく思ったものです。ついでに、もう1人の運転手は宮ちゃんでした。藤田君の家に戻って、2人で即座にビールを空けたのは言うまでもありません。

   8月4日(8日目)
 この日は鳥取にてオフ日でした。今まで、色々な場所に寄っては、かなりバラエティーに富んだ観光?をしてきたつもりでしたが、この時ばかりは素直に「鳥取砂丘に行きたい!」という意見が後を絶ちませんでした。自分も含め、意外と皆さんミーハーです。
 それならば…と、ここは藤田君の車を先頭に、まずは鳥取市へと向かいました。ここ倉吉から鳥取までは、距離にして約40kmぐらいですが、ここを結ぶ国道9号線は、ほぼ高速道路みたいな立派な道なので、そんなに時間も掛からず着きました。しかし、砂丘の前には腹ごしらえという事で(ちょうどお昼時でした)、ここは藤田君お勧めの『海鮮市場かろいち』という所にまず向かう事にします。
 ここは賀露港(鳥取港)で揚がったばかりの魚を、新鮮そのままに出す市場で、鳥取の海の幸を堪能するには最高の場所でした。市場の中は賑わっていて、それこそ目移りがする感じでしたが、こんな光景を見せられたらお腹が空かないわけがありません。早速その一角にある『海陽亭』というお店に、足を運ばせる事にしました。

   空港が近くにあり、正に飛行機が離陸していくところでした   市場内にしてはガラが悪いような…(笑)

 ここでも、男12人(藤田君もいるので…)が肩を並べて席に着いている様は壮観ではありましたが、皆はもう待ちきれん!とばかり、メニューに喰いついていきます。そのどれもがお手軽な値段ではありませんでしたが、ここでケチっては男がすたるというもの…。ある人は海鮮丼、ある人はうに丼と、皆で自己投資を行っているという感じでした。確かに…美味しかったです。

   もう選ぶのに真剣です   自分は盛り沢山な海鮮丼を選択しました(ある意味無難…笑)

 この『かろいち』は海の近くに隣接しているのですが、それならば…と、そのまま皆で海に繰り出してしまいます。こんな時の為に、鳥取市内の100円ショップでビーチサンダルを買っておいて良かったです。元々砂丘に行く為に買ったものでしたが、砂浜でももちろん役に立つ代物でした。
 しかし、さすが100円ショップで買っただけあって、すぐに足の指が痛くなってきてしまいます…。指と指の間に入れる部分の処理が上手くない感じで、どんどんその間の部分が擦れてきてしまうのです…。それならばと、もう自分は裸足になりました。天気も曇りがちだったので砂浜も暑くなく、確かにこれで十分だと思いました。

   写真では分かりにくいですが、結構雨が降っています

 …と思っていた矢先、雨がついにポツポツと降ってきてしまいます。この日は不安定な雲行きという感じはしていましたが、やはり天気は下り坂だったようです。次第に雨はザーザー降りになってしまい、皆は一目散に車に避難しました。…とは言っても、足は砂だらけなので、いったん公衆トイレかどこかに行って、足を洗い流さなければいけません。なかなか億劫な作業でしたが、これが海での行動の現状でもあるのです。

 こうして自分達はもう海は諦めかけていたのですが、その雨はすぐに上がって、今度は晴れ間まで出る始末です。これはチャンスだと思い、今度は藤田君が勧める内緒のビーチに行く事になりました。これは鳥取市内から見て、鳥取砂丘のさらに東側にあるのですが、車を道端に停めて、そこから柵を越えないと入れない場所にあり、超えた向こうには細長い砂浜が視線の端から端まで広がっています。
 これこそビーチだ!…と思うと同時に、他に人も殆ど見かけなかったため、さながらプライベート・ビーチ気分になってしまいました。皆そのままシャツを脱ぎ捨て、ある者は砂浜へ、ある者は海の中へと飛び込んでいきます。ここでは、同じく100円ショップで買ったビーチボール、そしておもちゃのバット、ボールセットが役に立ちました。砂浜上でそれらの打ち合い、投げ合いをしても、結局は風がなんかで海に入ってしまうものです。それを取りに沖合いへと向かう者…(笑)。かなり童心に返り、気の向くままに海と遊んでいました。

   この開放感は素晴らしいです

 そして、そこでは砂浜でのドッチボール大会も開催されるはずだったのですが、残念ながら、ここで再び雨による仕打ちを受けてしまいます。しかも今度は大粒の雨です。これはボール遊びどころではなく、また車へ避難という結果になってしまいました。この付近は何も無い所なので、ゆえに足を流せる施設すら無かったのですが、そこは上杉君…、いつの間にか幾つかのペットボトルに海水を満タンに入れ、車の所まで持ってきてくれていました。持つべきものはバンドリーダーです(笑)。

 このあたりまでくると、さすがに海はもういいだろう…という雰囲気になりましたが、ここで満を持して砂丘に行く事になりました。雨はまた上がってきましたが、雨水でしっとりとした砂丘を見に行くというのは、ある意味貴重な状況なのかもしれません。ここのビーチから鳥取砂丘までは車で3、4分くらいで、ホントにあっという間に着いてしまいました。
 そして鳥取砂丘ですが、、、これがもう素晴らしいの一言です。写真では何回も見た鳥取砂丘ですが、ここまで現実離れした光景だとは正直思いませんでした。微妙に砂丘内では緑地化が進んでいるという皮肉な一面があるものの(笑)、これは間違い無く感動します。本当に来て良かったと思いました。

   後方の建物から歩いてきましたが、結構キツい感じです   遠くにいる人の小ささが、向こうまでの遠さを感じさせます

 砂丘の入り口に立つと、早速遠くの方に大きな砂の丘が見えてくるのですが、そこへ歩いて行くのがまた大変です。まずは下り坂で良いのですが、砂の上り坂というのは予想以上に足腰に負担が掛かります。しかし、丘の頂上からの風景を見たい一心で、皆は歩いて行っているようにも思えました。
 …が、よく見ると、皆は先ほどのビーチボール(サッカーボール仕様)でパス回しをしながら坂を上っていくではありませんか。何というタフさ、何という無邪気さ…。自分にはこういった遺伝子は持ち合わせていませんが、それを見守るのもどこか楽しかったりするものです(笑)。

 そんなこんなで自分は丘の頂上に遅れて到着…。目の前には砂の急斜面が迫っており、その向こうに海が広がっていました。それはそれは雄大な景色で、さぞかし皆感動しているだろうと思ったのですが、どうも様子が変です。何かザワザワしている雰囲気です。
 どうしたのかと聞くと、上杉君は遥か彼方の砂浜を指差しました。成程、小さ~~~く先程のビーチボールが、海に程近い砂浜を転がっていっています…(笑)。どうやら誤ってボールを丘の下に落としてしまったようです…。取りに行けない距離でもないですが、この先はかなりの急斜面が控えています。
 すると、いきなり「じゃん負け○○!」の声が!!…とっさに出した自分は何とか勝ち残りましたが、ここで負けたのはなんと藤田君…。早速 GG の洗礼を受けていますね…。すると藤田君、こんなのは慣れているとばかり、急な斜面をダッシュで下りて行くではありませんか…。皆呆気に取られていましたが、そこで誰もが思ったのが…「楽しそう」…だったに違いありません。後を続いて上杉君も下りていってしまいました(笑)。

   2人とも…(色々な意味で)遠くに行き過ぎです!

 誰もいない砂斜面を駆け下りるというのは、確かにそれなりに楽しそうではありましたが、あとの事を考えると、やはり二の足を踏んでしまいます。しかし、下界(笑)では「たけうっちゃーん!そえっちー!みやちゃーん!」…の声が…。どうするとばかり振り返りましたが、その時視界に入ったのは、既に副田君が誘惑に負けて駆け下りていく姿でした。しかし宮ちゃんを見ると、「絶対行かねぇ」というオーラを出しまくっています。ここで何とか自分は思い留められましたが、残りの寺岡、永井、賢さんの3人は、誘惑に勝つ事が出来なかったようです…。皆帰りの地獄の斜面上りに撃沈していました。

   楽しみの後には地獄が待っていました(笑)

 この後、急激に天気が悪くなり、明らかに遠くの方では土砂降りになっているのが目に入りました。足はかなり疲れていたものの、ここは全速力(…とは言っても速くないんです…笑)で入り口の方に戻りました。全員が戻ったところで、予想通りの土砂降り、そして雷…。この日は全体的に天気が不安定な日でもあったのですね。

   もう副田君の魂は抜けてしまっています(笑)   何とか濡れずにはすみました…

 それにしても…この日はかなり遊びましたね。観光というか、体力を使った遊びというか…。とりあえずは倉吉に戻って夜ご飯でも食べて、明日の為にゆっくりと身体を休める事にしましょう…。


 ……。


 ……。


   どことなくフォームもおかしくなっています


 …て、またボウリングかいっ!!?

 しかし身体にはガタが来ていて、もう自分はスコアはボロボロ…。概ね GG メンバーがそうでしたが、The Linda メンバーに至っては、秋航と智也君が自己ベスト更新を果たすなど、むしろ絶好調という雰囲気…。一体どうなってるのでしょうこの人達は…。

 そしてそのまま、、、

   秋航は本職なのでは…?

 ゲーム…


   個人的に、智也君は格闘ゲームが似合っている気がします

 ゲーム!


   やはり体を動かすのが好きそうなこの2人…(笑)

 ゲーム!!


   こちらはやはりレース・ゲームに挑戦してましたか!

 ゲーム!!!


 皆どこまで突き進むのでしょうか(まあ自分もやってましたけど…)。最終日が楽しみですね♪

   8月5日(9日目)
 ついにカップリング・ツアーの西日本編、最終日となりました。この日はここ倉吉から神戸まで移動、そして神戸にてライブ、そのまま東京に戻るという行程で、もしかしたら、この日が一番キツい日になっていたのかもしれませんが、自分はさらに次の日からは、さばいばる伊藤さんのツアーに参加すべ富山へ移動…という行程が待っており、終わったからと言ってホッとは出来ない状態でした。
 しかし、別に明日以降は自分が運転するわけでもないので、今日の寺岡車は自分が運転していきました。神戸でのライブ後、寺岡には神戸~東京間の夜間の運転が待っています。ここは休ませてあげたいところです。

   この日が今回最後の荷物入れ作業となりました

 ところで、倉吉~神戸間の所要時間が読めなくて、この日は朝7:30出となりました。神戸のお店には14:00入りとなっていましたが、早く着く分には問題ありません。途中で高速も使う予定でしたが、早過ぎるようなら途中で降りて、下の道でゆっくり行けば良いのです。
 …というわけで、倉吉から南に向かい、津山という所で中国自動車道に乗り東へ…。この時点で、少々予定より早く行けそうなのが分かった為、途中で降りてそのまま国道で南に下り、兵庫県の明石市の方に出る事になりました。この日は昨日までの天気が嘘のように晴れていて、正に夏のドライブという感じでした。やはて車は明石から須磨に入り、前方には立派な明石海峡が見えてきます。この時点で、時間は午前11:00…。

   見えにくいですが前方の高架橋です…左はJR山陽本線です

 
 早過ぎだって!!


 そんなに飛ばしたつもりはなかったのですが、もう神戸まであと30分という距離まで来てしまいました。意外とスムーズに行けるものなのですね…。そのまま神戸の三宮には11:30には到着し、さすがに時間が余り過ぎていた為、ではランチ(あえて昼飯と言わず…笑)をしようという事になり、神戸はハーバーランド、即ち港の見える方向へと移動しました。
 ここで大変だったのが車の処理でした。路駐をしようと考えていたのですが、この日は日曜という事もあり、その考えは甘く、仕方ないので阪急デパートの地下駐車場に停める事になります。もちろん有料ですが、ここの敷地内のレストランを利用すれば良いという事で、それではと好みのレストランを探すのですが、なかなか目ぼしいお店が見つかりません…。
 そこで考えたのが、地下の食料品売り場でお弁当を購入、外で食べようというものでした。外も晴れていることですし、これには全員も納得しました。ただし、駐車場が無料になるには、車1台につき3000円以上の買い物が必要です。ということは、2台なので全部で6000円以上…。ここで、上限○○円ではなく、下限1人600円という条件(笑)のもと、それぞれメンバーはデパ地下内を右往左往する事になりました。自分はというと、神戸牛弁当というのが600円強だったので、迷わずこれを購入しました。ある意味贅沢なお昼ですね!

   上杉君、真剣に食材選びをしています…

 11人全員が食材を購入し、早速港の方へと移動しました。この付近には MOSAIC(モザイク)という複合施設があるのですが、この建物の海側に、偶然にも何人か座れるスペースがあり、そこで弁当を広げてのお昼タイムとなりました。本当に暑い夏の日…という感じでしたが、食べ終わった面々は、前にある広場?でキャッチボールを始めるなど、長閑な休日という光景も演出されていました。良いランチでした♪

   神戸ポートタワーを見ながら、食事場所を探します   これまた男11人がこんな所で…凄い光景です

 時間になり、今日の演奏場所である、三宮 Wynterland というお店に移動します。ここは三宮でも山側の方に位置し、いわゆる北野と言われる辺りなのですが、自分は前にも(…というか何回も)散策した事がある場所ので〔旅日記 4.(関西編…2006.5.9~5.11)参照〕、雰囲気は既に掴んでいる感じはありました。
 久しぶりにライブに特化したお店で演奏という事で、逆に新鮮な気持ちが自分にはありましたが、やはりこういった音響の整った所でのライブというのは気持ちの良いものです。もちろん、自分達で音響機材を運ぶという事はありませんでしたが(笑)、それでなくても昨日の砂丘での痛みが響いているのは否定できませんでした。ここはまた、お互いのリハーサル中にストレッチをしておく事にしましょう…。

   三宮の山側の方に位置する Wynterland   ここでも真剣に徹します

 さて、この日は特別ゲストがありました。神戸出身(正しくは、須磨の方らしいですが)のアーティスト、岡口貴志さんです。実は、この日の為に岡口貴志バンドが急遽結成されまして、メンバーは(Vo)岡口さん、(Sax)上杉君、(G)寺岡、(Key)自分、(B)智也君、(Ds)秋航と、正に GG と The Linda 双方からのメンバーで構成されているのです。本当にこの日だけのライブという感じになっていて、それはそれは面白いものでした。
 つまり、この日は3バンドが出演という形になっていたのですが、メンバー的には、中の組み合わせを色々変えて出演…という感じだったので、見た目的にも興味深いものになったのではないでしょうか。また、せっかくなので岡口さんも GG と The Linda のステージに1曲ずつ参加して貰い、得意のダンスを披露させて頂きました。GG のステージで一同がダンス…というのは、今までに考えつかなった感じでしたが、お客さんにもご協力頂いて、大変一体感のある空間が作り出せたと思っています。皆様どうもありがとうございました!

   GG のステージで、ダンスの講師?をする岡口さん   岡口さんのステージは本当に特徴あるものでした

   The Linda は、このツアー一番の盛り上がりを見せていました   最後にはお客さんも含め、全員が参加です

 もちろん、The Linda の方も負けてはいません。皆メンバーが動く動く、叫ぶ叫ぶ(笑)。ステージの上が凄い事になっている感じがしましたが、それでいて皆の表情は楽しそうで、西日本ツアーの締め括りに相応しい、思い出に残るライブになったのではないかと思います。やはり、オフとオンとのスイッチの切り替えに関しては感心するくらいで、これがバンドを長生きさせる秘訣かな…とも思ったりしました。
 また、ここでのライブがこのように大盛況に終わったのも、やはり観に来て頂いた方1人1人に尽きると思います。お客さんからパワーを頂いているというのが、ステージの上からでも伝わってきましたし、その為には自分はパワーを倍以上返さなければいけないとも、自然に思う事が出来ました。こういったスタンスでライブをやる事が何より大事なのではないかと思います。改めて、ありがとうございました!

 さて、初めがあれば終わりもある…。ついに約1週間のツアーが終わり、東京に向け帰りの準備を始める事になりました。しかし、先ほども言ったように、自分は明日、直接富山に行くという命題が残っているわけで、今夜の宿探しをしなければならなかったのですが、偶然にも、この日は永井も神戸に残るとのこと…。これは、永井の姉がここ三宮に住んでいるらしく(というか、今日のお店の目と鼻の先くらいの場所でした)、1泊してから帰るというのです。なるほど…では自分も便乗させて貰って、、、という事で、無事宿は確保しました(笑)。やはり持つべきものは後輩ですね♪

   約1週間も一緒にいた男達です(笑)   車内はすし詰め状態…というわけではありません

 そんなわけで、永井と自分を残し、残り9人のメンバーは東京へと向かっていきました。約1週間、ずっとお世話になっていた車を見送るというのは変な感じでしたが、そのまま、永井の姉が居酒屋で自分達を待っているというので、歩いてお店へと向かいました。
 この後、三宮のとある居酒屋で、ささやかながら打ち上げが行われたのですが、この永井のお姉さんがまた良い味を出していて…。永井の性格はこうして作られたのかと、色々考えさせられる事が多かったです(笑)。

 とにかく、色々な方達に助けられたツアーでした。行程期間8日間、ライブ場所4ヶ所、そして、ここに掲載された写真は合計103枚と、今までの記録を更新しました…。それだけ濃い内容のツアーだったと共に、伝えたい事も多かったツアーだったのだと思います…。このままの勢いで、次々に控えるライブも突き進んでいきたいですね。皆様、長い長い文章を最後まで読んで下さって、ありがとうございました!

 ☆Generation Gap のHP…http://www.generation-gap.jp/

 ☆The Linda のHP…http://www.thelinda.jp/
スポンサーサイト



テーマ:ライヴレポ・感想 - ジャンル:音楽



プロフィール

竹内

Author:竹内
1980年1月29日生まれのO型。
3歳からクラシックピアノを始め、
高校ではジャズに目覚め、大学では
バンドも経験する。現在は関東を
中心に、ライブハウスやホテルの
ラウンジ、レストラン等で演奏を
行っている。また、写真好きが興じて
簡単な写真撮影の仕事もしている。
…そんな29歳です。



次回のリーダーライブ

2010年2月7日(日)
外苑前 Z・imagine
Open…18:00~(予定)、
1st.…18:30~、2nd.…20:00~、
Charge…2700円(ドリンク別)
(Pf)竹内大輔
(B)池田暢夫
(Ds)佐々木俊之



竹内大輔トリオCD発売中(試聴可)!

   cd-pictures-mini.jpg
       Pictures

     ☆試聴はこちら



カレンダー

07 | 2007/08 | 09
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -



ブログ内検索



竹内大輔までのメールはこちらへどうぞ!

名前:
メール:
件名:
本文:



最近の記事



最近のコメント



最近のトラックバック



月別アーカイブ



カテゴリー